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 中山可穂 

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ゼロ・アワー





   
ゼロ・アワー




2017/4/12 読了





朝日新聞出版

内容(「BOOK」データベースより)
殺し屋に家族全員を殺され、ただ一人生き残った少女は復讐を誓う。その男にたどり着く手がかりはタンゴとシェイクスピア。東京とブエノスアイレスを舞台に、“ロミオ”と“ハムレット”の壮絶な闘いが幕を開ける。アルゼンチン軍事政権時代の暗黒の歴史を絡めた復讐劇はどこへ向かうのか?タンゴのリズムに乗せて破滅へとひた走る狂気のような疾走感、切なく痛ましい殺し屋としての宿命。美しく、激しく、圧倒的な切なさが胸を撃つ、著者新境地のノワール長篇。 !




お初の作家さんで、しかもタンゴにのせたノワール小説・・・
という、なんとも取っ付きづらい触れこみで・・(笑)
でも、せっかく借りたし読んでみようと思ったら・・・

もう、冒頭の「一家殺人」のシーンから引き込まれます!
タンゴを踊ってる夫婦を躊躇なく射殺する殺し屋、
意に添わぬも男児を手にかけ、残る女児を探すも合宿中で不在、
自分をひっかいた猫の爪に皮膚片が?と気になり
猫を何とかしようと苦労・・・
そんな一連の流れが、もう見事に描かれてるんです。
そりゃひどい話ですよ。
でも、殺し屋目線の文章が、すんなり入ってくるです。
憎めない、人間らしさを感じてしまったわけですわ。

そして、残された少女と、その祖父との暮らし、
祖父の過去、復讐への道のり、
そして、最後に訪れる、復讐相手の殺し屋との対決・・・

最後まで、流れる音楽のようにサラサラと読めてしまいます。
分厚く感じるけど、300ページちょっと。
一気に読めちゃう一作ですね。
個人的には、とても好きな作品となりました。