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 窪美澄 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

晴天の迷いクジラ よるのふくらみ ふがいない僕は空を見た アニバーサリー
水やりはいつも深夜だけど さよなら、ニルヴァーナ





   
晴天の迷いクジラ




2014/2/27 読了





内容(「BOOK」データベースより)
壊れかけた三人が転がるように行きついた、その果ては?人生の転機に何度も読み返したくなる、感涙の物語。




湾内に迷い込んだクジラ・・・
体に損傷があって、方向感覚をなくしてしまい、
このままでは命も危うい、クジラ・・・

この物語は、そんな、生きていく方向がわからなくなって、
自ら命を絶とうとしてしまう三人が、
同じように迷ってるクジラを見に行って・・・というお話です。

それぞれに、苦悩や悲しみがあって、
だけど、人間、一人じゃないだってことが、
しみじみと伝わってきて、
誰しも出口がわからなくて、迷って、
絶望してしまうことがあるかもしれないけど、
こうやって、立ち止まることができたら・・・って、思いました。

同じように苦しむクジラを見ながらも、
それぞれに「道」を見つけて歩き出す・・・
読んでいて辛い場面もあるけど、
読み終わったときは、ホッと力が抜けるような、
心温まるお話でございます。




 
   
よるのふくらみ



2014/4/6 読了





内容(「BOOK」データベースより)
祝福された愛に、孤独を深める女。思いを秘めたまま、別の恋に堕ちる男。離れていく心に、なすすべのない男。ままならない心と身体を描く恋愛小説。




なんだろ・・・・
ドロドロしてる話のようで、最後は爽快な気持ちにさせられる・・・という、
不思議な感覚になるお話でしたね。

二人の兄弟と、一人の少女の、三角関係・・・の話ですね。
三人の目線で一話ずつ描かれていきます。
ある出来事が、この子はそう感じ、この子はあんな風に感じ・・・と、
面白いです。

愛する、愛されるということに、体の結びつきはやはり関係するわけで、
そこに重きを置くかどうかも人それぞれで・・
だからって、足りなさを他で埋めようとする行為は、
私は到底受け入れられないんだけど、
その前提として、そこに想いがあったから・・・・だろうと思いましたね。

最終的に、最初の組み合わせとは違う終わり方をしますが、
残された一人にも希望が見えて、
そこには、失った相手から求められたのとは違う愛があって、
きっと、幸せを手に入れられるんじゃ・・?って思えました。
ただ・・・職業が職業だけに・・・・ちょっともめそうな気もするが。(笑)

メインは三人なんだけど、
その三人に関わってくる「脇役」がそれぞれに濃いキャラで、
それぞれの「アナザーストーリー」なんてのも読んでみたいな・・と思えました。
そういう風に思わせる力が、この作品にはありました。
さすがですね、窪さん。
他の作品も読んでみようっと!




 
   
ふがいない僕は空を見た




2014/4/24 読了





内容(「BOOK」データベースより)
高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが―。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R‐18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。




いきなり、主婦と男子高校生の不倫から始まる今作。
しかも、かなりアブノーマルなSEX描写から・・・
おいおい、どんな話なんだよ、コレ・・・と引きつつ読んでみた。(笑)

一気読みです。
まず、男子高校生目線。
そのあと、不倫主婦の目線・・・
男子高校生の彼女の目線、親友の目線とつづき、
最後男子高校生の母親目線・・

見事につなげられた長編です。
それぞれの気持ちが痛いほど伝わってくる。
不倫主婦の気持ちや、親友くんの気持ち、そして母の気持ちが
特にグン!ときましたね。

かなりフツーではない人たちが出てきます。
その人たちもある意味魅力的で・・・目が離せません。

映画化されてるんですよね。
ぜひ見てみようと思います。




 
   
アニバーサリー




2014/5/1 読了





内容(「BOOK」データベースより)
産む、育てる、食べる、生き抜く。その意味は、3月11日に変わってしまった。75歳でいまだ現役、マタニティスイミング講師の晶子。家族愛から遠ざかり、望まぬ子を宿したカメラマンの真菜。人生が震災の夜に交差したなら、それは二人にとって記念日になる。




3.11の地震前後のお話。
ある老婆と、ある妊婦がメインとなってます。

正直、この妊婦さんにはあんまり共感できなくて・・・・
ここまでお節介なお婆ちゃんがいなかったら、
本当にどうなってたかわからんし・・・

このお婆さんは、たくさんの人に世話になって、
大切なものをたくさん失い、それでも強く生きてきた人。
だから優しくできるのかな・・・
失ったからこそ、また失いたくなくて、こんな行動ができるのかな・・・

人の優しさを素直に受け取れない人もいる。
それでも優しさを押し付けるように・・
そのおかげで、一人の女性と子供が救われたわけで・・

人とのかかわりを考えさせる作品です。
でも、やっぱり、この妊婦さんの過去は・・・
共感できない!




 
   
水やりはいつも深夜だけど




2014/12/3 読了





セレブママとしてブログを更新しながら、周囲の評価に怯える主婦。仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母に戸惑う、高一女子。同じ幼稚園に子どもを通わせる家々の、もがきながらも前を向いて生きる姿を描いた、魂ゆさぶる5つの物語。



いろんな家族の物語。
5つのお話、どれも痛みを感じる。
だけど、ちゃんと愛がある。
間違ったって、やり直せる。
みんな同じ。

これから母になろうとする人たち、
今、子育てに奮闘するママたち、
子育てを卒業した方々、
今、育ててもらってるみんな、
みんなに読んでほしい。

試行錯誤して、間違って、苦しんで、
それでもそこに「愛」があるから、ともに生きていく。
それぞれに、いろんな感想を持つだろうけど、
きっと、読み終わったあと、心に何か生まれるだろう。
育てる人も、育てられる人も、人間。
みんな、今を頑張ってる。
今が苦しくても、一人じゃないから・・・




 
   
さよなら、ニルヴァーナ




2015/6/28 読了






文藝春秋

内容(「BOOK」データベースより)
少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝する少女、そしてその環の外にたつ女性作家。運命に抗えない人間たちの因果を描く、慟哭の物語!




なんてタイムリーなお話・・・

神戸の酒鬼薔薇聖斗の事件をモチーフに描かれた作品。
あれから十数年が過ぎ、
大人になって社会に戻ってきている少年A、
その少年Aに惹かれる中年女性と、少女、
そして、娘を殺された母・・・の三人がメインのお話。

まず、少女をあんな風に残酷に殺した人間に
惹かれてしまう・・・っていう心理が理解できない。
堂やら、設定では美少年・・ってことになってるんで、
ビジュアル的に惹かれた・・ってのがキッカケらしいけど、
だからって、今どこにいるのか・・・って必死になって探したりなんて、
もう、常軌を逸してる。

んでもって、娘を殺された母が、
この少年Aに懸想する少女に失った娘を重ねて・・っていう流れも、
わからんでもないけど、やっぱわからん。
止めようよ、
いや、関わらないでおこうよ・・・。(汗)

最終的に、少年を含めた4人が一堂に会し、
悲劇へと向かっていくわけですが・・・・

この中で描かれてる少年Aの境遇。
実際の「少年A」の境遇は知りませんけど、
いくらどんな苦しい少年時代を過ごしたからって、
あんなことをする理由にはなりえないわけで、
全然同情も共感もしませんでしたよ。

ただ、文中に、この少年が社会に出る前に少年院の人が諭すシーンで、
お金目当てに群がってくる大人がいるだろうから気を付けろ・・って
部分があるんですよ。
手記を出せとか言ってくる場合がある・・・ってね。
うん、今、まさにそれが起こっちゃってるよね。

私はそんな手記、読みたくないし、買ったりなんて絶対しない。
結局自分を擁護したいだけの吐露なんだもん。
この手記を出版する会社も理解できん。

なので、まー、読むのに時間がかかった。
途中で放り出してやろうと何度思ったことか。
だけど、小説内でこの少年がどんな末路をだどるのか、
見届けてやろうという思いで読み切ったよ。
・・・曖昧な結末でしたけど。

はぁ・・・・疲れた。
図書館で借りたから読まなくちゃ!って変な責任感を感じちゃって・・・
もし、購入本だったら、途中で積読本コーナーに埋没させてたわ。(汗)