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 荻原浩 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

砂の王国 家族写真 月の上の観覧車 冷蔵庫を抱きしめて
金魚姫 海の見える理髪店 ギブ・ミー・ア・チャンス ストロベリーライフ
海馬の尻尾





   
砂の王国





2013/7/2 読了




内容(「BOOK」データベースより)
全財産は、3円。私はささいなきっかけで大手証券会社勤務からホームレスに転落した。寒さと飢えと人々からの侮蔑。段ボールハウスの設置場所を求め、極貧の日々の中で辿りついた公園で出会った占い師と美形のホームレスが、私に「新興宗教創設計画」を閃かせた。はじき出された社会の隅からの逆襲が始まる!




分厚い上下巻です。

転落した男が、ある男と出会い、人生を再生していく・・・
しかし、それは、「砂の王国」だった・・・ってわけです。

正直、こういう胡散臭い話は好きじゃないんですけど、
あぁ、こんな風にだったら、確かにこうなっちゃうかも・・って
どんどん引き込まれている自分がいました。

最初は見返してやろうという思いもあり、
でも、途中で何かが違うって気づき、
最後は・・・ってことよね。
一人ではない、誰かと一緒に・・・となると、
難しいものがあります。
みんなの志がそもそも同じだったのか?というと、
そうでもないからね・・・

落ちて、上がって、また落ちて・・・
ある男の人生をじっくりと堪能した作品でございました。



 
   
家族写真




2014/2/21 読了





内容(「BOOK」データベースより)
娘の結婚、加齢に肥満、マイホーム購入…家族に訪れる悲喜こもごもは、ささやかだけど大事件。笑ったあとに、心にじんわり沁みてくる、これぞ荻原浩!の極上家族小説。




いろんな家族の一場面・・・ですね。
ちょっと重松清さんのテイストに似ている感じです。

私が一番好きだったのは、「しりとりの、り」。
お父さんだけ妙に空回りしてるなぁ・・・って思ってたら、
なるほどね・・・・。
しかも、途中から人が増えていく!(笑)
とても面白かったです。

最後の「家族写真」は、しっかりとした家族のお話。
これもよかったです。
でも、誰かの病がないと集まることができないってのは、
ありがちで、情けないことではありますね・・(涙)




 
   
月の上の観覧車




2014/3/15 読了





内容(「BOOK」データベースより)
守れるはずもないことを、いくつ約束したのだろう。逃げ出した故郷、家族に押しつけた身勝手な夢。いつだってその残酷さに、気付かぬわけでは決してなかった―。月光の差し込む観覧車の中で、愛する人々と束の間の再会を遂げる男を描いた表題作ほか、繰り返せない時間の哀歓を描く著者最高の傑作短篇集。




全体的には、「後悔」の話・・・なんだよね。
読んでて、重くて、つらいものもありました。

生きてると、みんな少ながらず後悔しますよね。
それが、命に関係することならば・・・
私も、大好きな義祖母に、最後に会えなかったことが、
未だに心に引っかかってます。
会う機会はあったのに、それを実行しなかったこと・・
あのとき、会っていれば・・・って、今でも後悔しています。

表題作の「月の上の観覧車」・・。
私にも「見える」のなら、誰に会いたいかな・・・?
「そのとき」になってみないとわからないけども。

そんな物語なんだけど・・・
でも、その先に希望も見える話はありますし、
気軽なお話もあります。
一編は短く、読みやすいです。




 
   
冷蔵庫を抱きしめて


冷蔵庫を抱きしめて

2015/3/25 読了






新潮社

内容(「BOOK」データベースより)
あ、ダメ、ダメだってわかっているのに、どうして同じことを―。あなたの心、解放します。現代人のライトだけど軽くはない心の病気に、シニカルに真剣に迫る短編集。




いろんなことを抱えてる人たちの短編集・・・ですね。

好きなのは、冒頭の「ヒット・アンド・アウェイ」。
夫のDVに苦しんでる子持ちの主婦なんだけど、
「逃げればいいのに・・・」と思うんだけど、
立ち向かうんだよね!
すごいよなぁ・・・
そして、この主婦を応援する人たちも優しい!
最後はスッキリ!のいいお話でした。

最後の「エンドロールは最後まで」は・・・
どうなんだろ?
確実に怪しいんだけど・・・
もしかしたら本当にいい人なのかも・・・?って気もするし・・・
だからって、確かめるためにアフリカまでは行かんよ、普通・・・?(汗)

「それは言わない約束でしょう」は怖いよねぇ・・・
騒がしい家族から離れて突然に一人暮らし・・・
つい独り言が増えてしまい・・・の先の・・・ですよね。
あんな風に気持ちが「漏れ出て」たら・・・
あぁ怖い!(笑)

「マスク」は・・・わからんでもない。
マスクしてると、そういう感覚になるのもわかるもん。
だけどさぁ・・・・
イケメンなんでしょ?
自己評価が低すぎて勿体ないっす!(笑)

どれもちょっと大変な人たちのお話なんだけど、
「世にも奇妙な物語」な感じもあって面白かったです。




 
   
金魚姫




2015/10/6 読了






角川書店

内容(「BOOK」データベースより)
勤め先の仏壇仏具販売会社はブラック企業。同棲していた彼女は出て行った。うつうつと暮らす潤は、日曜日、明日からの地獄の日々を思い、憂鬱なまま、近所の夏祭りに立ち寄った。目に留まった金魚の琉金を持ち帰り、入手した『金魚傳』で飼育法を学んでいると、ふいに濡れ髪から水を滴らせた妖しい美女が目の前に現れた。幽霊、それとも金魚の化身!?漆黒の髪、黒目がちの目。えびせんをほしがり、テレビで覚えた日本語を喋るヘンな奴。素性を忘れた女をリュウと名付けると、なぜか死んだ人の姿が見えるようになり、そして潤のもとに次々と大口契約が舞い込み始める―。だがリュウの記憶の底には、遠き時代の、深く鋭い悲しみが横たわっていた。。




ファンタジーっちゃー、ファンタジーなんだけど・・・
なんだろ、個人的には結構ホラーを感じたというか・・・
過去の中国部分が結構おどろおどろしいし、
「金魚傳」の字体も怖めでね・・・
なので、ちょっと進みは悪かったかも・・・です。(汗)

だけど、一旦現れてからの「姫」は、可愛らしかった。
テレビで見た情報をすぐに取り入れる様は、実写で見たいくらい。(笑)
・・・とはいえ、ことあるごとにビッチャビチャにされるのは勘弁ですが・・・(汗)

死にたいくらいに追い詰められていた主人公・潤が、
この素っ頓狂な金魚姫の登場で、人間らしくなっていくところが、
逆にすごいな・・・て思ったしね。

人間って、「もう、こんな大変なことなんて、ない・・・」って追いつめられても、
想定外のとんでもないことが起こると、
その前の大変さなんて、吹っ飛んだりしちゃうもんだよね。(笑)
金魚姫の存在は救いで、いつしか必要不可欠なものになっていくんだけど・・

クライマックスに、ある真実が明らかになります。
金魚姫がずっと追い続けていた憎い存在は・・・・というもの。
えーっ!!と驚いたまま、一気にエンディング・・・

金魚姫との別れが訪れるわけですが、
「それはそれ」として、新たな人生を送ってる潤に、
若干ひいちゃったものの、(笑)
「生きていく」っていう意味では、良かったんだろうな・・・
姫も、自分の想いに区切りをつけて、旅立ったんだろう・・・
・・・と思いたい。
まさか、まだ「ひきずって」はいないよね・・・?
また、出てきたりしないよね・・・?と、ちょっと怖い気もする・・・(汗)




 
   
海の見える理髪店




2016/5/24 読了






集英社

内容(「BOOK」データベースより)
伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。もしも「あの時」に戻ることができたら…。母と娘、夫と妻、父と息子。近くて遠く、永遠のようで儚い家族の日々を描く物語六編。誰の人生にも必ず訪れる、喪失の痛みとその先に灯る小さな光が胸に染みる家族小説集。




タイトルからして、全編理髪店が舞台かと思ってたら、
最初のお話だけでした。(笑)

海辺にひっそりと建つ理髪店に予約の客がやってきた・・
語りながら散髪をする店主。
自分の過去を語っていくうち・・・という話で、
最後は「あぁ、そうだったのか・・・と。
店主はいつ気づいたんだろ?
つむじを見た時、確信したのかなぁ・・・?
今後、また会えるといいな・・って思えましたね。

最後の「成人式」は・・・
傍から見れば「イタイ」話かもしれん。
でも、こうでもしないと「このままじゃダメだ!」から
抜け出せないんだよね・・・。
それを、夫婦二人で乗り越えようとする様、
そして、協力してくれてる娘の友達に心が温かくなるとともに、
どうか少しでも穏やかに娘に思いを馳せることが出来る日がくることを
願わずにはいられませんね・・・。

「遠くから来た手紙」は、ちょっとファンタジーではあるものの、
そのことが決定的な別れをとどめてくれたと思うと、
ありがたい話でございました・・。
何事も初心忘るべからず・・・ですな。

どのお話も、心がポッ・・・と温かくなる作品でした。



 
   
ギブ・ミー・ア・チャンス




2016/9/2 読了






文藝春秋

内容(「BOOK」データベースより)
「人生やり直したい!」と思ったこと、ありませんか?でも、夢を追うのも楽じゃない。それでも、挑み続ける人々の姿を描いた少しだけ心が強くなる短編集。




いろいろと悩み苦しみながら生きてる人のお話。
それぞれが諦めないことで見えてくる「何か」に、
読み手も励まされる、そんな短編集ですね。

個人的に好きなのは、冒頭の元相撲取りの話かな?
その体型で探偵は無理だろ・・・?って思うのに、
本人はちゃんと頑張ってて、応援したくなりました。
使い道、きっとあるはず!ガンバレ!!

どの話も、自分が思ってたこととは違うように進んでいったりして、
その先に予想もしない道が見えてきて、
滑稽だったり、痛快だったり・・・
諦めないって大事だなぁ・・・

読みやすい短編集でした。




 
   
ストロベリーライフ




2016/10/16 読了






毎日新聞出版

直木賞受賞第一作の最新長編小説。
明日への元気がわいてくる人生応援小説!
農業なんてかっこ悪い。と思っていたはずだった。
イチゴ農家を継げと迫る母親。猛反対の妻。
志半ばのデザイナーの仕事はどうする!?
夢を諦めるか。実家を捨てるか。
恵介36歳、いま、人生の岐路に立つ!
デビューより20年、新直木賞作家がたどりついた〈日本の家族〉の明るい未来図。懐かしい笑顔あふれる傑作感動長編。




農家である実家が嫌で東京に出てきた・・・
結婚もして仕事も独立・・しかし、仕事量は減ってきた・・・
そんなとき、父が倒れたという知らせが・・・
実家に戻ってみると、トマト農家だと思ってたのに、
イチゴ農家になってる!!
さぁ、どうする・・・そんな始まりです。

この人・恵介には、基本的「農家の血」が流れてるんですよね。
農家の家で育って、美味しい野菜を食べてきて、
命をいただいてるってことを小さいころから教えられてきたからこそ、
父が病で倒れ、このまま放置したらどうなっちゃうんだ・・・?って
心配で頭を悩ませちゃうんだよ。
私なら、「お父さんができないんなら無理だよ、農地を売ろう」って
そういう考えになっちゃうと思うもん、

農業の手伝いをしてるうち、楽しくなってきちゃう気持ち、
イヤで出て行ったはずのこの家業のほうが
自分に向いてる・・・って感じちゃう気持ち、
見くだしてた幼なじみに教えを請えちゃう気持ち・・
全部、わかりやすく伝わってきます。

でも、私は、東京に置いていかれた妻の気持ちのほうがわかって・・
居心地の悪い夫の実家に、
しかも農業をするために戻るなんて・・考えられないもんなぁ・・・

ただ、そんなことも超えていくいろんな出来事が、
荻原さんの手にかかると微笑ましく見えてきて。
他人事だからかなぁ・・・がんばれ!って思えちゃって。

最終的に、いつしか家族全員で同じ方向に向かって、
新しい道が見えてきて、
いろんなことにも折り合いがついて、
幸せな未来が見えてきたところでの終了・・・
読後感はよろしいです。

ただね、ほんと農家は大変そうです・・・
私にはやっぱり無理だなぁ・・・・ってしみじみ・・・
美味しくいただくことを頑張りたいと思います!(笑)




 
   
海馬の尻尾




2018/3/6 読了






光文社

内容(「BOOK」データベースより)
二度目の原発事故で恐怖と不安が蔓延する社会―良心がないとまで言われる男が、医療機関を訪ねた…。人間、どこまで変われるのか。何が、変えるのか。




「黒」荻原・・・でしたね。
良心のかけらも、恐怖心も全くもたないヤクザが、
ある治療で変わっていき・・・って話です。
こんなお話もお書きになるんですね・・・
なんか、似合わない・・・(汗)

どんだけ極悪非道か、
恐怖心がないか、良心がないか・・・を、
しつこく描いていくもんだから、
途中で投げ出したくなった。(汗)
コイツが変わろうが変わるまいが、どーでもいいわ!ってね。
しかも、延々長いんだもん・・・(涙)

とはいえ、どんなふうに変わるのか、見てやるか・・・と、
頑張って読み進めたものの・・・
なんと、治療する側もそうだった・・・っていう。(汗)
知りたかったのね、自分も・・・・だから。
へぇ・・・

最後は、「どうぞご想像にお任せします」っていう展開。
無事に逃げられたのか・・・どうかはわかりませんが、
確実に変わった・・んでしょう。
でも、変わったことでカレが幸せかどうかは・・わからんね。
本人がそう感じてるのなら、幸せなんだろうけども・・・

ふぅ・・・なんか、疲れたな・・・