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 奥田英朗 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
他にもたくさん読んでますけど、おいおい時間があったら書き足しまーす。

噂の女 沈黙の町で 家日和 我が家の問題
ナオミとカナコ 我が家のヒミツ 向田理髪店




   
噂の女




2013/2/26 読了





内容(「BOOK」データベースより)
中古車店に毎晩クレームをつけに通う3人組、麻雀に明け暮れるしがないサラリーマン、パチンコで時間をつぶす失業保険受給中の女、寺への寄進に文句たらたらの檀家たち―。鬱屈した日々を送る彼らの前に現れた謎の女・美幸。愛と悲哀と欲望渦巻く連作長編小説。


 

i色仕掛けで地位や金のある男を手玉にとり、
金を手に入れ、そのあと、その男たちは死んでいく・・・
ほぼこの女=美幸がやってるだろうと思われるんだけど、
タイトル通り「噂の女」なんで、
証拠も、その描写もない・・・
で、最後はどうなるのかと思ったら・・・
いなくなってもーた!
また次の獲物を探してるんだろうけど・・
全然スッキリしない終わり方だったな。

これはこれで、こういう作りだと納得して米波
いいのかもしれないけど・・・
私は、なんか読んで損した・・って思っちゃった。
残念。



 
   
沈黙の町で



2013/2/14 読了





内容(「BOOK」データベースより)
中学二年生の名倉祐一が部室の屋上から転落し、死亡した。屋上には五人の足跡が残されていた。事故か?自殺か?それとも…。やがて祐一がいじめを受けていたことが明らかになり、同級生二人が逮捕、二人が補導される。閑静な地方都市で起きた一人の中学生の死をめぐり、静かな波紋がひろがっていく。被害者家族や加害者とされる少年とその親、学校、警察などさまざまな視点から描き出される傑作長篇サスペンス。


 

イジメによる自殺・・・という、
最近ではよくある題材のように思えますが、
それはキッカケであって、そこからの話が非情に興味深い。

4人の生徒が逮捕もしくは補導されるんだけど・・・
生まれた月の違いで逮捕と補導と差がでるところや、
我が子を守りたいがための親の言動や、
事なかれ主義の学校の存在などなど・・・
いまある社会を如実に描いている作品です。

読後感は・・・・正直よろしくない。
そんなことで・・・そんな真相だったのか・・・と、
もう、虚しいやら腹立たしいやら・・・

実際、こんなことが起きたら・・・
もしかしたら事故で片付けられちゃったかも・・・って気もしますが、
執拗な捜査をする警察&検察のおかげで、
面白い作品に仕上がっております。

うん、面白かったです。



 
   
家日和




2014/3/12 読了





内容(「BOOK」データベースより)
会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは…。今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。


 

奥田さんらしい短編集。
私は専業主婦で、「家」が自分の居場所というか、
存在する場所・・・って感じなので、
面白く読ませていただきました。

主夫になった男の話は・・
一般的にはそういう目で見られがちだろうけど、
妻は溌剌と仕事をし、夫はイキイキと家事をしてるのなら、
それはもう、何の問題もないわけで、
理想的なお話でしたね!

最後の小説家の話は・・・・
もし、私の夫が作家だとして、自分をネタに話を書かれるとなると、
もう、何も話せなくなってしまうかも。(汗)
あのネタ、寸前でストップして正解でしたよ!!(笑)



 
   
我が家の問題




2014/3/13 読了





平成の家族小説シリーズ第2弾!
完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。両親が離婚するらしいと気づいてしまった娘。里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。


 

「家日和」に続く、家族小説第2弾。
これも面白かった。

「甘い生活?」は、なるほど・・・でしたね。
でもね、こうやって、いろいろ探りつつ、生活していって
お互いの「いい塩梅」を見つけていくもんですよ。
合間合間にケンカをはさんでいくのも大切ですね。
きっと、いい夫婦になるでしょう。
しかし・・・近所の喫茶店のマスター・・
あんなこと、言っちゃダメだよ・・・
だいたい、「帰宅したくない男」って察しがつくだろうに・・・(汗)

今作も最後は前作にも登場していた作家さん。
今回はマラソンにハマった妻の話。
いろいろあって、かなり萎縮しちゃった奥さんを
家族みんなで励まし解放してあげる姿は、
涙ぐましかったですね・・・

でも、前作に比べ、ちょっとオチが曖昧なのが多かったかな・・?
え?終わり??ってのがいくつかありましたよ。



 
   
ナオミとカナコ




2015/2/2 読了





内容(「BOOK」データベースより)
ナオミとカナコの祈りにも似た決断に、やがて読者も二人の“共犯者”になる。望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。夫の酷い暴力に耐える専業主婦の加奈子。三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に追いつめられた二人が下した究極の選択…。「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」復讐か、サバイバルか、自己実現か―。前代未聞の殺人劇が、今、動き始める。比類なき“奥田ワールド”全開!


 

「やがて読者も、二人の共犯者になる」・・・という宣伝文句。

うん、なっちゃった。(笑)


DV夫に苦しむ親友・加奈子を見かねて、
「殺しちゃおうか・・・?」と言いだす直美。
殺すまで・・・の「ナオミの章」と、
そのあとの「カナコの章」で構成されてます。

最初、むかつく存在として出てくるある女性が、
最後は救いの神のように思えてくるのが、
個人的にすごい!って思えた。
文章の力って、すごいわぁ・・・・

でも、正直、「完全犯罪」ってのは
どんなに緻密に計算しても100%ではないものなのに、
この二人の「犯罪」の杜撰さと言ったら・・・(汗)
なのに、「私たち、出来たね!」みたいな、おめでたさ・・・
もう、途中から「コイツら、絶対捕まるね」って思った。(笑)

まず、中国人を信用し過ぎ。
あ、べつに中国人蔑視じゃないっすよ。
お金に困って密航してきた人を信頼して、いろいろ頼みすぎ。
結果、見えてるやん・・・
そこだけでもひどいけど、もう、あちこちひどい。
とにかく、人の目、監視カメラの目を気にしなさすぎ。
ほんと、ただのラッキー続きでうまくいったんだよ・・・。

後半は、兄が行方不明になったと妹が必死で探し始めるんだけど、
不思議なことに、この妹の方が悪に見えてくるのよ。
しつこいな・・・・とか、そこまでやる・・・・?とか。
うん、いつしか、二人が逃げ切ることを応援しちゃってる自分がいるの。
ある意味、「共犯者」ってことだね・・・・。

最終的にどうなったか・・・は書かれていません。
逃げ切れたか、
もしそうなら、朱美さんが力を貸してくれてるだろうな・・・とか、
中国に着いたら警察が待ってるとかかな・・・?とか、
いろいろと読者に想像させる終わり方です。
こういう結末は嫌いな方もいるでしょうけど、
私は嫌いじゃなかったよ。
ハラハラハラハラさせておいて、最後の数行の「よっしゃ!」感。(笑)
十分に楽しませてもらいました。

これ・・・映像化、アリかもしれないですね・・・。
分厚いけど、一気読み必至です!




 
   
我が家のヒミツ




2015/11/24 読了






集英社

内容(「BOOK」データベースより)
どうやら自分たち夫婦には子どもが出来そうにない(『虫歯とピアニスト』)。同期との昇進レースに敗れ、53歳にして気分は隠居である(『正雄の秋』)。16歳になったのを機に、初めて実の父親に会いにいく(『アンナの十二月』)。母が急逝。憔悴した父のため実家暮らしを再開するが(『手紙に乗せて』)。産休中なのに、隣の謎めいた夫婦が気になって仕方がない(『妊婦と隣人』)。妻が今度は市議会議員選挙に立候補すると言い出して(『妻と選挙』)。どこにでもいる普通の家族の、ささやかで愛おしい物語6編。


 

奥田さんの「家シリーズ」ですね。
大好きです!

最初の「虫歯とピアニスト」は・・・
きっと、オチとしては「本人ちゃうんかい!」っていう、
人間違いオチかなぁ・・・?って思ってたんだけど、
ちゃんとご本人でした。(笑)
見事なアドバイス・・・でしたね。
あと、旦那さんが素敵でした。

「正雄の秋」は、ウチの夫もそのうちこういう目にあいそうだな・・・って
他人事とは思えずに読んでました。
でも、出世競争からはずれたら、
それも新たな道と割り切って人生を楽しんでほしいものですね。
男の人って、そう簡単には割り切れないみたいだけど・・・・(涙)

「アンナの十二月」は・・・いい友達をもったよね。
そして、そのお友達のお父さん方、素晴らしいです。
人ん家の事情で、久々に父親と会話したわぁ!ってのは、
ちょっと笑えるエピソードですけど。(笑)
育ての父か・・・、やっぱ、難しいよねぇ、こういう事情は・・・

「手紙に乗せて」は、年老いてきた私としては、
いつかくる伴侶との別れを想うと、泣けてきました。
一人で残されて、どんなに苦しいだろうか…って。
だけど、同じ思いを経験した人の言葉は、
きっと、そんな経験をしたことのない人の言葉より、
ズシンとくるもおんがあるんだろうなぁ・・・
何より、「手紙」っていうのがいいよね・・
いつか、このお二人は対面するんでしょうか?
話が長くなりそうですが。(笑)

「妊婦と隣人」は、サスペンスでしたねぇ・・・
幽霊モノ?勘違いモノ?やっぱり犯罪モノ・・・?と
いろいろと想像を巡らせて読んでおりましたら・・
かなりきな臭いオチでした。
こんな経験・・・なかなかできないですよ!!
・・・と言いつつ、隣に聞き耳を立ててみる、私でした・・・。(笑)

「妻と選挙」は、毎度おなじみ、作家先生夫婦のお話。
今度は奥さんが市議選に立候補するってんで!
すんごい話になっちゃったなぁ・・・
一歩下がって見てたのに、最後は家族全員で応援しちゃうっていう・・
ほのぼの話でした。
次回作は・・・議員になった妻がどんなふうになってるか・・
楽しみです!

また、お目にかかれますよね?
このシリーズはもう書きませんとか、言わないですよね、奥田先生?(笑)




 
   
向田理髪店




2016/6/2 読了






光文社

内容(「BOOK」データベースより)
北海道。寂れてしまった炭鉱町。通りにひと気はないけれど、中ではみんな、侃々諤々。心配性の理髪店主人が暮らす北の町は、案外にぎやか。身に沁みて、心がほぐれる物語。


 

北海道の過疎の町を舞台に描かれた、人情モノ・・・ですね。
「”白”奥田」です。(笑)

冒頭は、父の跡を継いで理髪店を営む向田さんのところに、
札幌で就職していた息子が「店を継ぐ」と戻ってくる話で始まります。
親としては、嬉しい反面、
こんな田舎に未来はないのに、
いいのかそれで・・?と心配にもなる・・という、結構リアルな話。

田舎ですから、大きな事件はないものの、
・・あ、最後の「逃亡者」は結構大きな事件ですけど。(汗)
町のささいな出来事に町民が騒いだり協力したりケンカしたり・・と、
そんな風景を楽しませてくれる一作です。

中国からのお嫁さんをもらった40代の男性に対する、
強めの優しさや、引きの優しさ・・・とか、
新しいスナックが出来て浮かれる男に、ムカつく女・・・とか、
映画の撮影地に選ばれて喜ぶも、
その内容がグロくてドン引き・・とか、
確かにありそうな話がいくつもありました。

そうやって過ごしながら、変わらないようで変わっていく町。
ずっとここにいるけど、確実に年老いていく人々、
そして、若者の成長・・・を感じながら幕を閉じるこのお話。
だけど、ずっとこうやってこの町は存在していくんだろう・・と、
そんな風に感じさせられましたね。

サラッと読める一作です。