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 宮下奈都 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

誰かが足りない ふたつのしるし たった、それだけ 羊と鋼の森
静かな雨





   
誰かが足りない




2014/2/22 読了





内容(「BOOK」データベースより)
足りないことを哀しまないで、足りないことで充たされてみる。注目の「心の掬い手」が、しなやかに紡ぐ渾身作。偶然、同じ時間に人気レストランの客となった人々の、来店に至るまでのエピソードと前向きの決心。




「誰かが足りない」・・・なんて言うからさ、
勝手に「ミステリー」だと思って読み始めたのに・・・
心温まるホッコリ系じゃないかっ!!(笑)
ま、いいんだけどね・・・・
勝手に思い込んだのは、私だからねぇ・・・

まぁ・・・いちいち「誰かが足りない」っていうところに
無理矢理結び付けてる感じがしなくもないけど・・・

それぞれにあまり幸せではない人たちが描かれており、
それぞれが「ハライ」というレストランに予約する・・というところで
終わります。
全部、予約した日は一緒なので、
最後はみんな、同じ日にレストランに集います。
「誰かが足りない」ままの人、
「足りない誰か」と一緒に来る人・・
それぞれですが、
静かに、温かいお話の詰まった作品でございました。




 
   
ふたつのしるし




2014/11/20 読了





内容(「BOOK」データベースより)
「勉強ができて何が悪い。生まれつき頭がよくて何が悪い」そう思いながらも、目立たぬよう眠鏡をかけ、つくり笑いで中学生活をやり過ごそうとする遙名。高校に行けば、東京の大学に入れば、社会に出れば、きっと―。「まだ、まだだ」と居心地悪く日々を過ごす遙名は、“あの日”ひとりの青年と出会い…。息をひそめるように過ごす“優等生”遙名と周囲を困らせてばかりの“落ちこぼれ”ハル。「しるし」を見つけたふたりの希望の物語。




少年・ハルと、少女・ハルのお話。
育った場所も、年齢も違う二人が
長い年月を経て、出会い、結ばれるお話・・・

始まりは、「厄介な子」として扱われる少年ハルと、
「優等生」の少女・ハルが描かれていきます。
どちらも「普通」という枠に縛られて、苦しい生き方をしている。

そんな中でも、二人はそれぞれに
自分らしさ=「しるし」を見つける・・・
そして、その先に、「愛する人」を見つけた・・・・
ほんと、良かったね・・・って思っちゃったよ。
たぶん、普通に考えると、出会わない二人だよね。(笑)
きっと、傍から見たら、「なんでこの二人が?」って感じだと思う。
だけど、それは二人にしかわからないんだ・・・

そして生まれた「しるし」。
ほんと、ふたりのしるし・・・だ。

個人的には、少年ハルとずっと友達でいてくれた子に
とっても感動した。
ハルの「しるし」にいち早く気づいてくれて、
ずっとそばで見守ってくれてたんだもん・・・
この人の功績はデカイ!!(笑)




 
   
たった、それだけ




2014/12/21 読了





内容(「BOOK」データベースより)
贈賄の罪が明るみに出る前に失踪した男と、その妻、姉、娘、浮気相手。考え抜いたそれぞれの胸の内からこぼれでた“たった、それだけ”のこと。本屋大賞ノミネート作『誰かが足りない』の感動ふたたび。人の弱さを見つめ、強さを信じる、著者の新たなる傑作!




「たった、それだけ」・・
この本のタイトルは、頷けるものでした。
人は誰しも、後悔をするもの。
「あのとき、たったそれだけのことを、どうしてできなかったのか・・」
もう、後悔したくない。
だから、一歩踏み出した女性のお話から始まります。

でも、その「たった、それだけ」の行為が、
たくさんの人を巻き込み、苦しめていった・・・
そんな連作短編集。

罪から逃げた人、残された人たち・・・・
みんな、大きな渦に巻き込まれて、
だけど、それでも生きていく姿・・・
痛々しいんだけど、最後には光が見えてきて・・

ちょっとホッとした結末でした。
父と娘は再会できるでしょう・・・
ずっと、ひたすら待った妻は、どうなるんだろう・・・
「待つ」ことで生きてきた人だもん。
それが終わった時、どんなふうになるのか・・・とても心配。(涙)

逃げた人も、逃げてる間きっと心休まる時はなかっただろうけど、
いろんな人を苦しめた償いはすべきではないかと思います。

そう考えると・・・
「もう後悔したくないから・・」って思いで告発したカノジョって・・・
すごく自分勝手な人だな・・・って気もするね・・・(汗)




 
   
羊と鋼の森




2016/1/19 読了






文芸春秋

内容(「BOOK」データベースより)
ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。




王様のブランチでも好評で、直木賞にもノミネートされて・・
早めに図書館に予約したのに、
手元に届いたのが今ですよ・・・・長かった・・・。

この外村くんは幸せだと思う。
こんなにも体の内側から自らを震わせるモノに出会えたんだから・・・。
高校時代の、小さなキッカケで出会ったピアノの調律。
そのときの調律師さんが凄腕だったのも幸運だったよね。
ま、この人でなければ目覚めてなかっただろうけど。

自分では、あんまり自分の意思もなく、
周りの人にもあんまり気に留めてもらえず、
ひそやかに生きてきた・・・って思ってる外村だけど、
周りから見るとそうでもなかったみたいだし、
この道に入ってからの成長の姿は微笑ましかったですね。
ちょっと感じの悪い先輩もいたけど、
悪い人ではなくて、結果的に外村の成長を促してくれてて・・・

本当に幸せな人です。
「この人のピアノのささえたい」って思うピアノ弾きにも出会えてたし。
これからたくさんのピアノを調律していく中で、
さらに成長していくでしょう。
憧れた調律師さんみたいになれるかもしれないね。
驕らず、真摯に仕事を続けていってほしいです。

素敵なお話でしたね。
ピアノの中に羊がいる・・・なんて、
それだけで何だかピアノが愛おしく感じる。(笑)
せっかく神様がくださった「言葉」を持つのだから、
素敵なことやモノに出会えたら、素敵に表現したいもんですね。
・・・難しいけど。(笑)




 
   
静かな雨




2016/12/25 読了






文芸春秋

内容(「BOOK」データベースより)
忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない。新しい記憶を留めておけないこよみと、彼女の存在がすべてだった行助。『羊と鋼の森』と対をなす、著者の原点にして本屋大賞受賞第一作。




100ページちょっとの、短編のような作品。
これを一冊の本として出すところが・・・
文藝春秋らしい。(笑)

先天的に足が不自由な青年が、
たこ焼き屋さんの女性に恋をした・・
その女性はある日事故で頭部に外傷を負い、
記憶が一日しかとどめておけなくなってしまう・・・そういう話です。

記憶が・・っていう設定は、どうしても「掟上今日子さん」を
思い出してしまうため、
今日子さんみたいに、この状況を受け入れて、
生きていく手段を自ら見つけ出していかないと・・・って
勝手に他人事ながら諭したくなってしまった。(笑)

でもさ、「掟上今日子シリーズ」の厄介くんみたいに、
「記憶を保持できなくなってから出会った」のではなく、
彼女がとどめておける「過去の記憶」に自分はいるわけで、
新しい一日が彼女に訪れても、
あなたのことはちゃんと記憶してくれてるわけだから、
そこは幸せなほうなんじゃないのか・・・?って思ったよ。
厄介くんなんて、毎回「はじめまして」って言われるんだから・・・。

新しい想い出を作っていけない切ない関係だけど、
大切な時間を大切にはぐくんでいって、
あなたの記憶にとどめておいてあげたらいいんじゃないかな?
そうやって寄り添って生きていけたら・・
お互いに欠けてる部分を補いながら・・・ね。
そんな風に想うよ、おばちゃんは。