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 彩瀬まる 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

あのひとは蜘蛛を潰せない やがて海へと届く 朝が来るまでそばにいる くちなし





   
あのひとは蜘蛛を潰せない


あのひとは蜘蛛を潰せない


2013/12/19 読了





私って「かわいそう」だったの? 「女による女のためのR‐ 18文学賞」受賞第一作! ずっと穏やかに暮らしてきた28歳の梨枝が、勤務先のアルバイト大学生・三葉と恋に落ちた。初めて自分で買ったカーテン、彼と食べるささやかな晩ごはん。なのに思いはすぐに溢れ、一人暮らしの小さな部屋をむしばんでいく。ひとりぼっちを抱えた人々の揺れ動きを繊細に描きだし、ひとすじの光を見せてくれる長編小説。




こういう・・・陰に入る話は、読んでて暗くなるよねーん・・・
基本、根が楽観的なもんで、
こう、ウジウジというか、ジメジメというか、
自分の内面と向き合うだの目をそらすだのっていう話になると、
あんまり共感できないんですわ。(汗)
見事にウジウジと描き切ってるといえばそうなんだけど・・・(滝汗)

それでも、テンポよく、心理状態を表現していただけるといいのですが
この作品は、ただただ、ずっとウジウジしてる感じで・・・・

最後はね、なんだか元サヤなんだか、どーなんだか・・・の、
うやむやーん・・・・な感じで終わりまして、
「もっと楽に生きなはれや・・・」と言いたくなりました。

ずっとこんな話を読んでると、病んでしまいそうな気がするので、
やっぱりミステリー好きなんだから、そっちを読もう!!と心に決めました!!

・・・まだ数冊、ミステリー以外の図書館本があるんだけどね・・・・
後回しにしようっと・・・。(汗)



 
   
やがて海へと届く




2016/3/1 読了






講談社

内容(「BOOK」データベースより)
すみれが消息を絶ったあの日から三年。真奈の働くホテルのダイニングバーに現れた、親友のかつての恋人、遠野敦。彼はすみれと住んでいた部屋を引き払い、彼女の荷物を処分しようと思う、と言い出す。地震の前日、すみれは遠野くんに「最近忙しかったから、ちょっと息抜きに出かけてくるね」と伝えたらしい。そして、そのまま行方がわからなくなった―親友を亡き人として扱う遠野を許せず反発する真奈は、どれだけ時が経っても自分だけは暗い死の淵を彷徨う彼女と繋がっていたいと、悼み悲しみ続けるが―。死者の不在を祈るように埋めていく、喪失と再生の物語。




彩瀬さんは、観光として行った福島で
あの東日本大震災を被災されてます。
その経験をもとにドキュメンタリーも書かれてますし、
この作品も、その経験あってこそ・・・のものですね。

旅行に行った親友・すみれを、震災で亡くした真奈。
いや、行方不明なだけで、死を確認したわけではないんだよね・・・
すみれの恋人の遠野から、三年経った今、
すみれの遺品を整理処分したいという話をされる・・・
そのことが理解できない真奈。
すみれを忘れるなんてできないという思いに縛られてるんだよね・・・

私も、亡き人を「忘れる」ことはしなくていいと思う。
文中にも出てくるけど、
思い出として自分の中に置いておくことが一番いいと思う。
そのことは、忘れることでは決してないし、
死んだ人に縛られてるわけでもないし。

すみれを置いて、自分だけ前を見て歩いていくなんてできない・・
そう考え続ける真奈だけど、
遠野とちゃんと向き合って話すことで、
散歩が好きだったすみれが、とどまってるわけない、
きっと彼女も歩いてるはず・・・っていう考えを聞かされて、
そっか、そうだよね・・・と心を解いていく・・
ゆっくりと、ゆっくりと、前を向き始める真奈。

交互して、「すみれ」が描かれています。
思いがけず震災にあい、黒い波に流されて行ったであろう人の姿が、
こんな風に苦しんで迷って・・・ていう姿が、
自分の大切な人がこんな思いをしてると想像するだけで、
胸が苦しくなってしまいました。
もっともっと歩いていたかったすみれが、運命に抗おうとし、
それでもその先に何かを見つけてくれて、
海に届き、還り、そしていつかまた・・・と、
そうであってくれたら・・・という、祈りのようなものを感じました。

死んでしまったすみれも、生きている真奈も、
苦しみの一歩先に進みだした希望ある結末・・・
何より、誰かを大切に思うがあまり、失ったときの悲しみを想像して
動けなくなってしまってた真奈の心が解け、
優しい人とともに生きていってくれてるのが嬉しかったです。




 
   
朝が来るまでそばにいる




2016/10/19 読了






新潮社

内容(「BOOK」データベースより)
この夜が明けるまで、手を握っているよ。弱ったとき、逃げたいとき、静かに寄り沿う影がいる。暗闇から再生へとつながる物語。




人は弱ったとき、追いつめられたとき、魔が襲う・・・
その魔に引きずられてしまうのか・・・
抗って、その先の光を見つけられるのか・・
そんな6つのお話です。

正直、どれも重たい話です。
得体の知れない黒い何かをドロリ・・・と見せつけられて、
その状況に陥った人間をが描かれていくわけですが、
読んでて、ズッシリきます。

でも、ちゃんと光を見つけて終わる話もあるので、
読後感はそれほど悪くはない。
「ゆびのいと」は、ちょっと恐ろしかったけどね・・・・(汗)

「よるのふち」も怖かったけど、
最後の声が届いたみたいで良かった・・・
残された方もだけど、残して逝ってしまった方も、
辛くて想いが大きくなって、見えなくなっちゃうんだよね・・・

彩瀬さんらしい作品でした。




 
   
くちなし




2018/3/27 読了






文藝春秋

内容(「BOOK」データベースより)
別れた愛人の左腕と暮らす。運命の相手の身体には、自分にだけ見える花が咲く。獣になった女は、愛する者を頭から食らう。繊細に紡がれる、七編の傑作短編集。




変わった話ですよ。
不倫相手と別れるとき、「じゃ、あなたの腕をちょうだい」って言って、
わかった、利き腕じゃないけどいい?って言って、
パキっ・・ってはずしてあげちゃう・・・っていう。
は?な話ですよ。(笑)
独特の世界観ですよねぇ・・・
その腕には「意思」もあって、ちゃんと動くし、腐らないし・・・
愛おしい存在になっていくんだけど、
相手の妻が取り返しに来て・・・って展開。
まぁね、ずっと片腕の無い夫を見てるのは辛いよね。
忘れられないもん、「不倫してたんだ」ってことをさ。
だからって、あなた・・・代わりに・・・あげちゃうなんて・・
いやはや、わかるような、わからんような・・・・(笑)

他にも不思議なお話がたくさん。
気色の悪い話もありましたけど、
「愛のスカート」とか「茄子とゴーヤ」は比較的受け入れやすくて
好きな話でしたね。
片方がすごく思っていても、相手はそうでもない・・・
でも、その関係でも構わない・・・っていうね。
ある意味気色悪いっちゃー悪いんだけど。(笑)

この世界観を受け入れられたら、楽しめると思います。