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 中山七里 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
リンクしていないモノは、おいおい感想載していきます。

page.1  
さよならドビュッシー 連続殺人鬼カエル男 要介護探偵の事件簿 贖罪の奏鳴曲
静おばあちゃんにおまかせ 魔女は甦る ヒートアップ 切り裂きジャックの告白
七色の毒 追憶の夜想曲 アポロンの嘲笑 テミスの剣
月光のスティグマ 嗤う淑女 ヒポクラテスの誓い 総理にされた男

 page.2  
闘う君の唄を ハーメルンの誘拐魔 恩讐の鎮魂曲 作家刑事毒島
ヒポクラテスの憂鬱 セイレーンの懺悔 翼がなくても 秋山善吉工務店
ドクター・デスの遺産 ネメシスの使者 逃亡刑事 護られなかった者たちへ
悪徳の輪舞曲 連続カエル男ふたたび





   
さよならドビュッシー




2013/9/22 読了





「最後にどんでん返しがあってね、面白かったです。思わず買っちゃいましたからね、クラシックのCDを。」<「ダ・ヴィンチ」9月号>と妻夫木聡さんも絶賛した音楽ミステリー。
祖父と従姉妹とともに火事に遭い、全身大火傷の大怪我を負いながらも、ピアニストになることを誓う遥。コンクール優勝を目指して猛レッスンに励むが、不吉な出来事が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生する……。ドビュッシーの調べも美しい、第8回『このミス』大賞大賞受賞作。




音楽はそれほど知識はなく、
ピアニストを目指す少女の話・・・であるし、
タイトルに作曲家の名前が入ってるし、
これは楽しめるかなぁ・・?と不安ながらも読んでみました。

うむ、そんな心配、する必要はなかった。
確かに、ピアノや音楽に関する描写は、正直よくわからんけど、
それよりも、事件のことのほうが面白くて読めちゃいます。

そして最後は・・・
結構気を抜いて読んでたんだな、私・・・と反省するほど、
えっ!!って驚いてしまった。
なんと・・・かなり早い段階で騙されていたんだわ、私・・・。(汗)
最後まで全然疑ってなかったので、
ビックリしちゃったと同時に・・・
はぁ・・・それであの人は死んでしまったのか・・・と思うと、
うーん・・・苦しくなっちゃいました・・・

でも、面白かったですよ。
いい作家さんを見つけたな!って感じです♪


 
   
連続殺人鬼カエル男




2013/9/26 読了





内容(「BOOK」データベースより)
口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。




表紙が・・・・可愛いですやん?
でも、タイトルは怖いですやん
でも、表紙が可愛いから・・・ちょっと気を抜いて読み始めると・・・
痛い目を見るぞ!(笑)
猟奇的な殺人の描写が続きますからぁ・・・。(汗)

そして、どんでん返し、どんでん返し・・・で、
気の休まるヒマ、無し!(笑)
終わったかな・・・と思うと、終わってなくて、
はぁ・・・・もう疲れたよ・・・って感じ?(笑)

だけど、これは一気読みをオススメしたい。
一気に読んで、そうきたか・・・って思ってほしい。
これがデビュー作「さよならドビュッシー」とともに同時に応募したという
作品らしいけど、毛色の違う2作品、どちらもいい出来で、
いやぁ・・・すごい新人さんだ!って思っちゃいました。



 
   
要介護探偵の事件簿



2013/10/13 読了






内容(「BOOK」データベースより)
『さよならドビュッシー』の玄太郎おじいちゃんが主人公になって大活躍!脳梗塞で倒れ、「要介護」認定を受けたあとも車椅子で精力的に会社を切り盛りする玄太郎。ある日、彼の手掛けた物件から、死体が発見される。完全密室での殺人。警察が頼りにならないと感じた玄太郎は、介護者のみち子を巻き込んで犯人探しに乗り出す…「要介護探偵の冒険」など、5つの難事件に挑む連作短編ミステリー。




「さよならドビュッシー」で早々に死んでしまうお祖父ちゃんが、
生きていたころのお話・・・

脳梗塞で体が不自由となり車いす生活になるも、
頭はまだまだバリバリ、お口も達者・・ということで、
介護者のみち子さんとともに事件を解決していく・・という短編集。

なんかさ、先に「さよならドビュッシー」を読んじゃってると、
お祖父ちゃんだけでなく、みち子さんの存在も
切なく思えてきちゃってさぁ・・・
素直にスイスイ読めなかった。(汗)

でも、最後で「さよならドビュッシー」に繋がる流れで、
あぁ、こっちを先に読んでおけばよかったなぁ・・・って思えた。
・・・発売はこっちが後なんだけどね。(笑)



 
   
贖罪の奏鳴曲





2013/10/17 読了





内容(「BOOK」データベースより)
御子柴礼司は被告に多額の報酬を要求する悪辣弁護士。彼は十四歳の時、幼女バラバラ殺人を犯し少年院に収監されるが、名前を変え弁護士となった。三億円の保険金殺人事件を担当する御子柴は、過去を強請屋のライターに知られる。彼の死体を遺棄した御子柴には、鉄壁のアリバイがあった。驚愕の逆転法廷劇!




少年時代に、残虐な事件を起こし、医療少年院に入った少年が、
反省、そして贖罪のために生きていくために名前を変えて
弁護士となって・・・という設定。

正直、あんなひどいことをしておいて、
名前を変えて新しい人生を送ってるなんて、
なんか、納得いかんというか、モヤモヤしながら読んでたんだけど、
この御子柴は、担当してくれた少年院の先生に言われた言葉を胸に、
「償い」の人生を送っていて、
カレらしい「贖罪」の方法として、弁護士をやってるんだ・・・ってことが
ちゃんとわかったので、
今後の彼を見続けたいって思いました。
まぁ、やり方は問題アリ・・・ですけどね。(笑)



 
   
静おばあちゃんにおまかせ





2013/10/18 読了







内容(「BOOK」データベースより)
一見頼りなげながら、つぎつぎと難事件を解決する捜査一課の若手刑事、葛城公彦。でも、彼のお手柄の裏にはある秘密の存在が…。




頼りない刑事が、女子大生のアドバイスで事件を解決・・・
その女子大生は、元裁判官のお祖母ちゃんからアドバイスをもらっていて・・
という、そういうお話ですが・・・

短編集で、それぞれに話は面白いのですが・・・
お祖母ちゃんは全く家からでませんし、
誰とも会いません。
なんかおかしいなぁ・・・って思いつつ読み進めると・・・

あぁ、やっぱり・・・というオチが待ってます。
そうじゃないかなぁ・・・と思いつつ、
そうじゃないといいのになぁ・・って思ってて、
やっぱり、そうだったか・・ってわかったときは、
なんか悲しくなっちゃった。(涙)
一人ぼっちになっちゃう孫を、おいていけなかったんだなぁ・・・

でももう、強く生きていってくれるでしょう!
頼りない刑事が、きっと・・・ね!



 
   
魔女は甦る





2013/10/20 読了






内容(「BOOK」データベースより)
元薬物研究員が勤務地の近くで肉と骨の姿で発見された。埼玉県警の槇畑は捜査を開始。だが会社は二ヶ月前に閉鎖され、社員も行方が知れない。同時に嬰児誘拐と、繁華街での日本刀による無差別殺人が起こった。真面目な研究員は何故、無惨な姿に成り果てたのか。それぞれの事件は繋がりを見せながら、恐怖と驚愕のラストへなだれ込んでいく…。




これはねぇ、もう、オチの好き嫌いに分かれる・・ってことですよ。

猟奇的殺人から始まり・・・
閉鎖された製薬会社とのかかわりとは・・・?と
ハラハラさせられ一気にページを進めていくと・・・

なんともビックリな真相が待ってます。(笑)
そ・・・そんなバカな・・・という。(汗)
いやいや、犯人はソイツ・・・?
えぇ〜???ってね。

だけど、「ソイツ」との戦いは、まぁ、ほんと大変そうで。
・・・想像しづらい!(笑)
でも、実際にあったら・・・と考えると・・・
「ソイツ」は自由自在にあちこち行けますから、
まぁ、恐ろしいことでございますよ、マジで。



 
   
ヒートアップ





2013/10/21 読了





内容(「BOOK」データベースより)
七尾究一郎は、厚生労働省医薬食品局の麻薬対策課に所属する麻薬取締官。警察とは違いおとり捜査を許された存在で、さらに“特異体質”のおかげもあり検挙率はナンバーワン。都内繁華街で人気の非合法ドラッグ“ヒート”―破壊衝動と攻撃本能を呼び起こし、人間兵器を作り出す悪魔のクスリ―の捜査をしている。暴力団組員の山崎からヒートの売人・仙道を確保するため手を組まないかと持ちかけられ、行動を共にして一週間。その仙道が殺される。死体の傍に転がっていた鉄パイプからは、七尾の指紋が検出された…。殺人容疑をかけられた麻取のエース・七尾。誰が、なぜ嵌めたのか!?冤罪は晴らせるか!?―。




七尾の特殊体質ってのがねぇ・・・
確かに、麻薬取締官にはうってつけの体質だけどさぁ・・・
怖いよなぁ・・・
本当にいるかなぁ、こういう体質の人・・・(汗)
私は比較的鎮痛薬とか効きやすいタイプで、
そういう意味では助かってますけど・・・。

そんな七尾がハメられた!!という話・・・。
ハラハラドキドキで、一気読みは必至。
そして、どんでん返しに気持ちよくやられる・・・・
うん、やっぱり中山さんの本は好き!(笑)

これは「魔女が甦る」の話を知っていて楽しめる部分がありますので、
ぜひ、先に「魔女は甦る」を読んでおくといいと思います。
いや、読んでないと、はい・・・?ってことになります。(笑)



 
   
切り裂きジャックの告白



2013/10/29 読了





内容(「BOOK」データベースより)
東京・深川警察署の目の前で、臓器をすべてくり抜かれた若い女性の無残な死体が発見される。戸惑う捜査本部を嘲笑うかのように、「ジャック」と名乗る犯人からテレビ局に声明文が送りつけられた。マスコミが扇情的に報道し世間が動揺するなか、第二、第三の事件が発生。やがて被害者は同じドナーから臓器提供を受けていたという共通点が明らかになる。同時にそのドナーの母親が行方不明になっていた―。警視庁捜査一課の犬養隼人は、自身も臓器移植を控える娘を抱え、刑事と父親の狭間で揺れながら犯人を追い詰めていくが…。果たして「ジャック」は誰なのか?その狙いは何か?憎悪と愛情が交錯するとき、予測不能の結末が明らかになる。




切り裂きジャックのような殺人事件が・・・というところから始まる。
腹が裂かれ、臓器がすべて持ち去られた遺体・・・
中山さんの「グロイ方」の作品だな・・・と覚悟して読み進めてみると・・・

もうちょっと深い話でして・・・
臓器移植絡みの話でしたね。
途中から、臓器を持ち去った理由を考えているうち、
犯人がわかっちゃいました。
「臓器を処分したいんだな・・・」ってね。

だけど、そこは中山さん、単純ではなく、どんでん返しもありましたね。
せっかく移植して新しい人生が始まったのに、殺されちゃった人たち・・・
ほんと、可哀想で仕方なかったな・・・。(涙)




 
   
七色の毒




2013/11/23 読了





内容(「BOOK」データベースより)
話題作『切り裂きジャックの告白』の犬養隼人刑事が、“色”にまつわる7つの怪事件に挑む連作短編集!人間の奥底に眠る悪意を鮮烈に抉り出した、珠玉のミステリ7編!




いろんな毒を、犬養刑事が見抜いていく・・・って感じでしたね。
男のウソを見抜くのは得意なのに、女のウソは全然読めない可愛い人でもある。(笑)

扱われている話は、現実に起こってる事件や事故を脚色してる感じです。
結構騒ぎになったモノだったりするので、
リアルなのか・・?と錯覚しちゃいそう。(汗)

全部、「どんでん返し」を楽しむ作りにはなってますけど・・・
うーん・・・そんなに「おぉ!」ってことはない。(汗)
結構一遍が短いので、入り込む前に終わる・・・って感じで、
やっぱり私は長編が好きだわ!って確信しました。

中山さんの新作「追憶の夜想曲」も購入済!
早く図書館レンタル中の本を片付けて、入り込みたいです!(笑)




 
   
追憶の夜想曲



2013/11/27 読了





内容(「BOOK」データベースより)
豪腕ながらも、依頼人に高額報酬を要求する“悪辣弁護士”御子柴礼司は、夫殺しの容疑で、懲役十六年の判決を受けた主婦の弁護を突如、希望する。対する検事は因縁の相手、岬恭平。御子柴は、なぜ主婦の弁護をしたのか?そして第二審の行方は?





「贖罪の奏鳴曲」の続編・・・ですね。
こりゃまた夜中に一気読みでした。

過去に凄惨な事件を起こした御子柴弁護士。
その事件とは、少年時代、幼い子供を殺害し、バラバラにして人目にさらす・・・という、
どこかで聞いたことがあるような、ひどい事件・・・
その事件後、少年院で出会った人たちのおかげで、「償い」を学んだ御子柴。
自分にできる「贖罪」・・・
それが今回の弁護にもつながってきたわけですが・・・

「贖罪の奏鳴曲」では、「なるほどーっ!」と騙された部分があり、
今回も「騙された!」と帯に書かれていたので、そうなるかと期待していたけど・・・
最初から、見えてましたよ、私は。
そして、事件の真相も、途中から予想していた通りで・・・・
そういう意味では、拍子抜け・・・っていう気もするけど、
御子柴の覚悟というか、贖罪を見届けようと、一気に読み進めました。

きっと、御子柴は、「平穏に生きること」より、「償うこと」のほうを優先したんだね。
生きるために償うのではなく、償うために生きていたんだ。
だから、この事件をどうしても担当したかったんだね・・・。
だけど、それは被告人の望んだ結果になったんだろうか・・?
後味は悪いけど、アイツがのーのーと生きていくことは許せないし・・・
これで良かったんだよね・・。

実際に、刑事事件として裁けない年齢で凄惨な事件を起こした少年が、
少年院を出た後、どんなふうに社会で生きているのか、知らされることはなく、
御子柴のように名前を変え、過去を隠して生きているんだと思う。
だけど、カレのように、自分がしたこととちゃんと向き合い、
一生抱えて生きていき、なおかつ、償いのために仕事をしているのだとしたら・・・
それはそれで、生きていく意味なんだろう・・・と思います。

今回、御子柴は自分の人生をかけて、ある女性の罪の真実を求めていきます。
結果、今後の御子柴の人生は、どうなってくのか・・・
この後の御子柴を知りたいけど、もう続編は難しいかなぁ・・・
こうなっても、ちゃんと生きていけるだろうか。
社会や世間が放っておかないだろうしな・・・
うーむ、うーむ・・・・と、夜中に悶々としてしまい・・
また眠れず夜が明けてしまい・・・寝不足が続くのであった・・・。(涙)




 
   
アポロンの嘲笑




2014/9/7 読了





<管内に殺人事件発生>の報が飛び込んできたのは、東日本大震災から五日目のことだった。
被害者は原発作業員の金城純一。被疑者の加瀬邦彦は口論の末、純一を刺したのだという。
福島県石川警察署刑事課の仁科係長は移送を担うが、余震が起きた混乱に乗じて邦彦に逃げられてしまう。
邦彦は、危険極まりない“ある場所"に向かっていた。仁科は、純一と邦彦の過去を探るうちに驚愕の真実にたどり着く。
一体何が邦彦を動かしているのか。自らの命を懸けても守り抜きたいものとは何なのか。そして殺人事件の真相は――。
極限状態に置かれた人間の生き様を描く、異色の衝撃作!




中山七里さんの最新作・・・
ちょっと、薬丸岳さんぽいな・・って思いつつ読んでました。

3.11の大震災直後に起こった福島での殺人事件・・・
被疑者搬送中、余震が起こって、その最中、逃げられてしまう・・・
逃走した被疑者が向かったのは・・・?
カレはなぜ殺したのか?
何をしたいのか・・・?というお話。

地震や津波がなくとも、原発で働く人は過酷なんだ。
うっすらとは認識していたけど、
しっかりと描かると、本当に怖くなった。
そんな風にしないと近づけないものを、
一旦コントロールできなくなると暴走しちゃうものを、
どうしてこんなに作ったんだろう・・・って思ってしまう。
その原発が作り出す電気に支えられてるのは事実なんだけどね・・・

描かれてるのは、逃げている被疑者、
追う刑事・・・の2面です。
追う刑事は、被疑者確保からの逃走・・で、
不始末を挽回するために動くんだけど、
その中で事件の本質に気づいていくのよ。
「これ以上人を死なせたくない」という思いで動くんだけど・・
使命っていう言葉だけでは、こんな行動はできないよ。
極限の精神状態ではあっただろうけど、
きっと、被疑者がやろうとしてることに乗っかろうとしてたんじゃないかな・・・?
そうすることで、自分も何か守りたい、取り戻したい・・って
思えたんじゃないかなぁ・・・?

逃げた被疑者には、大きすぎる「使命」がありました。
その「場所」へと向かう途中は、臨場感たっぷりで、
逃走犯だけど、無事にたどり着いてほしいと祈るばかり・・・
親友の最後の願いを叶えるため・・・・
もらった分、返したかった・・・
大切な人を守るために・・
その思いで、あんなことができちゃうなんて・・・
ほんと、頭が下がる一方でございます。

最後は「救われた」ものの、
「なかったこと」にされてしまう・・・
この地震による原発のいろんなことは、
こんなことはなかったと信じたいけど、
たくさん、「なかったこと」とされて、私たちの耳には届かないんだろう。
そうやって今も、原発で働くたくさんの人たちがいる。
ありがたい。
本当に本当に、ありがたい。
ただただ、この国の、この国の人間の平穏が
早く取り戻せるよう、祈るばかりです・・・・。




 
   
テミスの剣




2014/10/29 読了





内容(「BOOK」データベースより)
昭和五十九年、台風の夜。埼玉県浦和市で不動産会社経営の夫婦が殺された。浦和署の若手刑事・渡瀬は、ベテラン刑事の鳴海とコンビを組み、楠木青年への苛烈な聴取の結果、犯行の自白を得るが、楠木は、裁判で供述を一転。しかし、死刑が確定し、楠木は獄中で自殺してしまう。事件から五年後の平成元年の冬。管内で発生した窃盗事件をきっかけに、渡瀬は、昭和五十九年の強盗殺人の真犯人が他にいる可能性に気づく。渡瀬は、警察内部の激しい妨害と戦いながら、過去の事件を洗い直していくが…。中山ファンにはおなじみの渡瀬警部が「刑事の鬼」になるまでの前日譚。『どんでん返しの帝王』の異名をとる中山七里が、満を持して「司法制度」と「冤罪」という、大きなテーマに挑む。



中山さんのファンにはたまらない一作です!!
面白かった!

中山さんの作品に多く登場する、渡瀬刑事の若かりし頃の「失敗」と、
今に続く物語・・・
ある殺人事件で逮捕・送検した被疑者が、死刑判決後自殺・・・
そしてその5年後、ある殺人事件を担当した渡瀬は、
共通点に気づき・・・という「冤罪」のお話です。

冤罪をテーマにした小説は多々ありますし、
その冤罪を覆す・・・っていう流れも、そう珍しい展開ではありません。
しかし、「正義」とは何か・・・
「剣」という力を持った人間は、「正義」とどう向き合わねばならないのか、
しっかりと描かれています。

そして、中山さんの作品を読んできた人には、
知ってる顔がチラホラ・・・・
最後にはサプライズも!!
・・・早めに気づいていた人もいるだろうけど、
私は全然気づかなくて、「エピローグ」を読んで、
あぁ!この人って、あの人だったんだ!って気づいて、
もう、嬉しいやら泣けてくるやら・・・でした。

人は誰しも「間違う」。
その「間違い」にどう向き合うか、
「力」を持ってるからこそ、真摯に向き合わねばならないんだ・・
最後に出てくる「真実」に、本気で打ちのめされます。
お前かよ・・・ってね。(涙)
自分に道を示してくれた人に裏切られたわけだけど、
それでもまっすぐ真実に向き合った渡瀬に拍手・・・ですね。

「テミス」は、ギリシャ神話における「法・掟の女神」です。
よく、裁判所で片手に剣と天秤を持った女性の像がありますが、
あれが「テミス」です。
前作の「アポロンの嘲笑」の「アポロン」もギリシャ神話に出てきますね。
中山さん、「ギリシャ神話」シリーズを書いてるんですかね・・・?(笑)

これぞ中山七里!っていう作品です。
渡瀬刑事を知らなくても、全然問題なく楽しめます!
オススメです。




 
   
月光のスティグマ




2014/12/30 読了





内容(「BOOK」データベースより)
この傷痕にかけて、俺が一生護る。あの夜、誓いを立てた幼なじみは、時を経て謎多き美女へと羽化して現われた。特捜部検事となった淳平と、疑惑の政治家の私設秘書を務める優衣。追い追われる立場に置かれつつも、愛欲に溺れゆくふたり。だがある日を境に、淳平に暗い疑念が膨らんでいく。優衣、おまえは本当は誰なんだ?阪神淡路大震災と東日本大震災。ふたつの悲劇に翻弄された孤児の命運を描く、究極の恋愛サスペンス!





中山さんの恋愛小説・・・ですと。
うーん・・コレ、どうなんでしょう・・・・(汗)

ソックリの双子。
その一人と恋に落ちた・・・
その後、ある日、双子の片割れが兄を殺してるのを目撃する・・
直後、大地震が起こって・・という展開。
双子の一人が生き残って、
「どっちが生き残ったんだ・・・?」と疑念を抱きつつのクライマックス・・・
まさかの展開になっていきます。

最後まで「守る」と決めて行動した淳平。
まぁ、男らしいっつーか、愛だねぇ・・・って気はするんだけど・・・
そんな結末とは・・・

なんか、結局どっちがどっちか・・・
よくわからん。
本人の申告を素直に信じるのなら、そうなんだろうけど・・・
でも、腑に落ちない部分もあるし・・・

ってことで、なんだかなぁ・・・・な作品でした。




 
   
嗤う淑女




2015/2/5 読了





“稀代の悪女"=蒲生美智留(がもう・みちる)。
天賦の美貌と巧みな話術で、人々の人生を狂わせる――

野々宮恭子のクラスに、従姉妹の蒲生美智留が転校してきたのは中一の秋だった。美智留によって、イジメと再生不良性貧血という難病から
救われた恭子は、美智留の美貌や明晰さに憧れ、心酔していく。
やがてある出来事をきっかけに、二人は大きな秘密を共有するに至った。
時を経て、27歳になった美智留は「生活プランナー」を名乗り、
経済的不安を抱える顧客へのコンサルタント業を行なっていた。アシスタントは恭子だ。
ストレス解消の散財によって借金を抱える銀行員の紗代、
就職活動に失敗して家業を手伝う弘樹、
働かない夫と育ちざかりの娘を抱え家計に困窮する佳恵……
美智留は「あなたは悪くない」と解決法を示唆するが……。
人々はどのようにして美智留の罠に堕ちてゆくのか。美智留とは何者なのか!?
奇才が描くノンストップ・ダークヒロイン・ミステリー。





中山さんのイヤミス・・・・かな?

完璧な美貌に恵まれた美智留という女性に関わった人たちのお話。
美貌だけではなく、人を魅了する何かを持ってる美智留に、
周りの人間たちは魅入られ、人生を狂わせていく・・・と。

だけど、狂わされた人たちは、美智留が悪いとは思ってないんだよね。
・・・・結婚詐欺師に近い感じか?(汗)
それぞれに最悪の結果になっていくんだけど、
いやはや、言葉でそこまで操れるんだなぁ・・・
きっと、人の隙に付け込むのがうまいんだな・・・
できれば、こういう人には出会いたくないっす。
自分は絶対騙されない!って思ってても、
不可抗力で流されるかもしれないもん!!(汗)

最後の章は美智留本人。
途中から、もしかしたら入れ替わってたり・・・?とか考えてたので、
結果違ったけど、それほど驚きはしなかったですね。
だけど、そんな風に変えたり戻したりできるもんかね・・・?

で、この美智留が何をしたいのか・・・?ってーと・・・
最後の一行に書かれています。
そうね、歪んでんだね、根本的に・・・
やっぱり、出会いたくないな、絶対!!

こういう手法の作品は最近増えているので目新しさは感じませんが、
先が気になって一気読み・・・っていう構成になっております。




 
   
ヒポクラテスの誓い




2015/6/12 読了






祥伝社

内容(「BOOK」データベースより)
栂野真琴は浦和医大の研修医。単位不足のため、法医学教室に入ることになった。真琴を出迎えたのは法医学の権威・光崎藤次郎教授と「死体好き」な外国人准教授キャシー。傲岸不遜な光崎だが、解剖の腕と死因を突き止めることにかけては超一流。光崎の信念に触れた真琴は次第に法医学にのめりこんでいく。彼が関心を抱く遺体には敗血症や気管支炎、肺炎といった既往症が必ずあった。「管轄内で既往症のある遺体が出たら教えろ」という。なぜ光崎はそこにこだわるのか―。解剖医の矜持と新人研修医の情熱が、隠された真実を導き出す―





中山作品の中にも登場してくる、
光崎教授の法医学教室が舞台となった連作短編集。
とても面白かったです!

研修医の真琴は、担当教授から法医学教室に行って
勉強してこい!と追い出される・・・
そこにいたのは、偏屈の光崎教授だった・・・ってわけですが・・

全5編からなる作品だけど、
どれもこれも面白かった。
一見事故、自殺、病死に見えても、
解剖してちゃんと死者の声を拾ってあげると、
真実が見えてくる・・・
光崎のトコトンな執着で真実が明らかになって、
ほぼ救われた人ばっかりでございました・・。

「ほぼ」ってのがね、ビミョーなとこなんですよ。
ボートレースの話なんて、明らかにならないほうが
死者は望んでいたかもしれないもんね・・・
だけど、残された人にとっては、名誉の意味でも
真実が明らかになったことは良かったんじゃないかな・・・?
ちょいと融通もきかせてくれそうだし。

そして、光崎がこだわっていた「既往歴のある死体」。
そこには、真実を追求する医師としての信念がありました。
明らかにされたくない人間もいたわけで・・・
真琴はそんなことに巻き込まれて苦しむことになるんだけど・・・

この法医学教室での時間で、真琴には新たな思いが芽生えていました。
「ヒポクラテスの誓い」・・。
医師としてあるべき姿を光崎を通して学び、
そしてこれからも・・・・と思ったんだもんね。
是非、この先も見てみたい。
続編希望!でございますよ!!

しかし・・・解剖されずに本当の死因がわからないままの遺体が
たっくさんあるんだろうなぁ・・・
もし自分が死んだとして、違う理不尽な死因にされてしまったらと思うと・・
怖いっす。(涙)




 
   
総理にされた男




2015/9/4 読了






NHK出版

内容(「BOOK」データベースより)
総理の“替え玉”にされた売れない舞台役者が国民の怒りと願いを代弁する。圧巻の予測不能な展開!読み終えた後の爽快感は必至!人気作家・中山七里が政治の世界をわかりやすく、感動的に描いた、ポリティカル・エンターテインメント小説!





今、テレビ朝日で池井戸潤さんの「民王」がドラマ化されてるので、
ちょっとかぶってるかなぁ・・・・なんて思いつつ読んでみましたが・・・

かぶってないっす。(汗)
こっちの方が、血なまぐさいっす!!

総理のモノマネをしていた俳優がある日拉致されて、
病に倒れた総理の代わりをしてくれと官房長官に頼まれる・・・
舞台で主役なんてやったことない・・・
甘い誘惑に負けて、大舞台に立つことにした俊策・・・
その先の道のりは、険しいものでした・・

いくらソックリだってさ、バレるっしょ?って思うんだけど、
総理の病ってのが、顔の形が多少変わるかもね・・・っていう、
何とも絶妙な病なんだわ。(笑)
あと、俊策自身の演技力や観察力は見事なものらしく、
そして、最初から備わっていた「人を惹きつける魅力」ってのも、
官房長官の嬉しい誤算だったようで・・・

野党、官僚など、敵対する人たちとの関係を
何とかうまく乗り切っていくんだけど、
最大の困難がやってきました・・・・

テロです。
海外での日本大使館占拠というテロ・・・
・・・・ん?なんか、聞いたこと、あるぞ・・・・?


ネタバレです。



アルジェリアという国で起こった、日本大使館占拠事件。
これ、「月光のスティグマ」とつながってるんです!!
登場してくる人物も、展開も、まったく同じ。
同じ事件を違う目線で・・・ってことです。
思わず、本棚から「月光のスティグマ」を取り出して、
重ねながら読んでしまいましたよ!

実物の総理大臣は病で死んでしまい、
入れ替わりを画策し、唯一の頼みの綱だった官房長官も、
なんと急死してしまう・・
一人ぼっちの俊策・・・
だけど、すでに人心を掴んでいた俊策の周りには、
助言をくれたり支えてくれる人がいて・・

この苦難を乗り越え・・・
最後は、驚きの発言・・・
うーむ・・・この事実を知ってる人がいないのなら、
このまま・・・ってのもありだけど・・・
どうなんだろ・・・?
ってか、実際の「俊策」は、死んだってことにするの?
それって、「俊策」の人生が可哀想な気もしなくはないんだけど・・・?

ま、いろいろと疑問は残るものの、
エンターテインメントとしては楽しめる作品でした!
こんな風に国民の考えに近い純粋な政治家が総理になってくれると、
何か変わっていく・・・って期待も感じられたしね!

ただ、序盤は政治関係の話がダラダラと続くため、
ちょっと読みづらいかも・・・ですな。(汗)