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 近藤史恵 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

私の命はあなたの命より軽い 岩窟姫 昨日の海は スーツケースの半分は
タルトタタンの夢 ヴァン・ショーをあなたに はぶらし 胡蝶殺し
マカロンはマカロン シャルロットの憂鬱 ときどき旅に出るカフェ





   
私の命はあなたの命より軽い




2015/7/16 読了






講談社

内容(「BOOK」データベースより)
「どうして人の命の重さには違いがあるの?」東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。実家で何があった?明らかになっていく家族を襲った出来事とは―。『サクリファイス』の著者が「命の重さ」を描く渾身ミステリー!!




可愛らしい装丁に、軽い気持ちで読んでしまったんだけど・・・
結構ヘビーなお話でしたね・・・

出産間近、夫の海外勤務が決まり、
一人で出産するのが不安で実家に戻ることを決意した遼子。
しかし、戻った実家は、何やら雰囲気がおかしく・・・っていう話。

そもそも、里帰り出産を受け入れちゃダメよ、この状態では。
確かに遼子は一人での出産は不安だろうけど、
全部知ったら、戻る気にはならなかったはずだもん。

妹・美和が抱えた闇・・・
あまりにも重たくて胸が苦しくなった。
タイトルの意味・・・
命に重さなんてあるのか・・?って思っちゃうよね・・・・。



ネタバレになります。



若くして妊娠してしまったら、堕胎を勧められ、
ある程度の年齢で結婚して妊娠したら喜ばれる・・・
命に違いはないのに、どうして・・・?ってことよね。
まぁ、こればっかりは感情も入ってくるし、
実際に若くして出産することは危険でもあるし、
子を産んで育てる土台ができてるかできてないかは大きいし。。
だけど、若いからこそ、その違いに矛盾を感じるだろうからなぁ・・・

堕胎だけでなく、恋人の死、親友の死、親の対応・態度・・
全部が美和を追いつめて行ってて、
よくもまぁ、あんまり非行に走ってないな・・・っていうか、
比較的まともな状況にいたことが不思議に思えたよ。

それでも、新たに生まれてきた命が
壊れた家族をつなぎとめる存在になっていくだろう・・・
これからはきっといい方向に・・・っていうオチかと思いきや!!

いやぁ・・・・な雰囲気で終わって行きましたねぇ・・・
幸せに順調に子を産んだ姉は妹に罪悪感を感じていて、
妹が自分を許してくれたのかわからないまま、
自分の家庭に入り込んでくる・・・
夫も・・・娘も・・・
いざ、奪われるとなっても、何も言えないかも・・・・な、そんな終わり。
ひゃーっ!

だからーっ!!そもそも、里帰り出産を受け入れなければ良かったのよ!
そこよ、そこ!!!
・・・言っても遅いけど・・・・(滝汗)

一気読みでしたよ、久々の2時間集中一気読み!って感じ。
いやはや・・・・ふぅ・・・・疲れた・・・。




 
   
岩窟姫




2015/8/17 読了






徳間書店

内容(「BOOK」データベースより)
人気アイドル、謎の自殺―。彼女の死を悼む暇もなく、蓮美は激動の渦に巻き込まれる。蓮美からのいじめに悩む様子がブログに残されていたのだ。まったく身に覚えがなかったが、マネージャーにもファンにも信じてもらえず…。すべてを失った蓮美は、己の無実を証明しようと立ち上がる。「サクリファイス」シリーズの著者が描き出す、ガーリー冒険譚!疾走感×ミステリー!!




人気タレント・蓮美が、ある日転落の人生に・・・・
それは、仲良くしていた同事務所のタレント・沙霧の自殺がキッカケ。
彼女は、蓮美に「いじめられてた」とブログに書き込んでいて、
一気に非難の対象になってしまった・・・
人前に出られなくなってしまった蓮美・・・
そういうお話。

かの有名な「岩窟王」は、
無実の罪で監獄に入れられ、その後、巨万の富を得て、
自分を陥れた人間たちに復讐する、モンテ・クリスト伯のお話。
その岩窟王にちなんで、女の子なんで、「岩窟姫」なわけです。

何もやってない、
無実を証明しないと、タレント「蓮美」が可哀想・・・と、
事件後半年してから立ち上がった蓮美・・・
真実は一体・・・という流れですが・・・


ネタバレですよ。



調べるにつれ、真実が明らかになっていくんだけど、
その過程で、蓮美の手助けをする人が出てくるのよね。
だけど、読んでる私自身、誰も信じられなくて、
優しいフリして、アンタも何か知ってるんでしょ?とか、
そんな胡散臭い男、信用しちゃダメだよ!!とか、
かなり心配しながら読んでました。

親友・沙霧の死の真相・・・
自殺だったんだけど、なぜ死ななくてはいけなかったのか、
そして、なぜ自分を陥れる内容のブログを世間にアップしていたのか・・・
何もかも、「お姫様を守るため」だったんだね。
何も知らない蓮美はいろんな意味で幸せな子だったんだ・・・

このままでは蓮美も汚される・・・
だから、何とかしたくて自分の身を投げ打って訴えた、
でも、自分亡きあと、蓮美が餌食になるかもしれない・・・
だから、蓮美の「存在価値」を潰そうとしたわけだ。

いやぁ・・・何も言わずに死んだら、伝わらないって・・・・(汗)
結局伝わったからいいようなものの、無駄死にになっちゃうよ・・・(涙)

最後に訪れる「サプライズ」。
ほんと、いろんな意味で救われた。
どんな姿でも、生きていてくれて良かった・・・・
そんな姿でもなお、蓮美を守ろうとしてくれてた・・・
親友だね・・。

悪事はちゃんと明らかになり、それも良かったですわ。
いやぁ・・・
芸能人って、大変だね・・・・
「枕営業」とかよく聞くけど、やっぱ、マジであるのかなぁ・・・・(汗)




 
   
昨日の海は




2015/9/7 読了






PHP研究所

内容(「BOOK」データベースより)
いつも通りの夏のはずだった。その事件のことを知るまでは…25年前の祖父母の心中事件に隠された秘密とは。残された写真、歪んだ記憶、小さな嘘…。海辺の町を舞台とした切なくてさわやかな青春ミステリー。




田舎町で生まれ育った光介。
ある日突然、母の姉である伯母と、その娘が田舎に戻ってきた。
一緒に暮らすという。
戸惑いながら暮らす光介は、祖父母の死の真相の一端を知る。
祖父母は心中していたのだ。
しかも、近所の人の目撃によると、
どちらかがどちらかをおぶって海に入る、無理心中だったかも・・・と。
真実を知りたいという伯母、影響される光介、
見えてきた真実は・・・というもの。


ネタバレです。



知らなくてもいいことってあるよね。
そして、もし知ったとしても、胸に秘めるべきこともね。
そして人は大人になっていくんだ。

見えてきた真実は、いろいろ考えさせられるものでした。
祖父は写真家で、美しき妻をモデルに写真を撮りたかった。
でも、祖母はそれを拒否していたんだけど、
熱に押されて受け入れ、ヌード写真集が出るまでに・・・
世間に認められる写真家になったとしても、
田舎町で暮らす女性にとっては、生きづらかっただろう・・・

その写真家の祖父が写真展を東京でやるとなったとき、
祖母はその写真を水につけて台無しにした・・
結果、借金まみれになり、絶望して心中・・・という見方だったんだけど、
実は違ってた・・・

その写真展に出されるはずだった写真は・・・祖母ではなかった。
それを伯母に告げると、「私だったの・・」と告白してくる。
そっか、祖母は自分がモデルになるのもイヤだったのに、
娘まで・・・って知って、写真を台無しにしたんだ・・
そして、祖父に薬を飲ませ、おぶって海に入っていった・・
なるほど・・
心中だと、遺された子は「捨てられた」と感じるけど、
無理心中でその理由なら「守るために死んだんだ」って思える・・
捨てられたのではないってことを知りたかった伯母としては納得の
結末かもしれないんだけど・・・

実はその先にもう一つに真実が隠されていた・・・
偶然お風呂で伯母の裸体を見てしまった光介は、
写真展に出されるはずだった女性の体とは違うと気づく・・
そう、モデルは、伯母ではなく、自分の母だったんだ・・
そのことに気づいた伯母は、妹を、甥を想い、
優しい嘘をついてくれていた・・・
母はもちろんすべて知っていただろう。
言えない、言いたくもない真実を一人胸に抱え、
自分のために進学をあきらめた姉に感謝しつつ、
この家で生きてきた・・・

作品の途中で、無理に大人にならなくてもいいと
母が光介にいうシーンがあります。
母は、あのとき、大人にならざるを得なかったんだ・・・
蓋をしておいたほうがいい真実・・・なんだよね。
だからこそ、息子にはそんな思いはさせたくないんだよね。

ひと夏の出来事を描いた作品ですが、
一人の少年がいろんな出来事を経て、いろんな人と出会い、
大人になっていく姿を見せてもらいました。
人の痛みを知り、優しい男になっていってくれるでしょう。
できれば、自分が全部知ってるってこと、
母には一生悟らせないでほしいなぁ・・・って思いました。




 
   
スーツケースの半分は




2015/12/7 読了






祥伝社

内容(「BOOK」データベースより)
相棒は青いスーツケースただ一つ。今日も残りの半分に、温かいドラマが詰まってゆく―人生は、一人旅。明日はどこへ行こう?心がふわっと軽くなる、幸せつなぐ物語。




青いスーツケースが繋ぐお話・・・です。
こういうの、好きです!

私は、海外旅行に行ったことがないし、
別に行きたいとも思わないので、
夫が海外出張するときのためのスーツケース・・・くらいしか
我が家にはありません。
だけど、こんな風にキレイな、素敵なモノに偶然出会ったら・・・
なんか、背中を押してもらった気がして、
ふっ・・・・と旅立っちゃうかもなぁ・・・って気持ちはわかる気がした。

それぞれに何かを抱えてる四人の女友達、
それぞれがこのスーツケースで旅に出るんだけど、
まぁ・・・ゆり香の話がひどかったね。
異国に恋人を連れて行って(あげて)、
楽しそうにしてるからって、そこに置いて自分だけホテルに帰る???
ありえへーん!!
その曲がった根性も許せんし、
危険があるかもしれんのに放置するなんて、男として、ないわ・・。
ってことで、速攻別れる・・・で正解です。
いやぁ・・・小さい男だったねぇ・・・
ヤダヤダ・・・。

話は四人だけに収まらず、
スーツケースを手放した人、作った人、もらった人、送った人・・・と
繋がっていきます。
旅に出ることのなかった叔母が、どうしてこのスーツケースを
遺品として自分たちにくれたのか・・・
それは、亡くなった叔母さんしかわからないかもしれないけど、
このスーツケースに込められたたくさんの想いは、
確実にみんなに伝わってるよね。

ま、スーツケースのおかげ・・っていうか、
旅に出てみて気づくこと・・・っていうことかもしれないけど、
このスーツケースがキッカケであることは変わりないかな?

こんな風に特徴のあるスーツケースだと、
空港でも見つかりやすいし、
人に間違って持って行かれることもあんまりなさそうだから、
(作中ではありましたけど(汗))
無難な色を選びがちな私は、考えさせられちゃいました。(笑)

あぁ・・・なんか、どっか行ってみたくなったかも・・・
・・・行かんけど・・・。(笑)




 
   
タルトタタンの夢




2015/12/10 読了






創元推理文庫

内容(「BOOK」データベースより)
商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟の料理は、気取らない、本当のフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。常連の西田さんが体調を崩したわけは?フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか?絶品料理の数々と極上のミステリ。




近藤さんの料理ミステリ・・・ってとこかな?
だけど、THE・推理モノってわけではなく、
店を訪れたお客さんのささやかな悩みであったり、
ちょっとした変化などから、何かを感じ取って、
最終的に良かったね・・・て落ち着く・・っていうもので、
誰かが死んだり、傷つけられたり・・・とかいう物騒な話ではないです。

好きだったのは、最後の「素数」のショコラ屋さんの話かな?
だって・・・子供たちが平等で食べられるように・・・と、
いつも自分は食べずに譲ってきたお母さんに育てられたから、
世の中の、同じようなお母さんのために、
割り切れない数字の詰め合わせを作ってるなんて・・・
素敵やーん!!
そして、違う意味での「割り切れない」想い・・・
それも、ちゃんと解消できたようで・・・・
締めの話として、素晴らしい作品でしたね。

あとは・・・料理にこめられた思いって、
ちゃんと相手に伝わらないと意味がないな・・・・って思った。
人からは手抜きに見えても、
そこに秘められた愛情がちゃんと伝わってれば素晴らしい料理になるし、
想いを込めて二日に分けて作ったサプライズ料理も、
相手に伝わってなければ、
一日目にブチ切れられちゃう可能性もあるわけで。
いやはや、言葉にすると簡単なのに・・・
モノに想いを込めるってのは、もどかしく、難しいですな・・・。

スイカの話は・・・今となっては笑い話かもしれないけど、
何てことをしやがる!って思ったよ!!
ただ、時間がたった今、それを糧にしてるところは、
良かったなぁ・・・って思えました。

こういう血なまぐさくない話、気楽に読めて好きです!
次作も借りてきてます。
すぐに読もうっと!!




 
   
ヴァン・ショーをあなたに




2015/12/11 読了






創元推理文庫

内容(「BOOK」データベースより)
下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マル。フランスの田舎で修業した変人シェフの三舟さんは、実は客たちの持ち込む不可解な謎をあざやかに解く名探偵。田上家のスキレットはなぜすぐ錆びる?ブイヤベース・ファンの女性客の正体は?ミリアムおばあちゃんが夢のように美味しいヴァン・ショーを作らなくなったわけは?シェフの修業時代も知ることができる魅惑の一冊。




フレンチビストロの第2弾。
今作も面白かったけど・・・
ちょっと思い出話っていうか、メインからズレた話が多かったかな?
「パ・マル」での話が好きなので、ちょっと残念・・・

冒頭のスキレットの話は・・・・シャレにならん話だったねぇ・・・・
そんなことがあったのか・・・
きっと息子さんの仕業だとは思ってたけど・・・
いやはや、何とも言い難い・・・
しかしシェフよ、野良猫を餌付けてはいけませんよ!!

三舟シェフの恋バナも面白かった。
動揺してる姿・・・笑えたよ!

最後の2編は、シェフがフランスにいるときのお話でして、
イマイチかなぁ・・・・って思ってたんだけど、
最後の表題作は、良かったですね。
そっか、日本人と欧米人は違うんだね・・・
「下戸」って言葉があるくらい、酒が苦手な人がいるってのは当たり前だもん・・・
呑めないのに、言えない。
呑めないけど、好き・・・
そんなこと、言えない、言わない・・・それが日本人らしさなんだけど、
外国人にはわからんだろうからなぁ・・・・

続きも現在連載中のようで、そのうち新作に会えるでしょう。
楽しみに待ちたいと思います。




 
   
はぶらし




2015/12/15 読了






幻冬舎


内容(「BOOK」データベースより)
人にやさしくするのは、ドラマほど簡単じゃない。その気づかいは善意?それとも悪意?心理サスペンスの大傑作!




なんか、薄気味悪い話で・・・・
でも、最後は違った意味の後味の悪さというか・・・。
コレ、来年ドラマ化されるんですよね。
見てるの、結構キツくなるかもだわ・・・。(汗)

ある日突然、高校時代の友人から電話が・・・
子連れの水絵は、鈴音に「一週間だけ泊めてくれ」と頼み込んでくる。
断れず、一週間だけ・・・と受け入れた三人の生活が始まる・・・というもの。

私なら、絶対無理かなぁ・・・?
自分の空間に人を何日も泊めるとか、家族でも結構ダメなタイプなんで、
そんなに親しくもない友人、しかもかなり久しぶりの再会って状況でじゃ、
絶対無理やわ・・・
何か盗まれないかな?片付けないといけないな・・・とか、
いろんなことを考えたり疑ったりしないといけないし、
こっちが精神的にやられちゃうもん・・・。

しかもこの水絵って人、なかなかの人で。
とりあえず歯ブラシを借りてもいい?って言うから新品をあげたら、
翌日返してくれたのよ。
・・・使用済みの方を。
えーっ!!普通、買ってきた方を返して、借りた方を使い続けるよね?
じゃなくて、借りて使ったヤツを返して、
新しく買ってきたのを開けて使い始めたの!
どんな非常識?
この時点で、あたしゃ一週間は無理!ってなるわ・・・。

でも、幼い子が一緒だからさ・・・
強く言えないし、寛容になっちゃうとこもあるし・・・で、
一週間だけのはずが延長になっちゃって・・・
仕事を紹介すれば早めに出て行ってくれるかな?と思ったのに、
「恩を着せられるのはイヤ!」と言いだす始末。
もー、読みながらカチンカチンきちゃったわよ!!

しまいにゃ、子どもを置いて逃げ出し・・・・
途方に暮れる鈴音・・
そして、鈴音がとった行動は・・・ってことなんだけど・・・

悔やむ必要ないよ、当然のことをしたまでです。
でも、鈴音はお人よしだから、胸を痛めるのよね・・・
で、時が過ぎての再会・・・・
まさか、まだそんな状況とは・・・だよね。
そして、水絵の真意を知った鈴音・・・
また、ちょっと胸を痛めていましたが・・・
出来ることはしてあげたんだから、
悔やまなくてもいいよ!と言ってあげたいわね。

ムカムカしつつも、なんか起こりそうな不穏な空気に包まれていて、
一気に最後まで読んじゃいました。
思ってたような「何か」は全然起こらなかったし、
悪い人はそんなに出てこなかったので、若干の拍子抜けはありますが、
最後までグイグイ惹きつけられた作品でしたね。




 
   
胡蝶殺し




2015/12/19 読了






小学館


内容(「BOOK」データベースより)
梨園を背負う二人は「胡蝶」を舞えるのか?歌舞伎子役の愛と夢の物語。『サクリファイス』シリーズの著者、満を持してのミステリー。




物騒なタイトルですが・・・
血なまぐさい展開にはなりませんよ。

歌舞伎界を舞台に描かれたお話で、
歌舞伎のことは全然わからない私でも、楽しめました。

才能があるのに、父が死んだことで未来が閉ざされかかってる秋司、
その秋司の後見人になった萩太郎と、その息子・俊介。
この二人を育てていく立場となり、苦悩する萩太郎・・・って展開。

秋司に関しては、その母親の過敏な反応は予想の範囲内というか、
きっと、不安でそうなっちゃったんだろうなぁ・・・って理解できるの。
確かに行き過ぎの部分はあるけどね・・・
で、その思いが息子をも追いつめていく・・・・
秋司に降りかかった「災い」の末・・・

「踊りはやめるよ、でも芝居は続ける」の意味がわかったとき、
この子一人で全部抱えてここまで生きてきたんだな・・・って思うと、
絶対幸せになってほしい!って思えた・・・。
最後に、不可能だと思えた二人の胡蝶との舞台・・・
きっと素敵なものになったんだろうなぁ・・・

俊介が歪まずまっすぐに育ち、そのまっすぐさが人の心を動かしたのが、
なんだかとっても嬉しくて・・・
イケメンで、京大で、歌舞伎の御曹司で、性格も良いなんて・・・
非の打ちどころがなくて、ちょいとムカつくかも!!(笑)
こんな息子がいたらな・・・なんて、思っちゃうけどね!!(笑)




 
   
マカロンはマカロン




2017/1/13 読了






東京創元社


内容(「BOOK」データベースより)
下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マルは、スタッフ四人、カウンター七席、テーブル五つ。フランスの田舎を転々として、料理修業をしてきた変人シェフ三舟さんの気取らない料理と、身も心も温めてくれるヴァン・ショーは大人気。そして、実はこのシェフ、客たちの持ち込む不可解な謎を鮮やかに解く名探偵でもあるのです。豚足をめぐる少年と母親の再婚相手との物語、おしゃれな大学教師が経験した悲しい別れの謎、消えたパティシエが残した言葉「マカロンはマカロン」とは?…等々、胸を打つ話ばかり。ブーダン・ノワール、豚足料理、マカロン、ベリーのタルト…メインディッシュもデザートもきっとご満足いただけます。絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!




ビストロ「パ・マル」シリーズです。
楽しみにしてました!
8つの珠玉の短編集です。

「コウノトリが運ぶもの」は、亡き父の想いとつながるいい話。
アレルギーがあるって、大変だなぁ・・・ってしみじみ。

「青い果実のタルト」は、後味悪い話。
アリバイ作りに利用されるって、いい気はしないよな・・・
次に来店されたとき、どんな顔して会えばいいのやら。(汗)

「共犯のピエ・ド・コション」は、いい話でした。
母の再婚相手と、連れ子のいい関係のヒミツ・・か。
でも、一歩間違えれば「気持ち悪いオッサン」の可能性もあったよね・・。

「追憶のブータン・ノワール」
血で作るソーセージか・・
惨劇シーンも見せられたから、余計に食べたくないかも・・・(笑)

「ムッシュ・パピヨンに伝言を」は、切ない話・・・
再会できたかなぁ・・・?
会えてるといいな・・・。

「マカロンはマカロン」は、うん、その通り。
見た目じゃない、物事の本質こそ・・・だよね。
ただ、やっぱ料理人は香水はあかんで・・・

「タルタルステーキの罠」は・・・すごいことを考えたもんだよね・・
何事もないといいけど、先を見越しての策・・・ってわけだ・・。
いやはや・・

「ヴィンテージワインと友情」は、一番後味悪い話。
高いワインをせしめるために繋がる友情か・・・
そんな風に思わせる人も、利用する人も・・・ってことだろうけど、
なんだかねぇ・・・

全編楽しかった。
やっぱり好きだわ、このシリーズ。
また会える日を楽しみにしてまーす!!




 
   
シャルロットの憂鬱




2017/1/25 読了






光文社


内容(「BOOK」データベースより)
元警察犬シャルロットとの穏やかな日常に、ふとまぎれこむ不可解な謎。ささやかな歪み。解決するたびに、絆が強くなっていくような気がした。やわらかい読み心地の傑作コージーミステリー。




足を悪くして早くに警察犬をリタイアしたシャルロットという雌犬を引き取った
夫婦のお話です。
私も犬を飼っているので、あるあるー!な話でした。

子犬から飼いたいっていう気持ちが大きい人が多いと思うけど、
確かにここまでしっかり躾けられた4歳犬なら、いいかも・・・
でも、シェパードは怖いなぁ・・・(汗)

元警察犬って部分はあんまり描かれず、
ご近所問題とか、猫の集会とか、いろんな出来事が描かれます。
「もう、警察はコリゴリ」なシャルロットが可愛かったーっ!(笑)
そうだよね、やっと自由に生きられるんだもんね・・・。

捨て犬とか、子猫とか、シャルロットにしてみたら
「大事な人を奪われそうな危機」を何度も乗り越え、
ますます絆が深まった二人と一頭。
今後もいろんな姿を見せてほしいなぁ・・って思います。




 
   
ときどき旅に出るカフェ




2017/6/4 読了






双葉社

内容(「BOOK」データベースより)
平凡で、この先ドラマティックなことも起こらなさそうな日常。自分で購入した1LDKのリビングとソファで得られる幸福感だって憂鬱のベールがかかっている。そんな瑛子が近所で見つけたのは日当たりが良い一軒家のカフェ。店主はかつての同僚・円だった。旅先で出会ったおいしいものを店で出しているという。苺のスープ、ロシア風チーズケーキ、アルムドゥドラー。メニューにあるのは、どれも初めて見るものばかり。瑛子に降りかかる日常の小さな事件そして円の秘密も世界のスイーツがきっかけに少しずつほぐれていく―。読めば心も満たされる“おいしい”連作短編集。




近藤さんは、こういう料理が関わるお話を書かせると上手いっすね!
私、基本的に冒険できない女で、
料理に関しても、注文するときに得体の知れない異国の料理は
絶対頼まないんだけど、
近藤さんの文章を読んでると、なんか食べたくなるんだよー!

おひとりさまの瑛子が、近所で見つけたカフェ。
それは、昔の同僚が営む、居心地のいいカフェだった・・・
店主の円(まどか)は、月の初めに旅に行き、
いろんな場所で知った料理を出すという経営をしておりまして、
瑛子はそんなカフェを気に入って通うことになるんだけど、
お客のいざこざや、店主のいざこざなど、
いろんな出来事をともに過ごしていくわけです。

全10編ですが、どれも20ページほどで、
とっても読みやすい作り。
話の内容も、ページの少なさとは違って濃厚ですし、
愉しめる一作です。

料理もいいけど、出てくる出来事がなんとも人間臭くて・・・
イヤな気持ちにもなるけど、
最後はスッキリさせてもらえるので、
読後感はとてもいいです。

狭い島国で生まれ生きてる私、
まだまだ知らないことがたくさんあるんだなぁ・・・・ってしみじみ。
だけど、やっぱり、冒険はできそうもないので、
文章内で愉しませてもらうことにします。(笑)