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 相場英雄 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
他にも読んでますが、機会があったら書きます・・・

ガラパゴス (上・下) 復讐の血 不発弾





   
ガラパゴス (上・下)







2016/2/14 読了






小学館

内容(「BOOK」データベースより)
ハイブリッドカーは、本当にエコカーなのか?日本の家電メーカーは、なぜ凋落したのか?メモ魔の窓際刑事、再臨場!警察小説史上、最も最酷で哀しい殺人動機。ガラパゴス化した日本社会の矛盾を暴露する、危険極まりないミステリー。




「震える牛」同様の、素晴らしい社会派ミステリでした。

事件を追う刑事は、「震える牛」でも活躍した田川。
友達の鑑識の刑事の手伝いで資料を見ていたら、
自殺として扱われた身元不明の遺体写真に疑問を持つ・・・
これは練炭自殺じゃない、毒物の中毒死だ・・・
殺しではないのか・・・?と。
そして、まずはこの遺体の身元を調べ始める・・・というもの。

行方不明者の身元捜査、
その中で派遣労働者の過酷な状況を知り、
今の日本の「ガラパゴス化」した経済状況にも触れ、
大企業の黒い思惑に巻き込まれた殺人事件の真相が
徐々に明らかになっていくんです。

いろんな側面から、いろんなお話がなかなか興味深い。
有難いことに正社員として働いて
ちゃんとお給料をいただいている夫と暮らしてる私としては、
こんな派遣労働者のあまりにも過酷な人生が
もう、これでもか!と伝わってきて・・・

そして、携帯やテレビ、そして車・・と、身の回りのものが、
どれだけ世界との格差があるか、
我が国に特化した素晴らしい製品は、
世界規格でいうと厳しい状況にあるってことも突きつけられました・・

正直、問題の車を代車としてあてがわれた田川の妻の身に
何か起こるんじゃないかってヒヤヒヤしながら読んでましたけど、
そちらの不幸は訪れなかったので安心しました・・・。

沖縄のマジメな青年の不条理な死・・・
とても許せないものではあるけど
優秀な田川という刑事の目に留まり、
故郷の土に戻れたということは、とても安堵しましたね・・・。

ただ、結末は、やっぱりスッキリ・・・とはいきませんでしたね。
そこに政治家をからめてきちゃったか・・・って感じ?
スパッ!と関係者を一掃してほしかったけど、
やっぱ、現実ってこんなもんかもしれん・・・・(汗)

そんな意味でも、リアルな小説でございました。
上下巻ですけど、一気読み必至です!




 
   
復讐の血




2017/2/12 読了






実業之日本社文庫

内容(「BOOK」データベースより)
新宿歌舞伎町の外れで、金融ヤクザが金髪男にメッタ刺しにされた。被害者の財布に残された、手書きで綴られた数字のメモ。総理事務秘書官と警視庁捜査一課刑事が事件を追う。ゴールデン街の名物ママの死、金融庁審議官の沖縄宮古島での失踪、日本を地獄に落とす株価瞬間暴落、幾重にも張られた罠…。凍りついた目をもつ男の真の目的とは。戦慄と衝撃のラスト!



盛りすぎや!ってくらいの、盛りだくさんなお話でしたねぇ・・・

ヤクザ殺し、金融、政治、連続殺人、そして・・・ってね。
根本は「ソレ」なので、全部がそこに繋がっていくんだけど・・・

冒頭の「出身地」で、もうだいたいの予想はつくわけですよ、
「棄民」と自らを言い捨てる意味もね・・・。
実際、未だに「捨て置かれている」って思ってる人たちは
たくさんいるだろうし、実際にそうだろうし・・・
災害当時はもっともっと不幸なことがあっただろうし・・・

何年たっても拭えない悲しみや苦しみ・・・
その恨みや憎しみの矛先は、そこになるのか・・・ってねぇ・・
でもさ、役人もやりたくてやったわけじゃない人もいるわけで、
殺されてしまった人たち全部が殺されるだけのことをしたのか?っていうと、
そうでもない気がして・・・

やるせない話でしたよ・・・。
ただ、一人の男の失脚を目論んで仕掛けた「テロ」かもしれんけど、
実行されてたら・・・日本が大変なことになってたぞ・・・っていうね。
規模のデカイ話でございました・・・。




 
   
不発弾




2017/5/31 読了






双葉社

内容(「BOOK」データベースより)
大手電機企業・三田電機が発表した巨額の「不適切会計」。警視庁捜査二課の小堀秀明は、事件の背後に一人の金融コンサルタントの存在を掴む。男の名は、古賀遼。バブル直前に証券会社に入社し、激動の金融業界を生き延びた古賀が仕込んだ「不発弾」は、予想をはるかに超える規模でこの国を蝕んでいた―!リストラ、給与カット、超過労働…大企業のマネー・ゲームのツケで個人が犠牲になる、そんなことは絶対に許さない。若き警察キャリアが、いま立ち上がる!



これは・・・・ノンフィクションですか?ってくらいのお話で・・・
東芝のこと・・・ですよね?
安倍晋三のこと・・・ですよね?
いやぁ・・・ドギマギしちゃう!

ある企業の「不適切な会計」について疑問をもって捜査を始める刑事と、
その企業のコンサルタントとして動く古賀という男・・・
この二面で描かれるんだけど、
古賀に関しては、貧しく辛い子供時代から描かれていくため、
ちょっと情が移るっていうか、100%責められない流れになっていきます。
刑事の執着も、ちょっと独り相撲な感じがして、
どっちかっていうと、気持ちは古賀寄りになっていくんだけど・・・

読んでいくうちに、「迷惑はかけられない」とか、「後に引けない」とか、
言い訳してるけど、結局逃げてるだけじゃん・・・って言いたくなって。
やってることの正当性に疑問を持った時期が何度もあったはずなのに、
他人のせいにして目を背けてるだけやん・・・っていうね。

結果、大事な人の大切な人を死なせてしまって、
最後はその人に捨てられてしまって・・・
残ったのは、自分のしたことだけ・・・
で、最終的に罰せられるか?って思ったのに、
権力に屈してしまう正義・・・
いやぁ・・・ほんと、リアルだけどムカつくよなぁ・・・

古賀を何とか人間らしくいさせてくれた女性が去った今、
この男の歯止めとなる人物はいないわけで。
どうなっちゃうのか心配ではあるけど・・・
現政権が終わったら・・・ですよねぇ・・
あ、そうなる前に違う大きな権力を味方に付けちゃうかな?
あーやだやだ。

経済面の話は難しくて流し読みしちゃいましたけど、
物語としては面白かったです。
現実の企業や人物に当てはめて読んでいくともっと楽しめますね。
・・・愉しむ話ではないんだが・・・(汗)