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 湊かなえ 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

告白 少女 贖罪 Nのために
夜行観覧車 花の鎖 境遇 サファイア
白ゆき姫殺人事件 母性 望郷 往復書簡
豆の上で眠る 山女日記 物語のおわり 絶唱
リバース ユートピア ポイズンドーター・
ホーリーマザー



   
告白




2008年 読了






内容(「BOOK」データベースより)
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

 

中学校教師による独白から始まる今作。
最初の章で、ゾクゾクっ!!として、
もう、あとは止まりませんでした!!

このクラスの誰かに、愛娘が殺された・・・
その容疑者に、あるものを仕込む・・・
そして仕込まれた生徒は・・・
そして、彼女は・・・という、目が離せない展開!!

本当に面白かった!
こんなにも小説について誰かと語り合いたい!って思った本は
今までなかったかも・・・です。
無理矢理、姉に勧めて、二人で語り合いました。(笑)

こんな小説が書ける作家さんの才能を、
羨ましく思ったのも、初めて・・・です。




 
   
少女




2009/1 読了




内容(「BOOK」データベースより)
親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く―死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。


 

「告白」が素晴らしすぎて、2作目はかなりハードルが上がっちゃってて、
「期待しすぎるといかん」と戒めながら読みました。(笑)
でも、これも面白かったです。

二人の少女の話が交互に描かれ、
読んでいて重たい感じもするんだけど、
話が進むにつれて、いろんな関連性が見えてきて、
やっぱり、ほほー・・・と思わせる話です。

「告白」は重たすぎて、後味も悪かったけど、
これは光が見える・・というか、
「告白」に比べると気持ちが楽な結末で何より・・・でした。



 
   
贖罪




2009/6 読了






内容(「BOOK」データベースより)
15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。娘を喪った母親は彼女たちに言った―あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結末は!?特別収録:黒沢清監督インタビュー。


 

雰囲気は「告白」に似ている感じ・・・ですね。
小さいころの傷、十字架を背負って生きている少女たち・・・
そして、娘の死に納得できない母の想い・・・

だけど、最後には「おいおい・・・」という展開。
なんだかねぇ・・・・
人のせいにする前に、自分の行いを振りかえれって感じ?(汗)

とはいえ、「告白」ほどの衝撃ではない・・・
うーむ・・・
やっぱり、デビュー作が素晴らしいと、
いつまでもそれと比較されてしまうんだねぇ・・・
大変だ・・・
あ、比較しなきゃいいんだけどね、あたしが。(笑)



 
   
Nのために




2010/2 読了
2014/9/20 再読





内容(「BOOK」データベースより)
「N」と出会う時、悲劇は起こる―。大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために―。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。


 

うーん・・・・
読者も・・・・だけど、作家さん自身も
「告白」を引きずってる気がする・・・
作りが同じようで、「またか・・」って気になるんだよね。
勝手に期待して、勝手に「違う」と言う・・・
すまない・・・・と思いつつ、やっぱり、イマイチ感が否めない・・・(汗)

結末も、衝撃もなければ、納得もいかない・・・
迷走中かな・・・?
ここらでちょっと、ドドン!と違うテイストで書いてみてはいかがだろうか・・・?


 

 ・・・再読後感想・・・・

ドラマ化ってことで、図書館でも非常に借りにくくなってますね。
記憶がほぼないので、再読してみることに・・・

最初から、なんかあやしい・・・っていう告白から始まります。
告白っていうか、事情聴取・・・ですね。
それぞれが、「Nのために」何かしら偽っていて・・
その「N」は、あの人であり、
あの人にとっての「N」は、あの人であり・・・と、
それぞれが秘めた思いでそういう言動をしていくわけですが・・・

起こった事件をそれぞれが本当に話したとして・・・
それはそれで、信じてもらえたかっつーと、
それも怪しいわけで・・
ってことは、あの人がそれを望んで全部ひっかぶってくれたわけだから、
ま、それでいいか・・って気もしなくはない。(汗)

いやはやしかし、ゴチャゴチャとしていて、
面倒くさい人間関係でしたな・・・(笑)
「Nのために」と言いつつ、自己満足だったり、
欺瞞だったり、保身だったり・・・で、
「誰かのために」ってことでいいように話をすり替えるなよ。。と
思ったりもしちゃいました。

ドラマでは設定をちょいちょい変えてくるみたいですが、
オチは・・・・そのままかな?
どうなりますでしょうか・・・。



 
   
夜行観覧車




2010/6 読了








内容(「BOOK」データベースより)
高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。


 

久々に、湊かなえ、面白いぞ!って思えました。(笑)

高級住宅地、身分不相応、家庭内暴力、殺人・・・・と、
自分にはあまり関わりのない設定での話で、
まさに「野次馬」感覚で読み進めました。

とはいえ、ツッコミどころは満載なんだけどね。
お兄ちゃんが戻ってくるの、遅すぎ・・・とか、
いくら仲がいいからって、そんなに介入する・・・?とか。
だけど、一篇の物語として、
最初から最後まで楽しめました。

最後に思ったのは・・・
無理しちゃいかん。
身の丈に合った暮らしをしよう・・・ってことかな?(笑)



 
   
花の鎖




2011/3 読了




内容(「BOOK」データベースより)
両親を亡くし仕事も失った矢先に祖母がガンで入院した梨花。職場結婚したが子供ができず悩む美雪。水彩画の講師をしつつ和菓子屋でバイトする紗月。花の記憶が3人の女性を繋いだ時、見えてくる衝撃の事実。そして彼女たちの人生に影を落とす謎の男「K」の正体とは。驚きのラストが胸を打つ、感動の傑作ミステリ。


 

三人の女性が出てきますが、
その関係性が面白い設定でしたね。

一番驚いたのは、なんか、全然「黒くない」ってこと。(笑)
「告白」は最強に「黒い」話だったよねぇ・・・
ようやく、なんか変わってきたかな・・?って感じでしょうか。

「K」というイニシャルの男が多数出てきて、
さぁ、「K」って誰でしょう・・・って感じなんだけど、
実際、周りに「K」って人がそんなにいるか?と思ったら・・・
私の旦那も「K」でした。(笑)
うむ、周りがKだらけだった・・っていうのも
ないことはないのか・・・と、思うことにします。(笑)



 
   
境遇




2011/12/10 読了





主人公は36歳のふたりの女性。
政治家の夫と幸せな家庭を築き、さらに絵本作家としても注目を浴びる主婦の陽子。家族のいない天涯孤独な新聞記者の晴美。ふたりは親友同士であるが、共に生まれてすぐ親に捨てられた過去を持つ。
ある日、「世間に真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状と共に、陽子の5歳になる息子が誘拐された。
真実とは一体何なのか ……。
晴美と共に「真実」を求め奔走する陽子。すると、陽子の絵本のファンだという一人の女性の存在が浮上する。犯人はその女性なのか、それとも……。
人 は生まれる環境を選べない。しかし、その後の人生は自分の意思で選び、自分の手で築いていくことができる。犯人の示す「真実」が明らかになるとき、ふたりの歩んできた境遇 =人生の意味が改めて浮き彫りになっていく。


 

うーん・・・
まず「ドラマありき」の作品でしょうね。
だから、その意図が全編から感じられて、
なんか、「小説」としてはイマイチだな・・・って思えました。
ドラマにすれば違った印象になるんでしょうかね?

お話としても、イマイチ・・・という感じ。
中に出てくる絵本がついている「特別版」も売られていて、
どっちを買おうか迷ったけど、
普通のバージョンを買って、よかった・・って思っちゃった。(汗)

もっともっと、重厚なお話が読みたいです・・・・(涙)



 
   
サファイア




2012/5/9 読了





市議会議員の選挙アルバイトを始めたことがきっかけで、議員の妻となった私は、幸せな日々を送っていた。激務にもかかわらず夫は優しく、子宝にも恵まれ、誰もが羨む結婚生活だった。だが、人生の落とし穴は突然やってきた。所属する党から県義会議員への立候補を余議なくされた夫は、僅差で落選し、失職。そこから何かが狂いはじめた。あれだけ優しかった夫が豹変し、暴力を振るうようになってしまった。思いあまった私は・・・・・・。絶望の淵にいた私の前に現れた一人の女性―――有名な弁護士だという。彼女は忘れるはずもない、私のかけがえのない同級生だった・・・・・・。

 

宝石のタイトルがついた、短編集です。
それぞれが短い話で、
イマイチ描かれてない感じがしてしまって、
読後の満足感はあまりありませんでしたね・・・(汗)

だけど、最後の2篇はよかったかな・・・?とも思う。
読み手がそれぞれ、「この話がよかった」ってのは違うでしょうね。
それぞれに好きな宝石があるように・・・

次回作は長編でお願いしますね!



 
   
白ゆき姫殺人事件




2012/8/1 読了





内容(「BOOK」データベースより)
化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方、匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。


 

今時のツイッターが織り込まれた作品で、
なかなか読みづらい。(汗)
でも、女のドロドロが描かれるのね・・・と
ちょっと期待して読み進めるも・・・
結末はなんと・・・(滝汗)

そんな、投げやりな終わらせ方ってある??って
ある意味衝撃だった。
斬新ちゃー斬新だけど・・・
うーん・・
こういう作りは好きじゃないな・・・。(汗)



 
   
母性




2012/11/4 読了





内容(「BOOK」データベースより)
母と娘。二種類の女性。美しい家。暗闇の中で求めていた、無償の愛、温もり。ないけれどある、あるけれどない。私は母の分身なのだから。母の願いだったから。心を込めて。私は愛能う限り、娘を大切に育ててきました―。そしてその日、起こったこと―。


 

母親だって人間ですもの。
全てを子供に捧げているようで、
実のところはそうではなかった・・ってのは、
うむ、わかる気がする・・って思った。

大切に育てることを、
「大切に育てているとみんなに知ってもらうこと」と思ってしまった母。
認めてほしい、褒めてほしい・・
自分の子を通して、自分を表現する・・・
いやぁ・・・・
子どもにしてみたら、たまったもんじゃないっすな。(汗)

そんな母の愛をまっすぐに受け止め、
母が喜ぶように・・・と努力するこの姿に胸が苦しかったです。
そして、この母の呪縛から逃れるために・・・ですね。

「母性」に対する理想は普遍的にありますが、
実際はそんなキレイなもんじゃない。
世の母はみんなそうだと思う。
受ける側と与える側。
受けたから与えられること、
受けなかったから与えたいと思うこと・・
いろいろと考えさせられた作品でした。



 
   
望郷




2013/2/2 読了





内容(「BOOK」データベースより)
島に生まれ育った人々が織りなす、心の奥底を揺さぶる連作短篇集。日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作「海の星」収録。


 

短編集です。
なので、あんまり期待してなかったです。(汗)

島という環境を上手く利用したお話だと思いました。
でも・・・・
やっぱり短編集だからかなぁ・・・
私はあんまり面白いって思えなかったっす。(笑)
すんません。



 
   
往復書簡




2013/6/4 読了





内容(「BOOK」データベースより)
高校教師の敦史は、小学校時代の恩師の依頼で、彼女のかつての教え子六人に会いに行く。六人と先生は二十年前の不幸な事故で繋がっていた。それぞれの空白を手紙で報告する敦史だったが、六人目となかなか会う事ができない(「二十年後の宿題」)。過去の「事件」の真相が、手紙のやりとりで明かされる。感動と驚きに満ちた、書簡形式の連作ミステリ。


 

なかなか面白い形態のお話でしたね。
手紙のやりとりで描かれる物語です。

「二十年後の宿題」を原作にして映画も作られましたが、
私もこの話は好きでした。
いつまでもデビュー作と比べられて可哀想ですが、
あの衝撃を求める方には、こういう作品はイマイチ・・と感じるかも。
私は、面白かったと思ってますよ。



 
   
豆の上で眠る



2014/3/30 読了





行方不明になった姉。真偽の境界線から、逃れられない妹――。あなたの「価値観」を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの? 13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には「違和感」が残り続けていた。押さえつけても亀裂から溢れ出てくる記憶。そして、訊ねられない問い――戻ってきてくれて、とてもうれしい。だけど――ねえ、お姉ちゃん。あなたは本当に、本物の、万佑子ちゃんですか? 待望の長編、刊行!

 

私もこの主人公と同じように次女で、
長女である姉と比べて「愛されてないな・・」と少なからず思いつつ
育ってきた人間なんで、(笑)
もし、姉が急に行方知れずになったら・・・と考えると、
ちょっと気持ちを乗せて読んでしまいました。

何よりおぞましかったのは、長女を探すために
次女を利用する母の所業。(汗)
そのために猫を与え、それを利用して動かす・・・
怖いよ、マジで・・・

そして、戻ってきた姉に違和感を感じる主人公。
この人は本当に「本物の」お姉ちゃんなの・・・?と・・。

まぁ、この時点で、ある程度の予測はつくんです。
きっと・・・・ってね。
だけど、その「理由」が驚くべきものだった。
だから、理解できない部分が多くて、
最後は主人公共に、「はぁ????」って言いたくなった。

最後まで「謎」を引っ張ったわりに、
真相が明らかになる部分はアッサリとしてしまっていて、
拍子抜けというか、納得できない部分が多々あり、
尻切れトンボ・・・って感じ?

まぁ、言いたかったのは・・・
「本物」って、何かね・・・?ってことですな。
最近、この手の話、多い気がするなぁ・・・・




 
   
山女日記




2014/7/15 読了





内容(「BOOK」データベースより)
私の選択は、間違っていたのですか。真面目に、正直に、懸命に生きてきたのに…。誰にも言えない苦い思いを抱いて、女たちは、一歩一歩、頂きを目指す。新しい景色が、小さな答えをくれる。感動の連作長篇。

 

湊かなえさんといえば・・・・
やっぱ、ちょっとゾワっ・・・とするような「ミステリー」が多いですよね?
でも、これは全くミステリー要素はないです。
悩んだ女性が山に登る、
そして、それぞれに答えを見つけていく・・・という連作短編集です。
なので、ミステリーをご要望の方は、ちょっとガッカリかも・・・・(笑)
個人的には、意外な一面を発見できた感じがして、
なかなか興味深い作品でしたよ。

結婚すべきがどうか悩む女性であったり、
姉妹仲の問題を抱える女性であったり・・・・
七つの山に登る女性たちのお話になってるんだけど・・

私は、「火打山」が好きでした。
精一杯見栄張って生きてきた女性のお話で・・・
この人は最終話にも出てきますが、
そのまま変わらず、でも、ちゃんと幸せそうで、何だか嬉しくなりました。

最終話だけ、ちょっとわかりづらくなってます。
読み進めると、ん?って思うんですよ。
前に戻ってもう一度読み直しちゃいましたもん、私。(笑)

全編を通して、登山に対する作者の想いが伝わります。
湊さんは登山経験もおありで、ご自身の経験やアイデアが
盛り込まれている感じがしました。
山岳小説ですが、暗い話はありません。
みんな、無事に戻ってきます。(笑)
安心してお読みくださいませ・・・

ただ・・・・やっぱり、私は「辛い思いをして山に登る気持ち」は、
全く理解できません。(笑)
マラソンも、見てるのはいいですけど、
楽しそうとは思えませんしね・・。
辛い思いをしても、その先の達成感がたまらないんでしょうが、
私はできれば、辛い思いはしたくないタチなんで・・・・。(笑)

そんな私が読んでも楽しめたので、
きっとみなさんも大丈夫だと思います!(笑)
・・・これを読んで、「山に登ってみたく」・・・は、
やっぱりなりませんでしたけどね。(爆)




 
   
物語のおわり




2014/10/8 読了





妊娠三ヶ月で癌が発覚した女性、
父親の死を機にプロカメラマンになる夢をあきらめようとする男性……
様々な人生の岐路に立たされた人々が北海道へひとり旅をするなかで
受けとるのはひとつの紙の束。
それは、「空の彼方」という結末の書かれていない物語だった。
山間の田舎町にあるパン屋の娘、絵美は、
学生時代から小説を書くのが好きで周りからも実力を認められていた。
ある時、客としてきていた青年と付き合い婚約することになるのだが、
憧れていた作家の元で修業をしないかと誘いを受ける。
婚約を破棄して東京へ行くか、それとも作家の夢をあきらめるのか……
ここで途切れている「空の彼方」という物語を受け取った人々は、
その結末に思いを巡らせ、自分の人生の決断へと一歩を踏み出す。
湊かなえが描く、人生の救い。


 

未完の小説がある。
それを読んだ人たちが自分の人生と重ね、
その先の「物語のおわり」をそれぞれに考えて、
一歩先へと進んでいく・・・というお話。

まぁ・・・ありがちな設定というか・・・
どっかで見聞きしたような、決して目新しい感じはしない・・
なので、「こんなもんよね」っていう感想です。(汗)

最初の章は、「未完の小説である「空の彼方」。
第2章からは、それを受け取った人たちが
リレー形式で手渡ししていって、それぞれに答えを見つけていく・・。
最後の2章は、「空の彼方」の作者に関わる人たちの話で、
ちゃんとオチはついてます。
「未完」ではなくて、ホッとしました。(笑)

もっと大きな世界に飛び出したい!
そのキッカケが見つかった!
だけど、自分を引き留める人がいる・・・
行くべきか、行かざるべきか・・・という「空の彼方」なんだけど・・

そうね、私がこの物語の先を考えるとすると・・・
行かせないで引き留めると、
後で絶対「あんとき行っとけば・・」とか思われると考えるので、
行かせちゃうかなぁ・・・と。
つまり、相手の未来を考えて・・・ってより、
その先の自分も見据えて・・・で考えちゃうかな。
全責任を負うのが怖いっていうか。(汗)
相手のことを考えてるようで、独りよがりになっちゃうかも・・・
でも、心配だから、ついていっちゃうかなぁ・・・・

この「空の彼方」を読んだ人たちは、
今、自分が置かれた境遇と重ね、
意固地になってた考えを、客観的に見ることができて、
楽になっていきます。
一人で思い悩んだり、出口が見えなかったり・・な頭を、
解してもらってる・・っていう感じでしたね。

最後は現代の若者らしい悩みで、
お祖母ちゃん、どうしたもんかね・・・・?な話でしたけど、
逃げずに頑張ってほしいなって思いました。

全編、北海道の風景が描かれ続けまして、
一度でいいから、北海道に行ってみたいな・・・って思いました。
あまりにも広大なため、チャリで・・・・ってのはナシで。(笑)
車で、日程フリーで・・・っていう、ぜいたくな旅・・・いつか・・・



 
   
絶唱




2015/1/26 読了






悲しみしかないと、思っていた。でも。死は悲しむべきものじゃない――南の島の、その人は言った。心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために――。「死」に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは? 喪失"から、物語は生まれる――。

 

今年は、阪神大震災から20年。
あの地震を経験した湊さんが、ようやく今、
物語として描くことができた・・・ってことですよね。


全4編中、3編は、阪神大震災で大切な人を失ったり、
傷ついたりした人が、南の国トンガで心癒される話なんです。
人の想いが人をつないでいて、
距離とか言葉とか、関係ないな・・・って思いました。

最後に、トンガに青年協力隊としてトンガに行き、
今は作家として生きてる女性の話となり、
湊さん自身のことなんだろうな・・・とわかります。

私は、阪神大震災も東日本大震災も、揺れはしましたが、
被害にはあってないです。
何も語る資格なんてないって、わかってます。

だけど、あの現場で、実際に知り合いを亡くすなどして、
大きく心が傷ついた人でさえ、
こんな風に更に傷ついてしまったりするんだ・・・・って、
最終章を読みながら思いました。
これは、湊さんの経験談・・・なんですかねぇ・・・・
お互いに傷ついてるはずなのに・・・
いたたまれません。(涙)

トンガという国が、どこにあるのかさえ知らない私でしたが、
早速ネットで調べて、美しい写真なども見ました。
こんな風に、「アナザースカイ」的な第二の故郷があるって、
羨ましいな・・・って思っちゃったり・・・

でも・・・パスポートすら持ってない私・・・(涙)




 
   
リバース




2015/5/22 読了






講談社

深瀬和久は、事務機会社に勤めるしがないサラリーマン。今までの人生でも、取り立てて目立つこともなく、平凡を絵に描いたような男だ。趣味と呼べるようなことはそう多くはなく、敢えていうのであればコーヒーを飲むこと。そんな深瀬が、今、唯一落ち着ける場所がある。それは〈クローバー・コーヒー〉というコーヒー豆専門店だ。豆を売っている横で、実際にコーヒーを飲むことも出来る。深瀬は毎日のようにここに来ている。ある日、深瀬がいつも座る席に、見知らぬ女性が座っていた。彼女は、近所のパン屋で働く越智美穂子という女性だった。その後もしばしばここで会い、やがて二人は付き合うことになる。そろそろ関係を深めようと思っていた矢先、二人の関係に大きな亀裂が入ってしまう。美穂子に『深瀬和久は人殺しだ』という告発文が入った手紙が送りつけられたのだ。だれが、なんのために――。
深瀬はついに、自分の心に閉じ込めていた、ある出来事を美穂子に話し始める。全てを聞いた美穂子は、深瀬のもとを去ってしまう。そして同様の告発文が、ある出来事を共有していた大学時代のゼミ仲間にも送りつけられていたことが発覚する。”あの件”を誰かが蒸し返そうとしているのか。真相を探るべく、深瀬は動き出す。


 

コーヒー好きな人は、コーヒー談義でちょっと萌えるかも・・・(笑)
コーヒーのお話が多いから、表紙の黒粒はコーヒー豆なんです。
・・・・いや、その意味だけではないんですぅ・・・・。

最後の数ページで、ひゃーっ!!!ってなりますよ。
・・・ま、私はかなり早い段階で、
カレの「体に起こること」について疑っていたので、
最後の真実が明らかになったときは、
やっぱりか・・・・って思ったよ。


ちょっとネタバレになるから・・・
いや、ほぼネタバレかな・・・・



仲がいい友達=親友ならさ、
自分の体のことって、話さないかなぁ?
私なら話すけどなぁ・・・
場の雰囲気を壊したくないってのはわかるけど、
死ぬくらいの反応が出ちゃうなら、言っておいたほがいいと思うんだけど・・
主人公・深瀬のお酒の反応もかなりのもんだけど、
広沢の「アレ」に対する反応は命にかかわるわけで・・

「良かれと思ったことが・・」ってことは、
人間生きてりゃ誰しも一度や二度は経験してると思う。
しかし、これは結構キツイよね・・・
しかもさ、一度失いかけた関係が元に戻りそうと思ってたときに
発覚しちゃうわけだから・・

でもさ、怖いのがさ・・・
これ、誰にも言わなけりゃ、わからない・・・ってことなんだよね。
今更証拠は出てこないわけで・・・
黙って、これから普通に関係を続けていくことも可能なわけよ・・
ひゃーっ!!
いや、無理だわ・・・
自白しないにしろ、もう付き合ってはいられないな・・・
今更告白されても、親もどうしたらいいかわからんし・・・
ちゃんと言ってなかった広沢にも非がある気もするし・・

でもさ、完全事故死と見なされて、解剖とかしなかったんだね。
ま、してれば、アレルギー反応の有無と同時に、
飲酒の事実も明らかになっちゃうわけで・・・
ここですべてが明らかになってれば、
こんなことにはならんかったかもしれんけどね・・・

なんか、後味悪いイヤミスとは違う、
グサッ!とくるお話でしたね。
いやぁ・・・・参った。




 
   
ユートピア




2015/11/30 読了






集英社

内容(「BOOK」データベースより)
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤により社宅住まいをしている妻・光稀。そして移住してきた陶芸家・すみれ。美しい海辺の町で、三人の女性が出会う。自分の居場所を求めて、それぞれの理想郷を探すが―。


 

湊さんの新作は、
読んでみると、「あぁ・・・あるある・・・」って思わせるものでした。
善意って、悪意が潜んでること、あるもんね。
悪意とまでは言わなくても、そこに損得勘定が入ってきたり、
自分を良く見せるための材料として使ってみたり・・・
ホントの善意って、ホントにあるのかね・・・?って
ちょっと歪んだ気持ちになっちゃうお話でもありました・・。(汗)

事故で車椅子生活を送る娘を持つ菜々子。
しっかりものの娘を持つ光稀。
芸術家としてこの田舎町で暮らすことを決めた、すみれ。
この三人がメインでお話は動いていくんだけど・・・・

確かに、菜々子は娘・久美香の事故について多くは語らない。
この街に住む者なら、語らずとも知ってるでしょ・・?っていう設定。
で、この久美香のためのボランティア基金をすみれが立ち上げたことで、
いろんな思いが街中で蠢きだす・・・っていうことよね。



ネタバレですな。



まぁ、確かに「心因性のもの」とは言ってないよ。
だけど、心因性のものであろうと、病で歩けないことに変わりはないわけで、
そこを「詐欺!」とか言われるのは違うな・・・って思いつつ読んでたら、
そこを指摘してくれる人が現れて良かった・・・
でも、このボランティア活動に参加してるそれぞれが、
それぞれに純粋な想いではないわけで・・

そこに、この街で数年前に起こった殺人事件が絡んできて、
えぇ〜?どうなっちゃうの!!ってことだったんだけど・・・

あの人・・・行方不明・・・ってことでいいんですか?
なんか、スッキリしないんですけど・・・?
また舞い戻って脅迫してくるかもしれんやん?
いいのかね、そこは・・・?

最後は、子どもたちの想いが見えてきたんだけど・・・
子供の純粋なる歪んだ思いは、始末におえんな・・・(汗)
そこに付け込む大人もアカンけど・・・。
後々、自分がしたことが大きく影響してきそうだけど・・・
ま、海外暮らしで忘れるかな?

実は「歩けた」久美香も、
言いだせない環境を作った親にも責任があるわけで、
ま、「歩けた」ってことは喜ばしい事実だから、
結果的には良かったのかなぁ・・・?

女とか、小さな町のコミュニティとか、芸術家たちとか、
なんだか面倒くさそうな集まりがてんこ盛りの作品でした・・・(笑)




 
   
ポイズンドーター・
ホーリーマザー




2016/5/23 読了






光文社

内容(「BOOK」データベースより)
女優の藤吉弓香は、故郷で開催される同窓会の誘いを断った。母親に会いたくないのだ。中学生の頃から、自分を思うようにコントロールしようとする母親が原因の頭痛に悩まされてきた。同じ苦しみを抱えた親友からの説得もあって悩んだのだが…。そんな折、「毒親」をテーマにしたトーク番組への出演依頼が届く(「ポイズンドーター」)。呆然、驚愕、爽快、感動―さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!


 

新刊を買うときは、必ず気を付けろ!って
自分にいつも言い聞かせてるのに・・・

まず、書き下ろしか、雑誌掲載作品か、
文庫化の場合、タイトル変更されてないか、
などなど、巻末を見ればわかるんだから、
絶対に見て買うべし!って思ってたのに・・・

やっちまった。
見ずに買ってもーた。
で・・・家に帰って愕然。
この本、最終話を除いて、「宝石ザ・ミステリー」に掲載されたもの。
・・・私、ほぼほぼ毎回買ってるんで、
ほぼほぼ読んでましたからっ!!

くそーっ!!損こいたーっ!!
・・・でも、読んだけどね、一応全部。
でも、ほぼほぼ覚えてたよ、話。
あぁ・・・お金を返してほしい・・・
いや、見ずに買った自分が悪い・・・・(涙)


さて、ほぼ全編に言えることは・・・・
思い込みって怖いね・・・ってこと。
冒頭の「マイディアレスト」は完全い被害妄想っていうか、
自分が損してる、敗けてるって想いから自分で追い込んで行って、
最終的に「蚤取り」しちゃったっていう・・・
ふーっ・・・姉ちゃん、怖いっす。

「ベストフレンド」は、そうと見せかけて、そっちか!っていう。
きっとこの人だ!って思い込みで決めつけてたけど、
そっちからの悪意だったのか・・・っていうね。

「罪深き女」は、私っていい人でしょ?ね??っていう
押し付けつつの、隠れつつの思い込み・・・っていうかね。
受けた側としては、迷惑でしかなかったのに・・・
ほんと、最後の一文に尽きるよ。
出会わなければ良かったんだ・・・

「優しい人」は、母の押し付けを元に生きてきた女性の
罪深い結末・・ってことかな?
いるよね、こういう人。
すごく人当たりが良くて優しくて、勘違いさせちゃう人。
勘違いしちゃうのもどうかとは思うけど・・・
結果、自分が追い込まれちゃったっていう・・・

「ボイズンドーター」は、完全に思い込みよ。
この母のせいで!この母がこんなだから!!
・・・でも、人が見たらそんなことはなくて、
過度の心配や干渉は、受ける側には悪意として伝わるんだねぇ・・
いやはや、母子ってのは難しいもんです。
でもさ、だからって公共の場で母を毒母として公表するなんて・・
自分は楽になったかもしれんけど、あまりにひどかったなぁ・・・

最後の「ホーリーマザー」は、↑の母のことが描かれていて、
他人が見ると「いい母親だったと思うよ」っていう話で。
まぁ、↑の女性がそもそも思い込みの激しい人で、
母だけでなく、他の人にも同じような感じだったみたいね・・
母だけでなく、友も去って行く・・ってわけだ。

どれもこれも後味悪く、
かといって「他人事!」と割り切れる話でもなく、
じんわりと怖さを感じるお話です。
ぜきれば初見で通して読みたかったわ・・・(涙)
こんなことになるなら、もう「宝石ザ・ミステリー」は買わないことにしよう・・
そんな風に思った私でした。(笑)