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 南杏子 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

サイレント・ブレス ディア・ペイシェント





   
サイレント・ブレス




2016/11/4 読了






幻冬舎

内容(「BOOK」データベースより)
大学病院から、「むさし訪問クリニック」への“左遷”を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門のクリニックだった。倫子はそこで死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、そこに秘められた切なすぎる“謎”を通して、人生の最後の日々を穏やかに送る手助けをする医療の大切さに気づく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意思の疎通がはかれない父の最期について静かな決断を下す。




終末期医療のお話。

都心の大病院の最前線で働いていた女医の倫子。
ある日、東京西部の訪問医療ステーションへ左遷・・・
そこで、在宅で死を迎える患者さんと触れ合っていく・・
そして最後は、自分の父の最期について考える・・・というもの。

医者の使命は、「命を救うこと」
それができてこその「やりがい」、「勝利」・・・
本当にそうだろうか。
人は誰もが死ぬ、そのとき、訪れる死にともに寄り添ってくれる医師が
いてくれたら、どれほど心強く、心穏やかか・・・。

この作品を読んで、心から思った。
こんな風に死にたいって。
現代の医療の限界まできてしまったとき、
ベッドの上でチューブに縛られてわずかなときを稼ぐのではなく、
穏やかに、自分の家で、大切な人と「そのとき」を迎えたい・・って。

そして、医療の限界で治療の施しようがない患者にだって、
医者に最期まで診てもらう資格はあるはず。
そんな患者のために生きる医者がいても、いいと思う。
いや、いてほしいって思う。
命を救うために全力を注ぐ医者も、
最期の時を穏やかに迎えさせてくれる医者も、
どちらの方が優ってるなんて、ない。
それぞれにあった道で、存在していてほしい。

倫子の素質を見抜き、その道に誘ってくれた人・・・
その道を見守ってくれる人・・・
その道でともに闘ってくれる人・・・
そんな人たちとともに、倫子にはこの道のスペシャリストになってほしい。
父の最期を大きな覚悟で見送った彼女だからこそ、
きっとなれるはず。

最後は涙なしには読めませんでした。
いつか訪れるだろう、大切な人を見送らなくてはいけないときを思うと、
決して他人事ではないことだから・・・。

デビュー作だそうですが、素晴らしい作品でした。
ご自身の経験もあって・・・の作品のようです。
オススメです。




 
   
ディア・ペイシェント




2018/2/24 読了






幻冬舎

内容(「BOOK」データベースより)
病院を「サービス業」と捉える佐々井記念病院の常勤内科医・千晶は、押し寄せる患者の診察に追われる日々を送っていた。そんな千晶の前に、執拗に嫌がらせを繰り返す患者・座間が現れた。病める人の気持ちに寄り添いたいと思う一方、座間をはじめ様々な患者たちのクレームに疲弊していく千晶の心の拠り所は先輩医師の陽子。しかし彼女は、大きな医療訴訟を抱えていた。失敗しようと思って医療行為をする医師はひとりもいない。なのに、患者と分かり合うことはこんなにも難しいのか―。現役医師が医療に携わる人々の苦悩と喜びを綴る、感涙長篇。




もうね・・・・冒頭から結構な分量で、医者の愚痴・・・・って感じで。(汗)
私も病院で働いていたから、医者の大変さは知ってるけどさ・・・
まぁ、時代なのかもねぇ・・・
学校でもモンスターペアレンツってのがいるように、
病院にはモンスターペイシェントってのが出てきてるわけで。
一昔前はさ、「お医者様に治していただいてる立場」って感じだったけど、
今は違うのかしらねぇ・・?
治せなかったら文句を言い、少しのことで騒ぎ立てる・・・
医者だって万能じゃないんだからさぁ・・・
わかってよ・・・って言いたいよねぇ・・・
わかるけどさ・・・

まぁー、長いのよ、医者の大変さの記述が。
患者として病院を訪れる立場となって読むと、
もう、医者には何も言えないな・・・っていうか、
そんな時間を短く区切られてたいして話も聞かずにわかるの?って
気持ちもわいてきたり・・・・と。
この病院がかなり特殊ではあるんだけどさ、
たしかに、私も最近ちょいと大きめの病院を受診したとき、
こんな風に対応されたなぁ・・って思ったりもして。

病院関係者の立場として読むのと、
患者の立場として読むのでは、感じ方が全然変わってくる・・・かな?
途中からちょっとミステリー要素も出てくるけど、
後味悪し・・・な結末でねぇ・・・

健康でいよう、病院にはなるべく行かないでいたい・・・・
そんな気持ちになるお話でした。
・・・違うか!(笑)