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 原田マハ 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

楽園のカンヴァス 太陽の棘 奇跡の人 あなたは、誰かの大切な人
異邦人 (いりびと) モダン ロマンシエ 暗幕のゲルニカ
デトロイト美術館の奇跡 リーチ先生 サロメ アノニム





   
楽園のカンヴァス




2013/2/24 読了





内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間―。ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。



話題になっていたので、遅まきながら読んでみました。

美術にはとんと疎い私。
こういう話はまず手を出しませんが・・・
食わず嫌いだった!(汗)

あるコレクターから、ルソーの作品が贋作かどうか見極めてほしいという
依頼を受けた主人公。
一冊の本を一日一章ずつ読んで、7日後に判断してほしいと・・・
主人公だけでなく、もう一人のライバルもいるわけですが・・・

最初はとっつきにくかったんだけど、
読み進めるうちに、いろんなヒミツや感情の動きが面白く、
かなり引き込まれました。

最後に二人が出した結論・・・
どちらに絵がわたるのか、
物語を書いていたのは誰なのか・・・が一気に明かされる。
なるほどね・・・・と感心させられました。

そしてその後の二人は・・・・は、
読者の想像にお任せ・・・なわけですが、
もっともっと見ていたいという気にさせられました。

全編にわたり、映像が浮かんでくるお話でございました。




 
   
太陽の棘




2014/6/12 読了





内容(「BOOK」データベースより)
私は、出会ってしまった。誇り高き画家たちと。太陽の、息子たちと―。終戦直後の沖縄。ひとりの青年米軍医が迷い込んだのは、光に満ちた若き画家たちの「美術の楽園」だった。奇跡の邂逅がもたらす、二枚の肖像画を巡る感動の物語。




これは実話をもとにして書かれたものなんですね。
私は沖縄に7年間住んでいたことがあって、
あの戦争で沖縄が受けた傷は、幼いころに学んできたんですけど、
こんな出会いがあったんですね・・・

よく、芸術や文化・スポーツは、
政治的なこととは関係ない・・と言われますが、
まさにそんな話です。
戦争に勝った負けたは、芸術には関係ないんだね。
そんな風に芸術を愛し、芸術と生きていた人たちと、
軍医として沖縄に赴任してきた若き医師との出会いから別れまで
のお話です。

タイトルの意味は、最後にわかります。
沖縄の海から見えた「太陽の棘」。
その様子が浮かんでくるかのような表現に、泣けてきました。
別れのその後は描かれていませんが、
きっと交流は続いたんですよね?

表紙に描かれた絵は、実際の絵だそうです。
この二人が短い期間ではあったものの、
固い絆で結ばれていったってことは、
この絵から十分すぎるほど伝わってきます。
他にもタイラさん(実際は玉那覇さん)が描いた絵を見てみたいな・・・
そんな気持ちにさせられます。




 
   
奇跡の人




2014/12/7 読了





内容(「BOOK」データベースより)
旧幕臣の娘である去場安は、岩倉使節団の留学生として渡米した。帰国後、日本にも女子教育を広めたいと理想に燃える安のもとに、伊藤博文から手紙が届く。「盲目で、耳が聞こえず、口も利けない少女」が青森県弘前の名家にいるという。明治二十年、教育係として招かれた安はその少女、介良れんに出会った。使用人たちに「けものの子」のように扱われ、暗い蔵に閉じ込められていたが、れんは強烈な光を放っていた。彼女に眠っている才能をなんとしても開花させたい。使命感に駆られた安は「最初の授業」を行う。ふたりの長い闘いが始まった―。




かの有名な、サリバン先生とヘレン・ケラーのお話を、
日本を舞台に書いてみた・・・っていうもの。

個人的に、ヘレン・ケラーのお話は好きで、
マンガ「ガラスの仮面」でも、「うぉーたー!!」で有名ですよね。
どんな風に日本版にしれくれるのかな・・・と思いつつ読み始めると・・・
この、ネーミングが・・・。
笑えるっつの。(笑)
ここまで無理矢理に似た音のネーミングにしなくても・・・
この時点ですんなり入れないのよ、お話に!!

まず冒頭は、盲目の三味線弾きのお婆さんが出てきまして、
え?これがヘレン・ケラー・・・?って思うんだけど、
なるほど、こういう風に絡めてきたのね・・・。

サリバン先生とヘレンケラーにあたり、去場安とれんとの時間は、
舞台を日本にしてるけど、ほぼ実話にそっておりまして、
驚くべき展開はございません。
うん、知ってるし・・・って感じ?(笑)

だけど、最後の締め方は好き。
こんな風にお互いを救いあった二人の再会・・・
今は亡き先生もきっと喜んでるだろうし・・

楽しく読ませてもらいました。





 
   
あなたは、誰かの大切な人




2015/2/6 読了





内容(「BOOK」データベースより)
家族と、恋人と、そして友だちと、きっと、つながっている。大好きな人と、食卓で向かい合って、おいしい食事をともにする―。単純で、かけがえのない、ささやかなこと。それこそが本当の幸福。何かを失くしたとき、旅とアート、その先で見つけた小さな幸せ。六つの物語。




だいたい40代の独身女性が主人公の短編集。
タイトル通り、温かい気持ちになるお話です。

好きなのは、冒頭の「最後の伝言」。
ダメ男の夫への、最後の伝言・・・
私もこの越路吹雪さんの歌は大好きだったし、
まさにこの夫婦にピッタリの歌で、思わず涙が流れてきました・・
ダメ男と、それを養う女・・・という、客観的にみると
「別れればいいのに・・・」っていう二人でも、
この二人には絶対的な愛があったんだ・・って、もう、
泣けてきたわーっ!!
・・・でも、あたしゃこんな男はゴメンだけどね!!

それと、「無用の人」。
存在感のない父親でもさ・・・「無用」って・・・って、
ちょっと切ないわ・・・って思ってたんだけど、
最後の、父からの贈り物に、号泣しちゃった。
こういう、言葉少なだけど、ちゃんと心を持ってる父親って、
いいじゃん!!って思うんだけど・・・
物足りないもんかなぁ・・・
あと、母親が父親の文句を言うって、やっぱダメだよね。
それでお父さんの格が下がっちゃうもん・・・

そして「月夜のアボカド」も好きだったなぁ・・・
何年か経って、再度訪問する・・っていうオチだったけど、
ご存命かどうかでハラハラさせられた!(笑)
みんな、長生きで何より!!

どれも短い短編で、200ページ足らずの一作。
とても読みやすく、オススメです。




 
   
異邦人 (いりびと)




2015/4/22 読了






PHP研究所

内容(「BOOK」データベースより)
たかむら画廊の青年専務・篁一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長期逗留していた。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗の画廊で、一毎の絵に心を奪われる。画廊の奥で、強い磁力を放つその絵を描いたのは、まだ無名の若き女性画家。深く、冷たい瞳を持つ彼女は、声を失くしていた―。京都の移ろう四季を背景に描かれる、若き画家の才能をめぐる人々の「業」。『楽園のカンヴァス』の著者、新境地の衝撃作。




原田さんの「美術を扱った小説」です。
個人的に、美術には全く詳しくないし興味もないんだけど、
「楽園のカンヴァス」がすごく良かったのでこれも読んでみました。

やっぱり、文章で書いてあるのに、
目に浮かぶような表現が多彩で、素晴らしいです。
どんな作品なの?実際に見てみたい!とも思えるし。
さすがです。

東日本大震災後、妊婦の主人公・菜穂は京都へ避難・・
そこで、素晴らしい才能の画家に出会い・・・というお話なんだけど、
どうにも惹かれて仕方ない才能への想いや、
離れていく「人」への想いが京都の四季とともに描かれています。

お嬢様気質で、かなりのワガママさんな菜穂に、
パンピーな私は共感はしづらかったですけど、
クライマックスで明かされる「秘密」に、
あらぁ・・・・そんなことがあったの・・・って感じで・・・

どうにも惹かれて仕方なかったその人は、
そうなるべき存在の人だったわけで、
これから、生まれた子と三人、穏やかに暮らしてほしいもんですな。

タイトルの「異邦人」。
確かに、京都って、柔らかく人を迎えてくれるけど、
肝心なところでは扉をバシッ!と閉めて、
心を開いてはくれないイメージがあるよね。
あと、ちょっと「人より上に立ってる」感も・・・(汗)
「気高く」感じるんですよね・・・
憧れや羨ましさから、勝手に引け目に感じてしまう私が悪いんかな?(笑)
なので、訪れるのは好きだけど、住むには難しそうな土地って感じです。




 
   
モダン




2015/6/8 読了






文藝春秋

内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨーク近代美術館MoMAを舞台に『楽園のカンヴァス』の著者が切り取る5つの風景。




かなり薄めの本です。
NYのMOMAを舞台にした短編集です。

私、原田さんの本のレビューでは何度も書いてますけど、
美術に対する造詣は皆無に近いんです。(笑)
なので、普通ならこの手の作品は読まないんですけど、
原田さんのは読んじゃうんですよね!

原田さんの作品を読んでると、
毎回、スマホでその題材となってる絵を検索して見ちゃいます。
なるほど、こういう絵か・・・って思いながら読むと、
作品もより楽しめますね。

冒頭の作品は、東日本大震災直後の福島の美術館から、
貸していた絵画を取り戻しに行く職員の話・・・。
なんか、切ないよね。
だけど、私もこの原発事故が他国の出来事だったのなら、
絶対行きたくないだろうし、大切なものは取り戻したいって思うかも・・。
でも、実際に行ってみて、この職員はちゃんと何かを感じ取って、
未来に向かって動いてくれることになって・・
絵の力、絵がつなぐ人たちの想い・・ってのが伝わってきました。
何度も言いますが、美術に対してほんと全然わからないことばっかですけど、
芸術の力って、すごいよね・・・

原田さんの作品は、いつもそんなこと、いろんなことを
たくさんかんがえさせられます。




 
   
ロマンシエ




2016/2/3 読了






小学館

内容(「BOOK」データベースより)
アーティストを夢見る乙女な美・男子が、パリの街角で、ある小説家と出会った―。ラスト277ページから、切なさの魔法が炸裂する、『楽園のカンヴァス』著者の新たなる代表作!




いやぁ・・・
面白かった!
まさか、最後は泣くとは思ってなかったよ、私・・・。

女子な男子・美智之輔は、政治家の息子で、
将来は堅い道が約束されちゃってるものの、
「女子」な部分を表に出せず、イケメン友人の高瀬くんに恋しつつ、
現実から逃げて大学生として暮らしていたんだけど、
ある日、学内で賞をとり、フランス留学決定!
そこから人生が変わっていくわけですが・・・

なんせ、軽い。(笑)
この手の原田さんの話はあんまり読んでなかったので、
こんなチャラい話も書くんすね??って驚きつつ読んでました。(笑)

出てくる人たちが全部魅力的で、
途中、原田さんが「まるで○○みたい」って
実在する俳優さんとかの名前を出してくるもんだから、
もう、その人にしか見えん!!(笑)
ってことで、勝手に脳内変換しつつ読み進めると・・・
私の大好きな世界観の話になってきて、
最後はグイグイ引き込まれてしまいました。

夢、恋、人との出会いなどなど、盛りだくさんの内容。
最初は頼りなかった美智之輔も、最後は「男」らしく・・・?
いや、しっかりと芯の通った人間となり、
人に夢を与え、支え、頼られる存在になってて・・・

だけど、それに自分では気づいてない美智之輔を、
周りの人が支え、憧れ・・・って感じで・・・。
いいんだよなぁ、この人たち・・・
本当にお互いが好きで、大事に思ってるんだもん・・・・

勝手に「暴れ鮫」を「新宿鮫」に変換し、
これを、片桐はいりさん似の女性が書いていたとしたら・・・なんて
想像しただけでももう、楽しくないですか?
これ、映画化してほしいなぁ・・・
美智之輔役は、「情けなく頼りない男」をやらせたらピカイチの、
岡田将生くんなんていかがでしょ!

はぁ・・・・しばらくこの世界の余韻にひたってたい・・・
そんな、素敵な物語でした。
図書館で借りたけど、これは買おう。
・・・文庫になったら。(笑)



 
   
暗幕のゲルニカ




2016/5/9 読了






新潮社

内容(「BOOK」データベースより)
反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの“ゲルニカ”。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、忽然と姿を消した…。大戦前夜のパリと現代のNY、スペインが交錯する、華麗でスリリングな美術小説。




原田さんの真骨頂、美術モノでございます!!
今作も重厚で面白かった・・・

これ、全部ノンフィクションか?って思うくらいで・・・
途中、ウィキペディアで調べつつ読んでましたよ。(笑)

パブロ・ピカソが、「ゲルニカ」を描き、
大きな波に巻き込まれていく「過去」部分と、
9.11後、NYでピカソと戦争にまつわる展示会を開こうとしている
八神瑤子の「現在」部分から成り立っております。

9.11後、イラクへの攻撃について話すインタビューの場面で、
国連のロビーに飾られている「ゲルニカ」のタペストリーに
暗幕がかけられていた・・・
「ゲルニカ」は罪のない民衆を無差別攻撃で殺された
スペインのゲルニカを元に描かれたピカソの代表作。
イラクの攻撃をしようとするアメリカとしては、
この「ゲルニカ」は真逆のイメージであるため、隠したわけで・・

こんなこと、実際にあったんだ・・・って驚きで、
そして、「ゲルニカ」って作品がこんな風な背景で描かれて、
数奇な運命を辿ったんだってことも全然知らなくて、
ほんと勉強になるし、考えさせられるっていうか・・・

ピカソに寄り添っていたドラ・マールという女性も魅力的で、
なんか、男にすがりつかない、ある程度の距離を保ちつつ・・・って部分が
女としてカッコいいなぁ・・・って思えたり、
最後も潔くて・・・好きですね、この人。

でも・・・最後の拉致からの、ハトの絵の部分が、
ちょっと強引っていうか、よくわからんっていうか・・・
それまでは、くどいくらい繰り返し説明してるのに、
最後はさらっ・・・と流されちゃって、
ちょーっと、なんだかなぁ・・・って気がしてもったいない気がしました。

ま、面白かったですけどね。



 
   
デトロイト美術館の奇跡




2016/10/8 読了






新潮社

内容(「BOOK」データベースより)
ゴッホ、セザンヌ、マティス。綺羅星のようなコレクションを誇る美術館が、市の財政難から存続の危機にさらされる。市民の暮らしと前時代の遺物、どちらを選ぶべきか?全米を巻き込んだ論争は、ある男の切なる思いによって変わっていく―。アメリカの美術館で本当に起こった感動の物語。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の系譜を継ぐ珠玉のアート小説。




100ページちょっとと、かなり薄めの作品。
図書館で予約して、手に取ってみたら、あまりの薄さにビックリ!
1200円とはいえ・・・買うとちょっと損な気がするかも・・・(汗)

デトロイト美術館を知っていますか?
アメリカにある美術館で、市の財政難により、
美術品が売却されちゃうかも!って危機に2013年に陥ったという、
そんな美術館のお話です。

ある一枚の絵がメインとなって、4つのお話が描かれてますが・・
ほんと、原田さんのお話は、その絵を見たくなるから不思議!
「マダム・セザンヌ」という、画家・セザンヌの妻が描かれた絵で、
今作の表紙にもなってるんですけど、
一見、この絵のどこがいいの・・・?って思っちゃうのよね。
不機嫌そうに口を歪めたオバサンが描かれてるだけやん・・・?って
絵心のない私は思っちゃうんだけど、(笑)
原田さんの描く人物たちの評価や感想を聞くと、
ほほぉ・・・・なるほど・・
実際に見たら何か伝わるものがあるのかも・・・?って気になるのよ。
10月7日から、上野の森美術館で「デトロイト美術館展」が
開催されております・・・
つまり、この作品はこの美術展のために書かれたモノ・・・なんですね。
なるほどね・・・・

一枚の絵を愛した人たち、
そして、この美術館を愛した人たちによって、
最大の危機を免れた奇跡の美術館・・
展示された絵を、「友達」と言った人物の想い、
そして、その想いを生きる糧としている老人、
そんな老人の想いを受けて、立ち上がる人たち・・・
いろんな人たちの想いがイキイキと描かれた今作。
とても薄いので、あっという間に読み終わりますが、
素敵な余韻を与えてくれる作品です。




 
   
リーチ先生




2016/12/5 読了






集英社

内容(「BOOK」データベースより)
日本の美を愛し続けた英国人陶芸家、バーナード・リーチ。明治42年、22歳で芸術の道を志して来日。柳宗悦、濱田庄司ら若き日本人芸術家との邂逅と友情が彼の人生を大きく突き動かしていく。明治、大正、昭和にわたり東洋と西洋の架け橋となった生涯を描く感動の“アートフィクション”




どうして、原田さんの書くお話は胸を打つんだろう・・・
実在の芸術家の生涯を描いた作品をこれまでも読ませてもらったけど、
どれも、その時代の、その空気を吸っているかのように
瑞々しい息吹を感じる・・・
登場人物の喜びも苦しみも、全部伝わってきて・・・
最後はまた泣けてしまいました・・・。

日本の美術に憧れてやってきたイギリス人のリーチ。
絵を描く才能を見込まれた亀乃介との出会い・・・
生涯の師弟関係・・別れ・・・そして・・・
本当に、じっくりと読ませてもらいました。

私は何度も言うけど芸術的才能は皆無で、
美術の成績も本当にダメダメで、
正直興味もそれほどないんだけど・・・
原田さんの作品を読むと、その中の芸術に触れたくなる・・・
陶器にはちょっと興味があったので、よりそんな思いになりました・・・

こんな風にいろんな出会いを経験できたカメちゃんは、
本当に幸せ者だよね。
まずは高村光太郎さんに感謝だわね。
そしてリーチ先生以外の芸術家との出会いも重厚で、
とても恵まれていたと思います。

でも、カメちゃんにとっては、リーチ先生が一番で、
自分がそれを越えるなんて考えもしなくて、
でも、芸術はそれじゃダメで・・・
意を決して別れてしまうと、再会はさらなる勇気が必要で・・・

叶わなかった再会を、息子が果たす・・
どんな風に迎えてくれるだろう・・・
時を超え、国境を越え、芸術は人を繋ぐ・・
うん、私は原田さんのおかげで、ちょこっとずつ、美術が好きになってる・・
そんな気がします。




 
   
サロメ




2017/3/2 読了






文藝春秋

内容(「BOOK」データベースより)
「不謹慎」「不健全」「奇怪」「退廃的」…世紀末、すべては賛辞の裏返し。その悪徳とスキャンダルで時代の寵児となった作家オスカー・ワイルドと、イギリス画壇に彗星のごとく現れた夭折の天才画家、ビアズリーの愛憎を描く。




オスカー・ワイルドというと、「幸福の王子」は知ってましたけど、
「サロメ」は知らなかったな・・・。
因縁の画家がいたってことももちろん知らなかった・・・

なので、まずは聖書のサロメにまつわる話を調べ、
オスカー・ワイルドが書いた「サロメ」について調べ、
ピアズリーという画家との関わりも調べ、
予備知識を入れて読むことにしました。

お話は、オーブリー・ピアズリーの姉・メイベルの立場で描かれます。
病がちな弟を世話しながら女優を夢見る女性・・
ある日、弟の才能が世に出ると、
自分もそこに乗っかろうとする・・・
そして、弟の成功に嫉妬しつつ、
弟が滅んでいく道を作ってしまう・・・というね。
愛って、歪むと怖いよね・・・って話でしたわ。

原田さんはほんと、この時代を見てきたのか?ってくらい、
生き生きと実在の人物を描きますよね。
メイベルはきっとこうで、結末もきっとそうだったんだろう・・って
思っちゃうもん!!

しかし・・・この時代にそっち系の人は大変だっただろうなぁ・・・って
なんか、しみじみ思っちゃったりもした、そんな一作です。




 
   
アノニム




2017/7/8 読了






角川書店

内容(「BOOK」データベースより)
ジャクソン・ポロック幻の傑作「ナンバー・ゼロ」のオークション開催が迫る香港。建築家である真矢美里は七人の仲間とともにオークション会場へ潜入していた。一方、アーティストを夢見る高校生・張英才に“アノニム”と名乗る謎の窃盗団からメッセージが届く。「本物のポロック、見てみたくないか?」という言葉に誘われ、英才はある取引に応じるが…!?ポロックと英才、ふたつの才能の出会いが“世界を変える”一枚の絵を生み出した。痛快華麗なアート・エンタテインメント開幕!!




原田さんの美術モノですが、ちょっといつもとは毛色が違いましたね。
美術品を愛する集団による、保護・・・とでもいいましょうか。
でも、やってることは・・・どうなんだろ?(汗)

だって、将来ある画家の卵に、贋作を描かせたわけでしょ?
本人があとで知ったら、どう思うか・・・
本当に大成したあと、消したい過去になるんじゃないの?
って、そんな風に考えちゃいました。

それに、贋作ってこと・・・悪い奴らは気づかないんですかね?
もしバレたら結構ヤバイんじゃ・・?って思うんだけど・・・
どうなんだろ?