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 朝井リョウ 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
リンクしていないモノは、おいおい感想を記載していきます。

星やどりの声 少女は卒業しない スペードの3 武道館
世にも奇妙な君物語 ままならないから私とあなた 何者 何様





   
星やどりの声




2013/8/7 読了





内容(「BOOK」データベースより)
星になったお父さんが残してくれたもの―喫茶店、ビーフシチュー、星型の天窓、絆、葛藤―そして奇跡。東京ではない海の見える町。三男三女母ひとりの早坂家は、純喫茶「星やどり」を営んでいた。家族それぞれが、悩みや葛藤を抱えながらも、母の作るビーフシチューのやさしい香りに包まれた、おだやかな毎日を過ごしていたが…。




父の死後、残された家族一人一人の視点で描かれていくお話。
父が残した喫茶店での料理、人間模様、そして、喫茶店の行く末・・と、
話はこの喫茶店の周囲で進んでいきます。
そして最後は、父の思いが明らかになって・・・

いい話でした。
あたしの中の「朝井リョウ」のイメージは、他の作品を読んでないのに、
勝手に「新しい小説を書く人」だと思っていたので、
普通に、いい話書くんじゃん!っていう感想でした。
ヒネリもクセもたいしてない、普通にいい話です。
・・・・こう書くと、面白味がない・・みたいな聞こえるな。(汗)
でも、ほんと、最後は涙がポロポロ・・・です。
この喫茶店、行ってみたいな!
その天窓から見える空を、見てみたい。




 
   
少女は卒業しない




2013/12/28 読了





内容(「BOOK」データベースより)
今日、わたしはさよならする。図書室の先生と。退学してしまった幼馴染と。生徒会の先輩と。部内公認で付き合ってるアイツと。放課後の音楽室と。ただひとり心許せる友達と。そして、ずっと抱えてきたこの想いと―。廃校が決まった地方の高校、最後の卒業式。少女たちが迎える、7つの別れと旅立ちの物語。恋愛、友情、将来の夢、後悔、成長、希望―。青春のすべてを詰め込んだ、珠玉の連作短編集。




廃校が決まっている高校の卒業式の朝から、卒業式が終わった後まで・・・
時間経過とともに描かれる、7つのさよならの物語・・・
連作短編集・・・といっていいのかな?

最初の「大好きな先生との別れ」・・・
なんか、男のくせにすごいぞ、朝井リョウ!って感じ!!(笑)
キュンキュンが文字から伝わってくるもん・・・
言ったら終わり、でも、言わなくちゃ・・・な「好きでした」。
「です」ではなく、「でした」・・。
うーん・・・切ない!!
受け取る先生も、模範的な対応でございました!

この冒頭の話が一番印象に残ったかなぁ・・・・
残りの6話も良かったんですけどね。
映像化してもいいんじゃないかな?
東棟に描かれた、「手をつないでいる」ように見えるけど、実は・・・
っていう壁画も、実際に見てみたい気もするしね!



 
   
スペードの3




2014/5/12 読了 





内容(「BOOK」データベースより)
ミュージカル女優のファンクラブまとめ役という地位にしがみついている美知代。地味で冴えないむつ美。かつての栄光は見る影もない女優のつかさ。待ってたって、「革命」なんて起きないから。私の人生を動かしてくれるのは、誰?




いろんな顔があるよね、朝井リョウは。
今回は、ちょっと湊かなえさん風・・・っていうか、
女の心の奥を描きつつ、ちょっと「おっ!」と思わせるところもある作品です。

三人の女性が主人公の三篇から成り立ってますけど、
共通した舞台での話なので、連作短編集ですね。

匿名扱いですけど、わかりやすく言うと、宝塚のファンたちと、男役スターが出てきます。
スターに心酔し、統率することに意義を感じる女や、
目立たない暗い少女時代を乗り越えようともがく女性の話や、
人の前に出る仕事ながらも、嫉妬に苦しむスターとか・・・
全体を通して言えるのは、女って、どうしても他人と比較しちゃうよね・・・ってことですね。
これは、今も昔も普遍的にあることで、
男性よりも女性は表に出さない分、引きずるし、重たいです。(笑)

自分の存在意義を揺るがされたり、
自分の存在意義を見つけようとしてたり、
女性なら共感できるお話なんじゃないでしょうか。




 
   
武道館




2015/6/25 読了






文藝春秋

内容(「BOOK」データベースより)
本当に、私たちが幸せになることを望んでる?恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業…発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取りまく言葉たち。それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは―。「現代のアイドル」を見つめつづけてきた著者が、満を持して放つ傑作長編。




朝井さんは・・・・ほんと、女子なんじゃないか・・・っていう。(笑)

この年頃の不安定な気持ちの揺らぎや、
だけど絶対に譲れない頑固な部分とか、
友情、恋、そして仕事のことが、見事に描かれています。

歌って踊るのが好き、それだけだった少女が、
アイドルグループに入り、苦悩しながら過ごした時期が描かれていて、
「ただ好き」だけでは済まない大人の世界で、
「ただ好き」ってことの意味を見つけていくわけです。

ベースは・・・モー娘かな?
最後の「OGが集まり・・」って部分は、まさにそうだもんね。
恋愛スキャンダル、主要メンバーの卒業、体型の変化・・とか、
モー娘をしっかりと見てきた私にとって、
そっか、裏ではこんな風に悩んでたんだ・・・と錯覚するくらい。(笑)

クライマックスに訪れる決断のとき。
愛子の決断は、いつか「正しかった事」になったんだよね?
いや、「正しかった事」にしたんだろう。
幾年の年を経て再び集まった6人が、
笑顔でステージに立ってる姿、見えるようでしたもん。

これ、実写化しても面白いとは思うんだけど・・・
いろいろと現代のアイドルに重なる部分が多すぎるので・・
やっぱ無理だろうね。(笑)




 
   
世にも奇妙な君物語




2016/1/27 読了






講談社

内容(「BOOK」データベースより)
いくら流行っているからといって、経済的にも精神的にも自立した大人が、なぜ一緒に住むのか(第1話「シェアハウさない」)。その人がどれだけ「リア充」であるかを評価する、「コミュニケーション能力促進法」が施行された世界。知子のもとに、一枚の葉書が届く(第2話「リア充裁判」)。親のクレームにより、幼稚園内で、立っている金次郎像が座っているものに変えられた!(第3話「立て!金次郎」)。…そしてすべての謎は、第5話「脇役バトルロワイアル」に集約される。




有名な「世にも奇妙な物語」の、朝井リョウ版です。
うん、ドラマ化してもいいのでは・・・・?って話が多かったですね。

「シェアハウさない」は・・・
最後にぞっ・・・とさせる内容で、こりゃドラマ化に向いてる!って思った。
このシェアハウスには何かある・・・とは思ってたけど、
そんなことだったのは・・・
終わり方も、まさにドラマっぽい!
どうなったの??このあと、どうなっちゃったのー??っていう・・。

「リア充裁判」は・・・
こんな時代、もし本当だったらイヤだよなぁ・・・
最終的にちょっといい話・・・みたいになってたけど、
正直、コミュニケーション能力っていう意味では、
主人公は合格とは言えないのでは・・・?って気がしたけどね・・。

「立て!金次郎」は・・・・
現代の幼稚園のモンペを扱ったお話で・・・
そんな風に親に左右されて、教育になるのかねぇ・・・?って思ってたけど、
親は親で、そんな日和見な保育士に危機感を持ってた・・ってオチだったね。
怖い、怖い・・・

「13.5文字しか集中して読めな」は・・・
毎日、ネットニュースを見ている側としては、
こういう「パッと見てわかるニュース」はありがたいんだけど・・・
まさかの展開でしたね。
子供は親を見てる・・・ってことだ。
行動も、言葉も・・・全部自分に返ってくるってことだ・・・
ひゃーっ!!怖すぎる!!

「脇役バトルロワイヤル」は・・・
実在の役者さんたちの名前を一文字もじってまして、
誰のことを言ってるのか、完全に伝わります。(笑)
朝井さん、見事に分析されてますね!
脇役ばかりやってる役者たちが、ある舞台で主役のオーディションを
受けることになったんだけど・・・
やっぱ、脇のは脇の意味があるっていうか・・・
最後の「あの人の登場」には、ちょっと納得っていうか・・・
いや、ズルイやん!!
もし最初から「あの人」が参加してたら、
絶対主役はその人やん!!(笑)

最後のお話は、それまでのお話に「出演していた」っていうテイで、
このお話たちが「ドラマ」として扱われてるってことがわかる内容でしたね。
「世にも奇妙な物語」も大抵5作から成ってますので、
2時間半のドラマを見させてもらった・・・って感じです。
楽しめました!




 
   
ままならないから私とあなた




2016/6/7 読了






文藝春秋

内容(「BOOK」データベースより)
友人の結婚式で出会った彼女は、他の場所では全く違うプロフィールを名乗っていた―「レンタル世界」。高校時代から発明家として脚光を浴びてきた薫。しかし、薫をずっと近くで見ていた雪子は、彼女があまりに効率を重んじることに疑問を感じる―「ままならないから私とあなた」




2編からなる作品。
どちらも、人と人との関係って難しいよね・・・って
考えさせられる作品です。

「レンタル世界」は・・・
結婚式の数合わせのために人をレンタルする・・・とか、
親に恋人を紹介しろと言われて、レンタル恋人で誤魔化す・・・とか、
まぁ、いろいろですよね。
理解できるのもあれば、できないのもある・・・
だけど、より円滑に人生を送るためのツールとして、
割り切って利用するのなら、別に構わないかなぁ・・・って
私は考えちゃってます。
ただ、途中で出てくる「レンタル」は、読みながら気づいちゃって、
痛々しいなぁ・・・って思ったよ、
しかも、最後には驚きの「真相」が・・・
それ知っちゃったら、今後どう先輩に対処すればいいのか・・・
複雑ったらありゃしない・・・。(涙)

表題作の「ままならないかた私とあなた」は、
全く考えの違う二人の少女の出逢いから現在を描くもので、
全然考えが違う人って、違うからこそ楽しい・・とか、
だからこそ発見があって意味がある・・・とか、
そんなことなんだろうけど・・・
ここまで「大切にするもの」が違う人とは、
「相容れない」ってことになるんじゃないかなぁ・・?(汗)
よくもまぁ、今まで関係が続いたよ・・・って言いたいわ。

生きる意味ともいえる生き甲斐を、
あんな形で潰され、しかも相手にその自覚はなく、
何を言っても反論され、まさに「相容れない」状態・・・
もっと早く気づけたと思うけど・・・(汗)

最後は、自分でも受け入れがたい現実に戸惑う主人公ですが・・・
そんな、ままならないのが人間ですよね。
そうやって、ままならないことを何とかしながら生きていくんです。
とはいえ、ままならないからと逃げたり目を背けたりばかりでは
生きていけないので・・・
何とかうまいこと消化しながら年を重ねていく・・・
それが人生かな・・
なんて、ちょっとしんみり考えてみた私でございます。




 
   
何者




2016/10/20 読了






新潮社

内容(「BOOK」データベースより)
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから―。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて…。直木賞受賞作。




直木賞受賞後、古本で手に入れていたものの、
積読本に埋もれておりまして・・・・
そんな中、続編の「何様」が発売されて!
一応図書館で予約していたんだけど、
思ったより早く順番が回ってきて・・・
慌てて探して読んでみましたよ。

就活をしている5人がメインのお話。
ルームシェアしてる拓人と光太郎。
その上に住んでるカップル、理香と隆良。
理香の友達で光太郎の元カノの瑞月。
一緒に内定目指そう!!・・っていうことなんだけど・・・。

正直、昔から仲がいい仲間じゃないじゃん?
お互いを探り探り・・・の仲間だよね?
情報を共有・・・と言いつつ、相手の動向を探ってるわけやん。
逆に追い詰められていきそうで、私はイヤだなぁ・・・(汗)
ってか、私が就職した時代はまだ就職しやすい時代だったので、
今のみんなは大変だなぁ・・・って思う。
・・ま、私の場合は看護師なんで、また別なんだけど・・(汗)

表面上は相手を思ったり考えたりしてるけど、
実は裏では相手のSNSを覗いたりしていて、
この作品が「ホラー」って言われるのもわかる気がするっていうか・・(笑)
でも、本当のホラーは最後に待ってまして・・

いやぁ・・・怖い、怖い。
人のを覗くなら、自分のも覗かれてるって思わないとね。
ってか、覗かれるってわかってて書いてるわけで、
そんなに発信したいもんかね・・・?って思っちゃう。
自分の中で何とかできないのかな、今は・・
こういうツールがあると、使っちゃうのかねぇ・・・

そんなホラーめいたシーンを乗り越え、
一皮むけたカレは・・就職できるのでしょうかねぇ・・・

続編は、その後・・・の短編集みたいです。
すぐに読もうっと!




 
   
何様




2016/10/22 読了






新潮社

内容(「BOOK」データベースより)
何者かになっただなんて、何様のつもりなんだろう―『何者』アナザーストーリー6篇。書下ろし新作も収録!




「何者」のアナザーストーリー的な一冊。
第一話と第二話は、アンソロジーじ既読でしたが、
第一話の「水曜日の南階段はきれい」は、
あの光太郎がどうしても会いたいと願った女性のことが描かれてて、
そういうことだったのか・・・とじんわり。
会えたのかなぁ・・?
会えるといいなぁ・・・
・・この作品は「何者」より先に書かれています。
この話ありきで、何者ができたんですねぇ・・・

「それでは二人組を作ってください」は、女子あるある。
ほんと、朝井さんは女子の気持ちをよくわかってる。
二人組になって・・・は、怖いんだよねぇ・・
誰でもいいから早く組まないと、一人残されちゃう可能性があって、
もし残っちゃったとき、「いいのいいの」って言い訳しちゃう気持ちも
よーくわかるんだなぁ・・・
で・・・理香の行動に、胸がしめつけられる想いでしたな・・・。
朝井さん、ほんと意地悪。(笑)

「逆算」は、意地悪な一言に縛られた女子の話・・
でも、女なら、そんな単純計算に騙されないと思うけど・・?
無知って怖いよ・・って気がした。

「きみだけの絶対」はギンジの甥っ子の話。
自分らしく生きるってこと・・・こうやって体現してる叔父さんがいるって
ある意味幸せかもしれないよね。

「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」も、
気持ちがよくわかったなぁ・・・
まっすぐ、親の希望通りに生きてきたのに、
間違った道を歩んできた人の言葉の方が重いとか、
昔手がかかった分、今可愛い・・・とか、
ちゃんと頑張って真っ直ぐやってきた人間が損みたいやん!って気持ち、
なんかわかったもん。
だから・・・じゃないけど、一度くらい間違ってみろ・・・って、
ダメなんだけど、背中を押すわけじゃないんだけど、
後悔してもいいから、間違ってみな・・・って、思っちゃったんだ・・・
こういうとこ、上手いなぁ、朝井さん・・・

最後の「何様」は、面接する側の目線の話。
確かに、まだ何者でもない人間が、人の合否を決めるわけで、
おれって何様?って悩むよねぇ・・
でも、悩んでくれて嬉しいって気持ちもある。
俺様!って悩みもせずに取捨されるんじゃ、いい気持ちしないもん。
こうやって、悩んで選んでくれたら、嬉しいよね・・。

どれも読みごたえがあって面白かったです。
「何者」と続けて読んだのが正解だったわ!