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 中脇初枝 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

きみはいい子 わたしをみつけて みなそこ 世界の果てのこどもたち





   
きみはいい子



2014/4/15 読了





内容(「BOOK」データベースより)
17時まで帰ってくるなと言われ校庭で待つ児童と彼を見つめる新任教師の物語をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友など、同じ町、同じ雨の日の午後を描く五篇からなる連作短篇集。家族が抱える傷とそこに射すたしかな光を描き出す心を揺さぶる物語。




辛い場面も多々ありましたが・・・
誰かに大切にされることって、本当に大事ってことがわかりました。

幼いころの経験、記憶は、やはり成長に影響する・・ってことで、
親に、友達に、家族に辛いことをされたとしても、
まわりの誰かがちゃんと見てくれて、
あなたは大切な人、きみはいい子なんだ・・って示してくれることが
どれほど有難いことか・・・ってことだよね。

私は有難いことに、大切に育ててもらったおかげで、
幼いころの辛い記憶はありません。
虐待を受けて育ったからといって、
我が子に虐待するとは必ずしも言えないということ。
そうであってほしいと、思える作品でした。

一つの街で、いろんな辛い目にあってる人が出てきます。
それぞれが大きく関わってるわけではないけど、
一つの街で、少なからず影響しあったり、
関わったりしているかもしれない・・って感じでしょうか。

私の住む町でも、見えないだけで、
苦しんでる人たちがたくさんいるのかもしれない。
そんな人たちのそばに、誰かが寄り添ってくれてるといいな・・




 
   
わたしをみつけて




2014/8/2 読了





内容(「BOOK」データベースより)
施設で育ち、今は准看護師として働く弥生は、問題がある医師にも異議は唱えない。なぜならやっと得た居場所を失いたくないから―。『きみはいい子』で光をあてた家族の問題に加え、今作では医療現場の問題にも鋭く切り込んでいく。新境地となる書き下ろし長編。




三月に、産婦人科のまえに捨てられていた「弥生」。
自分は「捨てられていたんだ・・・」ってことをずっと心に持ち、
准看護師となった今も、人に嫌われるのを恐れ、
自分の居場所を失いたくないと必死に生きていたのよね。

そんな弥生がある出会いをして、変わっていくお話。

人間は、無いものねだりなんだよね。
自分にないものを、欲しがって、
自分が持ってるものを有難いとは思えないんだ。
捨てられたから・・・とネガティブに生きていた弥生だけど、
拾ってくれた人がいて、ちゃんと育ててくれた人がいて、
今まで生きてきた・・・ってこと、見えてないんだよね。

捨てられていたからといって、必要とされない人生ではないってこと。
自分でちゃんと居場所を作れるってこと。
命にちゃんと向き合うこと・・
新しい看護師長さんとの出会いで、弥生が変わっていく様子は、
気持ちが良かったです。

そして、「悪役」として描かれているこの病院・・・
ほんと、勘弁してくれ・・・って感じ。(汗)
こんな病院にはあたりたくないな・・・・と思っちゃったわよ。

中脇さんの本は、とても読みやすく、1〜2時間で読めちゃいますが、
かといって軽いわけではなく、
ちゃんと心を動かしてくれる本です。
もっともっと読んでいきたい作家さんですな。




 
   
みなそこ




2014/12/10 読了





内容(「BOOK」データベースより)
あたしたちは繋がったまま、橋から飛びおりた。彼と触れあうことは、きっともう、二度とない―。考えもしなかった相手に心を奪われ、あの腕に、あたしはからめとられた。水のきらめき。くもの巣。お旋餓鬼の太鼓。夜のピアノ。台風の日のかくれんぼ。誰もかれもがしてきたこと。何万年もくりかえしてきたこと。読者の想像を裏切る衝撃恋愛小説!




なんか・・・・気持ち悪い・・・話でした。

親友の、しかも、お腹にいるときから知ってる子と、
相手は13歳だってのに、そういう変な感じになっていって・・・
読みながら、イヤな気持ちが最後まで拭えなかった。

小さいころから期待され、
その期待に応えられず、
それを今でも引きずってて、
だけど、世間一般でいうところの「幸せな家庭」を手に入れてるのに、
なんか虚無感を感じつつ・・・という主人公。

贅沢だよ。
実家もあって、両親も健在で、
マイホームパパの旦那と、可愛い娘・・・
生活に困窮もしてなくて、もう、満たされてるやん!!
・・・だからか。
そんな幸せなぬるま湯につかってるのがつまんないのか?

親友の気持ちを考えてみろっつの。
夫と別れ、幼い子を二人女手一つで育て、
すっかり中年太りしちゃったってのに、
親友が息子にちょっかい出してるのよ?(出してはないけど)
最悪やーっ!!

中学生の男子といえばさ、そういう「女」っていう存在に対して
多感な時期でしょうさ。
その中学生の青い気持ちに、オバサンが乗るなってのよ。
読んでるとさ、オバハンのほうが挑発してるように感じるわけよ。
もぉ・・・・ほんと、気持ち悪くて。

このお話の深い部分を読み取るとこまで入り込めなかった。
途中でやめちゃおうかと思ったけど、
オチを知りたくて最後まで頑張った。
けど・・・「ひと夏の想い出」・・・的な?
「あの子にとっても、自分にとっても・・・」みたいな?
なんだかなー!

あと、高知の方言・・・ですかね。
読みづらくてたまりませんでした。(汗)

これまで読んだ作品は好きだったけど、
これは正直好きになれません。




 
   
世界の果てのこどもたち




2016/2/18 読了






講談社

内容(「BOOK」データベースより)
戦時中、高知県から親に連れられて満洲にやってきた珠子。言葉も通じない場所での新しい生活に馴染んでいく中、彼女は朝鮮人の美子と、恵まれた家庭で育った茉莉と出会う。お互いが何人なのかも知らなかった幼い三人は、あることをきっかけに友情で結ばれる。しかし終戦が訪れ、運命は三人を引きはなす。戦後の日本と中国で、三人は別々の人生を歩むことになった。戦時中の満洲で出会った、三人の物語。




このタイトルだと・・・一体どんな話なんだろう・・・?って思って
読みはじめました。

戦争を扱ったお話です。
だけど、若い人にも読みやすく綴られています。
是非、読んでもらいたい一作です。

高知から満州に行った珠子。
朝鮮人である美子も満州へ・・・
横浜で裕福に暮らしていた茉莉は、父にくっついて旅行気分で満州へ・・・
そこで三人は出逢います。
ふとした出来事から窮地に陥る三人。
そのときの思い出が、ずっとずっと、三人の心の中に残ります。
この出来事が、三人を支えた・・・と言ってもいいくらい。

戦況が悪化し、満州から追われていく珠子たち。
朝鮮人でありながら日本で生きることになった美子。
裕福な家庭も空襲で焼かれて命からがら逃げだした茉莉・・
それぞれのあまりにも過酷な運命に、引き込まれて行きます。

生きるということ、
どんなに辛くても苦しくても、人から受けた優しさの大きさ、
たくさんのことを考えさせられます。

特に珠子の運命が過酷で、読んでて辛かった・・・
だけど、こんなにも強く逞しく生きてこられた三人が
優しい想い出で再会できて・・・
本当によかった・・・・

戦争が終わっても悲劇は続く・・・ということ、
もう二度とこんなことはしてはいけないってことを、
この三人の生き様に改めて学びました。
オススメの一作です。