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 西加奈子 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

ふくわらい サラバ! (上・下) まく子 i (アイ)
おまじない





   
ふくわらい





2013/11/7 読了





内容(「BOOK」データベースより)
マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。25歳。唯一の趣味は、暗闇でのひとり遊び―。




話題になった作品で、いつか読みたいと思って図書館で予約してました。
ようやく順番が回ってきたので、読んでみましたが・・・

序盤の描写がね・・・
文章を映像化して小説を楽しむタイプの私は、
もう、「映像化したらアカン・・」と自分に言い聞かせつつ読んだものの、
やっぱり頭に映像が浮かんできてしまって、
マジ吐きそうでした。(涙)

定っていう子が、こうやって育って、こういう風になった・・ってのは、
読みながら伝わったし、最後は解放されて良かったね・・と思うけど、
いやぁ・・・すごいですわ、ほんと。
いるんかな、こんな人。(汗)

ただただ、幼いころの経験や環境って、
人格形成やその後の人生に大きく影響するんだな・・と感じました。
でも、こんな風に生まれ育った定が、
懸命に生き、同じように不器用に生きてる人たちと心を通わせ、
いつしか光を見いだせるまでの様は、ちょっと応援したくもあり・・・

でも、やっぱり、こういう話は・・・苦手でやんす。(滝汗)




 
   
サラバ!







2015/3/2 読了






小学館

内容(「BOOK」データベースより)
1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに―。




「圷歩」という少年(のちに青年)の、
成長過程を丁寧に描いている・・・という、
あっさりとした、淡白な印象で読み始め、
素っ頓狂な姉に、イラつく母に、静観する父に、
空気を読む歩・・っていうのを延々読まされていて、
上巻は結構時間がかかりました。
私はどちらかというと、歩のような感情で生きてきたので、
貴子のような姉がいたら、そりゃ大変だろう…とは思うんだけど、
もう十分に大人なので、そんな個性すらも大事だって
他人事ながら考えてしまったので、
貴子が「理解できない姉」っていう描き方に、
読みながら悲しくなったり疲れてしまったのね。

そんな家族がどんどん崩れて行って、
いつしかみんな(歩以外)が自由に生きはじめ、
一人取り残されていく歩。
しまいにゃ、誰よりも人に迷惑をかけて生きてきた姉に、
心配されちゃう自分にさらに絶望して・・・

だけど、「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけない」という
貴子の言葉に、「信じるもの」って、人それぞれでいいんだし、
自分の中の譲れない何かを持つってことの大事さを、
一人苦しみ続けた貴子からのメッセージとして、
ズドンと響いてきたんですよね。

上巻の終わりあたりから、下巻終了まで、半日でした。
入り込めば一気読みだったなぁ・・・という・・。
何を最初戸惑ってたんだ?って自分に首をかしげたい気分。(笑)

どうしても誰かと比べ、悪目立ちすることを恐れてしまう・・・
その思いは十分に共感できる私。
でも、だからってフワフワと揺れてるだけではいけない。
「信じる何か」。
私はきっと、見つけたから今ここにいる。
そう、なんとなくだけど、心の奥に柔らかいスポットライトがあたったような、
そんな読後感でした。




 
   
まく子




2016/4/20 読了






福音館書店

小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいた。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちが恐ろしかった。そして、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきたのだ。コズエはとても変だけれど、とてもきれいで、何かになろうとしていなくて、そのままできちんと足りている、そんな感じがした。そして、コズエは「まく」ことが大好きだった。小石、木の実、ホースから流れ出る水、なんだってまきちらした。そして彼女には、秘密があった。彼女の口からその秘密が語られるとき、私たちは思いもかけない大きな優しさに包まれる。信じること、与えること、受け入れること、変わっていくこと、そして死ぬこと……。この世界が、そしてそこで生きる人たちが、きっとずっと愛おしくなる。

西加奈子、直木賞受賞後初の書き下ろし。究極ボーイ・ミーツ・ガールにして、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。




直木賞受賞後の作品となります。
どんなお話なのかなぁ・・・と思いつつ、読んでみました。

まず、表紙のインパクトがすごくて。
猿顔の少女が出てくるんか?って思ったら、
なんと、美少女が出てきまして。
このコズエって子が、なんでも「撒く」子で・・・
で、「まく子」なのだそうな。


ネタバレです。


しかし・・・まさかのファンタジー・・・・?
宇宙人って、言ってるだけかと思ったら、
本当に宇宙に帰って行くっていう。。。
ポカーン・・・・ってなっちゃいましたよ。
でも、このコズエの残した影響はとても大きく、
この小さな町全体に何かを遺していきましたね。

このあとに引っ越してきた母子も、
コズエ母子のおかげで、馴染みやすかっただろうさ。(笑)

成長期の男の子の悩み部分が結構多くて、
西さん、何を書いてんすか・・?って思っちゃいもしましたけど、
大人になる変化に戸惑う気持ちは、わからんでもないです。
女の子も、いろいろと変化がありますからね・・・。




 
   
i (アイ)




2016/12/23 読了






ポプラ社

内容(「BOOK」データベースより)
「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまでは―。「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさ―直木賞作家・西加奈子の渾身の「叫び」に心揺さぶられる傑作長編!




シリア生まれで、養子にもらわれたアイ。
アメリカ人の父と日本人の母の子として生きてきたわけですが、
高校に入ってるすぐ、数学の先生に衝撃の言葉を言われる・・・
「この世界にアイは存在しません」

確かに、自分の名前だからビクッ!っとなるよね。
だけど、アイは複雑な背景を持ってるため、余計に響いてしまったようで・・

私が読み始めて感じた正直な感想は・・・
考えすぎるって、大変だなぁ・・ってこと。
いい意味で、私は楽観主義で深くは考えずに
「なんくるないさー!」な生き方をしているため、
ここまでいろいろと考えちゃう人は大変だなぁ・・・って思ったの。
いいやん、幸せになれたんやから、いいやん!って。
でも、自分が同じような背景をもっていたら・・・
そんな簡単な発想では生きていけないのかもなぁ・・・
でもさ、考えるのも「適度」がいいよ。
読んでて苦しくなっちゃったもん・・・(涙)

ただね、苦しいくらいに考えちゃうアイだけど、
親友呼べる人との出会いでだいぶ救われたし、
生涯愛するって決めた人も素敵な人だったし、
人に恵まれてるよね。
”想うことで生まれる圧倒的な強さと優しさ”ってふれこみだけど、
それはアイではなく、周りの人・・って気がしたよ。
そこを、幸せなことだって早めに気づいたら良かったのにね・・・
ネガティブに、陰に陰に落ち込んで考えていくのは、
時間がもったいないもん・・・。

「サラバ!」の短い版・・・って感じで、
「サラバ!」よりは読みやすかったかな?
でもやっぱり、西さんは直木賞っていうより芥川賞向きな気がするな・・
エンタメっていうより、哲学ちっくだもんね・・・。



 
   
おまじない




2018/3/31 読了






筑摩書房

内容(「BOOK」データベースより)
思いもよらない誰かの一言で、世界は救われる。
言葉の力を信じるすべての人へ――西加奈子ワールド全開の「女の子応援」短編集。




女の子、おじさん、おまじないのような言葉・・・
この縛りで書いたという短編集。
舘もが、どれかに当てはまる・・・そんなお話の数々でしたね。

私が一番好きだったのは「孫係」
この字面も好き。(笑)
気を張ったた毎日、ふと力が抜けたときに出た言葉を、
拾って温かく包んでくれたお祖父ちゃん。
頑張るお母さんの気持ちもわかるけど、
この祖父と孫娘の関係が最高でしたね。
そう、誰もが演じてる、それでいいじゃん・・・ってね。
気が楽になります。

「マタニティ」は、同じ状況の人、いそうだよねぇ・・
そんなつもりはないけど、こうなっちゃったら、どう思われるか・・・って。
どう思われたっていいじゃん!って言ってあげたくなるけど、
そんなんでは解決できない複雑な想い・・・

どのお話も短いけど深い。
優しい思いが溢れてる。
この本を読んで、ちょっと救われて、気が楽になる女の子が
増えるといいなぁ・・・って思いました。