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 宮部みゆき 

下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
リンクしていないモノは、おいおい感想を記載していきます。
ほとんど読んでるんですけどね・・・実は・・・。(汗)

ソロモンの偽証 第1部 ソロモンの偽証 第2部 ソロモンの偽証 第3部 桜ほうさら
ペテロの葬列 荒神 悲嘆の門 過ぎ去りし王国の城
希望荘 この世の春



   
ソロモンの偽証 第1部  事件





 


2012/9/5 読了





クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した十四歳。
その死は校舎に眠っていた悪意を揺り醒ました。
目撃者を名乗る匿名の告発状が、やがて主役に躍り出る。
新たな殺人計画、マスコミの過剰報道、そして犠牲者が一人、また一人。
気づけば中学校は死を賭けたゲームの盤上にあった。
死体は何を仕掛けたのか。真意を知っているのは誰!?



久しぶりの宮部さんの大作!
最近は時代物が多かったので、ちょっと寂しく思っておりました。
しかし・・・それにしても・・・
厚すぎ!(笑)
きっと、みんな躊躇する厚さだと思います。
それでも是非読んでみてほしい。
あっという間に引き込まれていきます。

あるクラスメイトの自殺。
普通なら簡単に処理されてしまうはずの死・・・
だけど、「イジメを受けていた・・?」という噂からはじまり、
学校でも問題児である少年が犯人では?という流れに・・
そして、それを裏付けるような告発状が出回り・・・
死は死を呼び、犠牲者がまたでてしまう・・・という流れ。

普通に「自殺」と扱われて仕方のない少年の死に、
まるで便乗するように動き始める人々・・
読み進めるうち、理解できる範疇を越えていってしまう部分も多々・・
だけど、若さゆえ・・・ってのもあるかもな・・なんて思ってたら、
立派な大人まで足を踏み外す始末・・・

一人の少年の死から広がる波紋の大きさに、
ある少女が「このまま何も知らないままでいいのか?」と疑問を持つ。
大人、教師は信用できない!
私たちは真実を知らねばならない!と立ち上がるわけですが・・・

いやぁ・・・親が刑事、優等生、美人で人気モノ・・・
そういうバックボーンがあるからこその勇気ですよね。(汗)
ふつうはそんな風に立ち上がれません。

さぁ、第1部は事件のあらまし、その後の流れを描き、
第2部が「決意」だそうです。
まだ先は長いぞーっ!
早く読みたいぞーっ!!


 
   
ソロモンの偽証 第2部  決意








2012/9/24 読了





期間はわずか15日。有志を集め証人を探せ!
14歳の夏をかけた決戦、カウントダウン!
もう大人たちに任せておけない――。



第2部は「決意」。
学校内裁判を開き、真実を明らかにする!という決意・・・
今作は、その準備を描いております。

優等生である涼子という少女は、
加害者とされる大出という少年の弁護を引き受けるはずが、
検察側を担当することに・・・
そして弁護を引き受けたのは、被害少年である柏木くんを少し知ってるという
他校の生徒・神原くん。

どうしてこの子が・・・?
それは読み進めればわかっていきます。
弁護側の助手となった健一くんが、もうちょっと違う性格の子なら、
早めに神原くんという少年が明らかになったのでは・・?と思うけど、
きっと、この裁判を開くことは、涼子たちだけでなく、
被害者家族、加害者たち、関係した人々にとって必要なことだと思うので、
最後まで明らかにしない・・っていうためにも、
引き延ばし・・・で正解だと思います。

きっと、神原くんがキーパーソンです。
カレは大出くんを弁護する立場で裁判に臨みつつも、
カレなりの思惑があると思います。
柏木くんの死の真相・・
そして、とても好きにはなれない三宅さんのウソ、
すべてが明らかにされるのでしょうか。
そして、裁判のあと、カレらは何を手にするのか・・

早く読みたいぞ!
待ちきれないぞ!!


 
   
ソロモンの偽証 第3部  法廷





 



2012/10/13 読了












2015/01/17 読了




内容(「BOOK」データベースより)
事件の封印が次々と解かれていく。私たちは真実に一歩ずつ近づいているはずだ。けれど、何かがおかしい。とんでもないところへ誘き寄せられているのではないか。もしかしたら、この裁判は最初から全て、仕組まれていた―?一方、陪審員たちの間では、ある人物への不信感が募っていた。そして、最終日。最後の証人を召喚した時、私たちの法廷の、骨組みそのものが瓦解した。




いよいよ最終部、「法廷」です。
この子たちの行く末を、じっくり見届けました・・・。

本当に法廷のようで・・・
次に何が起こるのか、アイツはどんな発言をするのか・・と
ドキドキしながら読み進めました。

でも、途中から、「カレ」についてはだいたい想像していたので・・
最後の証人喚問は、それほどの驚きはなかったです。
ただただ、この中学生たち、恐るべし・・・と思ったよ。(汗)
死んだ子も、裁判を開いた子たちも・・

1巻から2巻へと、気持ちは昂りまくり、
3巻は一気に読み終わりました。
感想を一言でいうと・・・
2巻が一番面白かったかなぁ・・・?って感じね。
だいたい予想してた通り・・・ってのもあるけどね・・・。

こんなに暑い夏を過ごしたこの生徒たち。
見たくないことから目をそらさず、
自分たちの手で、わからないままにしないでいた姿に、
大人として心を打たれました。
それは間違いない事実。

ただ問題は、この後・・ですよ。
それぞれ、このことをどう受け止めてこれからを生きていくか・・
ちょっと、遠い目をしつつ、本を閉じた私でございます・・・。



 短篇 「負の方程式」 

文庫化にあたって、最終巻「第V部 法廷 下巻」には
「負の方程式」という短編が収録されています。

このお話の主人公は・・・
なんと、「名もなき毒」などの杉村三郎なんです!!
ある学校で起こった「事件」を調べる探偵として登場します。

そう・・、「ペテロの葬列」で衝撃的な最後を迎えた杉村は、
早速「探偵」をして始動していたんですね!
そして、弁護士として登場するのが・・・藤野涼子なんです。

大きくなって・・・・と、なんかしみじみ。
そして、弁護士という職に就いてることも感慨深いわね。

ある学校で起こった「言った」「言わない」の事件。
どっちかがウソをついている・・・というもの。
この舞台が「中学生」ってのが・・・涼子を違う意味で動かすんだよね。
杉村らしいアプローチと、涼子らしい動きで、
この事件は最悪の結果を防ぐことになる・・・

短編だけど、いろんな味を楽しめる一作です。
どこを食べても美味しいプレートです!(笑)
もっと長い作品で二人の対決(?)を見たいな!
是非、書いてくださいね、宮部さん!!

そうそう、涼子は結婚して母になっています。
その相手は・・・
むふふ・・・♪
どんな風に今に至るのか・・・も、ぜひ聞いてみたいな!

読後もワクワクさせられる一篇です!
これを読むためだけにこの本を買っても損はないですよ!!(笑)




 
   
桜ほうさら





2013/3/6 読了





内容(「BOOK」データベースより)
父の汚名をそそぎたい。そんな思いを胸に秘めた笙之介は…。人生の切なさ、ほろ苦さ、人々の温かさが心に沁みる物語。




宮部さんの時代物って手を出したことがなかったんだけど、
今回、初めて手を出してみました・・・

ある小藩で、父が冤罪の末に自決、
次男の笙之介は江戸に出て、父を追い込むことになった
偽文書を作った人間を探すことにするんだけど・・・
その過程で、深川の人たちや、
体に痣のある少女との出会いなどを通して、
いろんな謎を解きつつ、成長していく・・・という話ね。

最終章で、父を追い込んだ人物が明らかになるんだけど・・・



ネタバレします。





お兄ちゃんだったねぇ・・
衝撃だったわ。(汗)
何とも後味の悪い話。
でも、何とか立ち直れそうよね・・・。
兄の行方はわからんし、
少女との仲も進展してるとはいえないので、
今後も続くシリーズになるのかな?

ただねぇ・・・笙之介に親切にしてくれた、
貸本屋さんが、いろいろ知ってたのに内緒にしてた・・・てのは、
ちょっと悲しかったかも・・・
早く教えてくれよぉ!って感じ。
人間不信に陥るわっ!!(汗)



 
   
ペテロの葬列




2013/12/24 読了





内容(「BOOK」データベースより)
今多コンツェルン会長室直属・グループ広報室に勤める杉村三郎はある日、拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。事件は3時間ほどであっけなく解決したかに見えたのだが―。しかし、そこからが本当の謎の始まりだった!事件の真の動機の裏側には、日本という国、そして人間の本質に潜む闇が隠されていた!あの杉村三郎が巻き込まれる最凶最悪の事件!?息もつけない緊迫感の中、物語は二転三転、そして驚愕のラストへ!『誰か』『名もなき毒』に続く杉村三郎シリーズ待望の第3弾。




ようやく読み終わった・・・
間に旅行を挟んだので、3日くらいかかったかな・・・?
私にしては、ちょっと時間がかかりすぎましたね・・。

序盤は面白かったんですよ。
ハイジャック事件に巻き込まれてるところはね・・


この後はネタバレしまーす!







だけど、結構速い段階で事件は収束・・・
あら?終わっちゃった・・・と拍子抜けしたものの、
「渡す」と言われていた「あるモノ」が
きっと今後送られてくるんだろう・・・と思いつつ読み進めると、
亡き私立探偵・北見さん絡みの事件に巻き込まれ・・・

どんだけ事件に好かれてんねん!って話っすよ。(汗)
マジで、好きで首を突っ込んでるとしか思えない!!
そりゃ家庭不和にもなるわね・・・(滝汗)

で・・・・、いろいろと首を突っ込みましたが、
全体的に言うと、詐欺事件のお話です。
詐欺を働く者、詐欺を指南する者、
詐欺に加担する者、詐欺にあってしまう者・・
それぞれのお話です。
読んでいて、まぁ・・・なんというか・・・暗い話なんですよねぇ・・・

それでも、最後には光が・・・てなれば読後感もよろしいのに、
なんと、妻・菜穂子が浮気をしていたという展開!!
杉村が事件にかまけてるうちに、父親の部下とできていたという・・
はぁ・・・・どっぷり疲れた。(汗)

で・・・離婚っすよ。
そして、会社も辞めた杉村三郎。
今後は・・・・・やっぱり北見さんを継いで探偵になるのでしょうか・・・?
合ってるとは思うけど・・

でもね、お金に困ってない生活で、家に帰れば家庭があって・・・っていう
肉体的にも精神的にも金銭的にも安定してるから
人のことをかまえたのかもしれないわけで・・・
いざ仕事にすると・・・そううまくも行かない気がするんだけどね・・・?

今後は「杉村三郎探偵物語」として続くのかな?
そして、このお話もドラマ化されるんでしょうか・・・?
こういう結末とわかって見るのは辛いなぁ・・・・(涙)



 
   
荒神




2014/12/17 読了








内容(「BOOK」データベースより)
時は元禄、東北の山間の仁谷村が一夜にして壊滅状態となる。隣り合う二藩の因縁、奇異な風土病を巡る騒動…不穏さをはらむこの土地に“怪物”は現れた。仁谷擁する香山藩では病みついた小姓・直弥や少年・蓑吉らが、香山と反目する永津野藩では専横な藩主側近の弾正や心優しきその妹・朱音らが山での凶事に巻き込まれていく。恐るべき怪物の正体とは?交錯する北の人々はそれぞれの力を結集し、“災い”に立ち向かう!




600ページ弱の巨編でして・・・・
ちょっと時間がかかっちゃいました。

というのも、序盤は、相対する2つの藩の話で、
ちょっとそこが長く感じてしまったことと、
登場人物が多くて、どっちがどっちの人・・・?みたいな、
ちょいとめんどくさい感じだったんですよね。

しかも、「得体のしれない何か」がいるのはわかってるんだけど、
それがなかなか見えてこなくて、
中盤までは時間がかかりました。

だけど、その「何か」が見えてきて、
それと対峙しはじめてからは、もう、一気に読んじゃいました。
「何か」を倒すための方法や、
そこに居る人の「因縁」が明らかになっていって、
最後は泣けてしまいました・・・。

自分の不幸な身の上だけでなく、
その「生まれた意味」ってものをわずかな時間で受け止めて・・・
「えらい」って言葉で片付けちゃいかんです。(涙)

命がけで守ってくれた「あの人」の香りが、
山を包んでいる・・・・っていう終わり方で、
救われたような、守られてるような・・
温かい気持ちになれて、良かったです・・・。

新聞連載だった今作は、挿絵が折々で描かれていたようで、
そんな挿絵の本も発売されてます。

画で見たほうがわかりやすいと思うので、
ちょっと読んでみたいですね。




 
   
悲嘆の門






2015/2/15 読了






毎日新聞社


内容(「BOOK」データベースより)
ネットに溢れる殺人者の噂を追う大学一年生・孝太郎。“動くガーゴイル像”の謎に憑かれる元刑事・都築。人の心に渇望が満ちる時、姿を現すものは?宮部みゆきの物語世界、さらなる高みへ!




「英雄の書」とつながりのある作品だと知らず、
発売されてまもなく意気揚々と新刊を上下巻揃って購入した私。

・・・「英雄の書」、リタイアしてますから・・・(汗)
どうにも、あのファンタジーに入り込めなくて、
途中で読むのをやめてしまったんですよ・・
なので・・・
となると・・・
これも読めないかもな・・・と思いつつ、
ちょこっとだけ読んでみるか・・・と思い意を決して土日で読むことに。

入り口は、ちゃんとした現実の事件が起こっていて、
サイバーパトロールのバイトをしている主人公・三島くんと、
後に相棒となる元刑事の都築さんが出てきて、
それぞれに不可解な事件や現象を調べていくわけですが・・・

ま、ビルの屋上にある「像」が動く・・ってんだから、
いよいよ怪しい雰囲気になってきて、
こりゃリタイアか・・・となるかと思ったけど、
すんなりとそっちの世界にも入っていけましたよ。

「英雄の書」の主人公であるユーリが出てきたり
「英雄の書」での物語も関わってくるんだけど、
「英雄の書」を読んでなくても理解できます。

人間の「悪意」を食っていく怪物。
大切な人を失って怪物と同調し、魅入られていく三島くん・・
最後はバッドエンディングかと思ったけど、
反則技の「巻き戻し」が起こって、(笑)
見事ハッピーエンドとなりました・・・
良かった・・・

ファンタジーなので読みにくいと避けられがちかもしれないけど、
このお話は「人間の業」を現世界・異世界を通じて
宮部さんが見事に描き切っていると思います。
三島くんの心情、流されていく過程、
私は理解できてしまったから。
その左目を私も持ってしまったら、
きっと同じように使ってしまうと思うから。

そして、怪物・ガラの「心」も・・・
「取り戻したい大切な人」のため、
犠牲にしてしまうものへの「心」もちゃんと伝わってきました。
闇の象徴で心なんてないと言いながら、
その行動の根源は「愛」だもの、「心」だもの・・・

いろんなことを見てきた三島くんが、
この経験を無駄にせずに生きて行ってほしいと思います。




 
   
過ぎ去りし王国の城




2015/5/25 読了






角川書店


居場所なんか、どこにもなかった――
気まぐれな悪意と暴力、蔑みと無関心が、いたいけな魂を凍りつかせる。 ネグレクト、スクールカースト、孤独や失意・・・・・・ふるえる心が共振するとき、かつて誰も見たことのない世界が立ち現れる――。
早々に進学先も決まった中学三年の二月、ひょんなことから中世ヨーロッパの古城のデッサンを拾った尾垣真。やがて絵の中にアバター(分身)を描きこむことで、自分もその世界に入りこめることを突き止める。友だちの少ない真は、 同じくハブられ女子で美術部員の珠美にアバターを依頼、ともに冒険するうち、探索仲間のパクさんと出会い、塔の中にひとりの少女が閉じ込められていることを発見する。それが十年前のとある失踪事件に関連していることを知った三人は……。




宮部さん・・・・
最近、こういうファンタジーな話が多いよなぁ・・・
普通のミステリー、読みたいんすけど・・・(汗)

ある絵に出会った主人公が、触れてみると絵の中に入り込んだ気がした・・・
入れるのか?どうやったら・・・?
同級生の女子とともに試行錯誤し、中に入ってみると・・・
という話なんだけど・・・。

絵の中に入ってからの冒険ファンタジー・・ってわけではない。
その絵の中にある人を見つけ、出会い、真相を探り、
自分たちの手で何とかしようとしていくんだけど・・・

現実逃避、人生を変えたいと思う気持ち、救いたいという気持ち・・・
いろいろと重なって、最終的な行動に出るんだけど・・・

なんかさ、とっても都合よくできてる気がしてしまうのよね。
物を書き込んでみたら、ちゃんと使えた・・・とか、
絵の中のことは持ち帰れないはずなのに、
最後はインクが残って戻ってきたり・・・とか。
ま、その絵そのものが「人の手によるもの」とすると、
都合よく動くのも道理なのかもしれんけど・・
なんかねぇ・・・

あと、パラレルワールド的な話は苦手なんすよ。
このことが起こってなかったとしたときの、別の世界・・とか、
もう、そんなん言いだしたら、どこに戻るんさ?って感じだし。
そういう展開になってきてから、
サササー・・・と冷めていく自分がおりました。(汗)

最終的に、変われたのか、救えたのか・・・
それは読んでのお楽しみなんですけど・・・
ま、そんなこんなじゃなく、現実の人とのつながりがとっても大事なんでは・・・?って
あたしゃ思いましたよ。
結局、絵の中に入って、戻ってくるっていう大事な部分を、
このことを通して知り合った仲間に託せるくらいの絆が出来たわけですからね。

一皮むけて、強くなって、前に向かって進んで・・・
その先に、みんなが幸せになれるといいな・・・とは思いますが、
じゃ、この絵に中に入って
救えなかった場合の別世界も存在するよね・・・とか考えると、
やっぱ興醒めしちゃう私・・・。(笑)




 
   
希望荘




2016/6/24 読了






小学館

探偵・杉村三郎シリーズ、待望の第4弾!
その部屋には、絶望が住んでいた――。
宮部ファン待望の14か月ぶりの現代ミステリー。特に人気の「杉村三郎シリーズ」の第4弾です。
本作品は、前作『ペテロの葬列』で、妻の不倫が原因で離婚をし、義父が経営する今多コンツェルンの仕事をも失った杉村三郎の「その後」を描きます。
失意の杉村は私立探偵としていく決意をし、探偵事務所を開業。ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。依頼人の相沢幸司によれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで30年の空白があった。果たして、武藤は人殺しだったのか。35年前の殺人事件の関係者を調べていくと、昨年に起きた女性殺人事件を解決するカギが……!?(表題作「希望荘」)
表題作の他に、「聖域」「砂男」「二重身(ドッペルゲンガー)」の4編を収録。




杉村三郎シリーズ、第4弾。
いきなり、探偵事務所を開いて仕事してる杉村の姿からはじまります。
え?あのあと、どうなってこういうことに・・・?と、
読者を置いてけぼりにして、話は進んでいくんですが・・・
ご安心を、後に、その説明はちゃんとなされますので。(笑)

仕事を辞め、離婚し、一人になって・・・
実家に戻ったりしたものの、やっぱり「何か」を引き寄せるタイプのようで・・
「何か」もそうだけど、そういう体質の杉村を放っておかない人がいるわけで・・
何やかんやで、探偵事務所を開くことになったわけです。

経営が順調かと言われると、全然まだまだ・・・だけど、
ほんと、この人は事件にも人にも恵まれてまして・・・(笑)
周りの人が好い人で、ある意味幸せもんです。

小さな個人経営の探偵だから、
そんなに大きな事件の話はやってこず、
近隣の小さな疑問とか、亡き人物の過去の調査とか、
そんな案件が続きましたね。

こりゃ、人の生き死にとはあんまり関わらない話になりそうだ・・・
なんて油断してると、そうでもないという・・・
なかなか上手い構成でした。

新たな出会いもいくつかあって、
こうやって人脈も広がって、いつか、この土地の頼れる探偵に
なっていくんでしょうね。
娘ちゃんは描かれてますけど
元妻の今は、ぼかされていて・・・
すごい嫌な気持ちが未だに残ってるので、
元サヤとか、そういう展開にはならないでほしいって思っちゃいます。
お人よしの杉村は、あの女に泣きつかれたら
ホロホロ・・・・って流されちゃいそうだしね・・・(汗)

今後も続くだろう杉村シリーズ。
今作は短編なので読みやすかったです。
次作は長編・・・になるかなぁ・・・?
気長に待ってまーす!




 
   
この世の春






2017/9/10 読了





新潮社

内容(「BOOK」データベースより)
憑きものが、亡者が、そこかしこで声をあげる。青年は恐怖の果てに、ひとりの少年をつくった…。史上最も不幸で孤独な、ヒーローの誕生。




久しぶりの宮部さんの超大作!
単行本の上下巻は、結構気合を入れないと読み出せないんだけど・・・
この作品は、すぐに物語の世界に引き込まれてしまいました・・・
あっという間の上下巻読破・・・・
もったいない・・っていうか、もっとこの世界にいたかった・・って思っちゃった。

設定は時代劇。
だけど、難しいことはありません。
文体もとても読みやすい。
錯乱した藩主を押し込める館の世話をすることになった女性・・
この藩主に一体何が起こってるのか・・・ということを見出し、
関わ人物の総力をかけて挑む!っていう話です。

現代ではよく聞く病名です。
でも、この当時では周りの人は混乱しただろうなぁ・・・
何かに憑りつかれてるの・・・・ってね。
しかも何人にも・・・?ていう。

でも、この藩主へのアプローチをいろんな立場の人が
試行錯誤しながら、もしかして、こうなのでは・・・?って気づきながら、
そこに仕組まれた悪との戦いもあったりして、
いやぁ・・・ほんと、最後まで一気読みです!

本当に面白かった・・
装丁も素敵で、上巻は背を向けてる二人が、
下巻では向き合って見つめ合ってる・・・っていう・・・
なんとも幸せな気分になる装丁でございました・・・。

デビュー30周年の記念の作品だそうで。
30年も物語を紡いでらした宮部さんに、本当に感心しつつ、
感謝申し上げたい。
ほとんどの作品を読ませてもらってます。
今後も体に気をつけて、頑張ってください!!
ずっとついていきます!