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 まさきとしか 


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完璧な母親





   
完璧な母親




2017/5/29 読了






幻冬舎文庫

内容(「BOOK」データベースより)
流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。絶望の淵で母親の知可子は、息子を産み直すことを思いつく。同じ誕生日に産んだ妹に兄の名を付け、毎年ケーキに兄の歳の数の蝋燭を立て祝う妻の狂気に夫は怯えるが、知可子は歪な“完璧な母親”を目指し続ける。そんな中「あなたの子供は幸せでしょうか」と書かれた手紙が―。母の愛こそ最大のミステリ。




「完璧な母親」なんて、いるわけないじゃん・・・
そんな風に思いつつ、読み始めました。

6歳の息子を突然失った母。
喪失感にさいなまれ・・・行きついた先が、「産みなおせばいい」。
そして、もう一度体内に子供を宿し、
亡き息子と同じ誕生日に、娘を産んだ・・・
息子の名に「子」をつけただけの、同じ呼び名の子を・・・

この時点で怖いわ。(汗)
でもさ、怖いっていうより不憫でね・・・
娘ちゃんですよ。
誕生日はいつも兄とともに祝われ
兄の生まれ変わりだと言い含められ、
しまいにゃ、お兄ちゃんがいなかったら、アンタは生まれてないとまで言われ。
真っ当に育つはずがない。(汗)
第一章は、そんな罪深き母のお話。

第二章になると、大人になった娘「はるこ」と、
ある男性がメインで描かれます。
真っ直ぐに愛されて育ってないため、
自分というものが上手く掴めず、対人関係も歪んでいたはるこのもとに、
ある男が近づいてくる。
「私の姉が、あなたのお兄さんの生まれ変わりだと言ってる」
・・・どういうこと・・・?
私が生まれ変わりなのに?
いや、生まれ変わりなの?
え?何・・・?と、ますます崩壊の道に・・
この男性もかなり不憫な育ち方をしてるのよね・・・

第三章は、はるこがある罪を犯すことになっちゃいます。
追いつめられたはるこの気持ち、わからんでもないです。
そんな中、ある真実が明らかになります。
なるほど・・・そういうことだったのか・・・ってね。
となると、一番罪深いのは、この「母」だね。
わが子の命を救いたい気持ちはわかるけどさ・・・

完璧な母なんていない・・・ってのはわかるけど、
そもそも、「自分の幸せ」を、家族っていう存在で実感しようとする、
夫も息子も自分の幸せを彩る部品みたいに考えてるこの女性が、
そもそも間違ってる・・って感じましたね。
愛すべき人の幸せが、自分の幸せ・・・じゃないんだもん。
自分が幸せになるための家族・・・だもん。
そうじゃない・・・よねぇ・・・

ザクザクっ・・・っと人の心に切り込んでくる感じが、
ちょっとクセになるかもしれない予感・・・
他の作品も読んでみようかな?