TOP > 作家別一覧 > 貫井徳郎


 貫井徳郎 

下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
もっとたくさん既読ですが、すべてを記載するのは無理かな・・・?(汗)

乱反射 新月譚 微笑む人 ドミノ倒し
私に似た人 天使の屍 我が心の底の光 壁の男
後悔と真実の色 宿命と真実の炎



   
乱反射






2009/11/11 読了




地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。
原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、
誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった・・・。
第63回日本推理作家協会賞受賞作。


 

この作品も単行本で読みました。
装丁が東野圭吾さんの「白夜行」と似ていて、
そして、厚みもまた似ていて、思わず手に取りました。(笑)

ある一つの不幸な事故。
その真相は・・・誰しもが関わる可能性がある小さな罪の連鎖・・・
ほんと、ヒヤヒヤしながら読み進めます。
もしかしたら、私もそういうことやってるかも・・と思っちゃって、
あれがなければ、これがなかったら、この事故は起こらなかった・・って話で、
他人事ではないお話です。

かなり厚みのある本ですが、
そういう話ですので、ドキドキしながら一気に最後まで読んじゃいます。
そして読み終わったあと、ゾクっとする。
自分の知らないところで加害者になってるかもしれない・・と。
そうではないことを祈るばかりです。(汗)


 
   
新月譚






2012/5/5 読了




八年前に突然絶筆した作家・咲良怜花は、
若い編集者の熱心な復活のアプローチに、自らの半生を語り始める。
そこで明かされたのは、ある男性との凄絶な恋愛の顛末だった―。


 

一人の女性作家の人生を描いたお話。
・・・・なんだこれは?昼ドラか?と思わせる内容。
それでもきっとハラハラする展開になるはず!と期待して読み進めたのに、
最後までただの一人の女の人生を書き連ねただけの印象。
しかも、その女に共感できればいい。
私も女ですもの、わかるぅ〜!となればきっと面白いはず。
だけど、そんな魅力も感じない主人公。
もう、ただただ、「何か起こるはず」と期待して期待したのに・・・

かなりガッカリな作品でした。
これが直木賞候補作・・・?
わからんなぁ・・・・(滝汗)


 
   
微笑む人







2012/9/26 読了




貫井氏が「ぼくのミステリーの最高到達点」と語る傑作。
読者を待つのは、予想しえない戦慄のラスト。


 

「ぼくのミステリーの最高到達点」とは何か・・・
それが気になって手にした今作。
紙質が厚いせいか、見た目よりも短めに感じました。


さて・・・妻と娘を殺した男は、誰に聞いても評判のいい男。
実際に会ってみれば、優しく微笑みをたたえる男・・・
この男は本当に殺人を犯したのか・・?
ある小説家が彼を追って調べていくうちに・・っていう話です。

正直・・・このラストは好き嫌いが分かれると思います。
私は・・・好きじゃないです。
単行本は、買うと1000円以上します。
文庫本を待てば600円前後でしょう。
それでも待てずに買うのは、本が好きだから。
この作家さんが好きだから。
ミステリーが好きだから・・
そういう人に対して、この終わり方はちょっとズルイ。

以下ネタバレ。





だって、オチがないんだもん!!
さて、真相はどうなんだろうねぇ・・・・考えてみて?って感じ?
この手法・・この作家さんもそうだし、他の作家さんもとることあります。
だけどさ、えぇ〜!うっそーん!って思っちゃうのよ、私は!
せっかくお金出して買ったんだもん、スッキリしたい!(笑)

とはいえ、私としては・・・やっぱりコイツはやったんだろうな。
運悪く最後の殺人は目撃者がいたから捕まったのであって、
また社会に出てきたらやりますよ。
いくら見た目が温和で人当たりが良くても気をつけろ!
あなたのそばにもいるかもしれない・・ってね。
そういうことだと受け止めます。(笑)



 
   
ドミノ倒し




2013/7/25 読了




内容(「BOOK」データベースより)
ひとつの事件が別の事件を呼び起こし芋づる式に掘り出される死体!死体!!死体!!!いったい何が起きているんだ!?油断大敵・貫井流ユーモア私立探偵小説。


 

今までたくさんの本を読んできたけど・・・
久しぶりに落胆激しい本だった。(汗)
ひどいよ、コレは。
私だけなのか?とamazonのレビューを読んでみたら、
みなさん同じような感想で、一安心。(笑)

ユーモアミステリ・・・
ミステリ・・・?
ユーモア・・・?
笑えないんですけどーっ!!

初期のころの貫井さんの作品は結構ハマって
全部読んできたんだけど・・・
どうしたんだ、貫井さん!!
しっかりしてくれーい!!!



 
   
私に似た人


私に似た人

2014/4/11 読了




小規模なテロが頻発するようになった日本。ひとつひとつの事件は単なる無差別殺人のようだが、実行犯たちは一様に、自らの命をなげうって冷たい社会に抵抗する《レジスタント》と称していた。彼らはいわゆる貧困層に属しており、職場や地域に居場所を見つけられないという共通点が見出せるものの、実生活における接点はなく、特定の組織が関与している形跡もなかった。いつしか人々は、犯行の方法が稚拙で計画性もなく、その規模も小さいことから、一連の事件を《小口テロ》と呼びはじめる――。テロに走る者、テロリストを追う者、実行犯を見下す者、テロリストを憎悪する者……彼らの心象と日常のドラマを精巧に描いた、前人未到のエンターテインメント。

 

最近の貫井さんの作品は満足度が低くて、
今作はどうかなぁ・・・?と不安に思いつつ購入。
なかなか面白かったです!

小規模なテロ=小口テロが増えてきた日本。
テロを起こす「レジスタント」たちに接点はなく、
それぞれが個々に起こしているようで・・・という設定の下、
10人のお話が描かれています。

テロを起こす者、、
テロに巻き込まれる者、
テロを唆す者・・・などなど、
それぞれの立場は違えど、背景は同じ鬱屈としたものが描かれ・・・

正直、私は今生きている現状に不満をそれほど感じてなくて、
バブルという時代も生きたし、
今の若者の抱える気持ちはわからないのかもしれない。
頑張っても報われない、
それは自分のせいではなく、この社会のせいだ・・・と
唆す者、唆される者・・・
だからって、無関係の罪のない人を巻き込んでいいの?
そうしないと何かが変わらないなんて、おかしくない?
と、正論を持って読んでしまって、
最初は、なんだかなぁ・・・って思ってたんだけど・・・

10人のお話を読み終わって・・・
私はそんな正論で現状を見ないふりしてるだけなのかも・・・と
思ってしまったりもしました。
ただの卑怯な傍観者になってはいかんな・・・とも・・。

読み終わって、何か答えが出るわけではない。
だけど、いろいろと考えさせられました。
同じように不満を持っていたとしても、
そんな中でも希望を持って生きてる人もいるわけで・・
やるせない気持ちになりますが、
久しぶりの「貫井ワールド」を堪能させていただいた・・って感じです。




 
   
天使の屍




2014/9/5 再読




内容(「BOOK」データベースより)
思慮深かった中学二年の息子・優馬がマンションから飛び降り、自殺を遂げた。動機を見出せなかった父親の青木は、真相を追うべく、同級生たちに話を聞き始めるが…。“子供の論理”を身にまとい、決して本心を明かさない子供たち。そして、さらに同級生が一人、また一人とビルから身を投げた。「14歳」という年代特有の不可解な少年の世界と心理をあぶり出し、衝撃の真相へと読者を導く、気鋭による力作長編ミステリー。

 

貫井さんの初期の作品・・・かな?
きっと大昔に読んだことあると思うんだけど、
もう一度読んでみたくなったので、早速・・・

14歳の息子が、突然自殺した・・・
寸前まで、自殺なんて・・って否定してたのに・・
一体、息子に何があったんだ・・・?と父は調べ始める・・って話。

大人と子どもの価値観は違う。
中学生くらいだと、カレらの社会はとても狭い。
大人からすると、「そんなことで」ってことも、
子どもたちにとっては、死にたくなるくらいのこと・・
このお話も、どうしてそんなことで・・・っていうものでした・・・

だけど、そのあとのある行動のために、
先陣切って飛び降りた息子くん・・・
ある意味、すごいよ、それは。
そんなことができるなら、きっと生きていけたって・・・って言いたくなる。
死んでしまったらおしまいなのに・・・。(涙)

そのあとも連続する「自殺」・・。
最後に明らかになる真実を、親はきっと受け入れがたいよね・・。
主人公は、他の親御さんたちには伝えなかったんだよね・・?
それはそれで、
「どうして息子は死んだんだ・・」って悩み続けるだろうに。。。
可哀想だなぁ・・・

一度読んだことがあるはずなのに、ほぼ覚えてなくて
新鮮な気持ちで読めました。
やっぱ、忘れるよなぁ・・・
他の作品も再読してみようかなぁ・・・・




 
   
我が心の底の光




2015/1/24 読了





内容(「BOOK」データベースより)
八〇年代のこの国に生を享けながら、豊かさとは無縁に、飢えて育った峰岸晄。感情を殺して生きる晄の、心の底に差す光は何なのか?全編を覆う「無温の世界」。身を震わせるラストの衝撃!胸を撃ち抜く傑作長編!

 

「ラストに衝撃が!」っていう帯に、
「どうせ、煽ってるんでしょ?ガッカリさせないでよね・・」と思いつつ
読んでたら・・・

うむ、衝撃だった。(汗)

物語は、人殺しの子とイジメられていた主人公の、
14歳から29歳までを描いています。
序盤は、「人殺しの子」ってことでイジメられてて、
妙に人生に絶望してる子なので、
「君は君だよ、しっかりしなさい」って思いで読んでました。

でも、途中、なぜ父は人殺しなのか、
母はなぜ死んだのか、
そして、どうしてこの子はこんなに絶望うしてるのか・・・が
明らかになってくると、もう、苦しくて仕方なかった。

その子が、成長しながらある計画を進めていきます。
でも、それは一端を描いてるだけで、全貌は見えてこない。
とはいえ、きっとそうなんだろうな・・・って思いで読んでると・・

最後にビックリします。

・・・・そこ???
・・・・そっち????ってね。

ひゃぁ・・・・って思いを抱えたまま、終わってしまい、
相変わらずの、「読後の戸惑い」を感じさせられます。

でもね、「そんなこと?」とか、「それだけで?」とか、私は思えなかった。
カレにとって、心の底のわずかな、だけど確かな光だったんだもん。
そのことへの想いは計り知れない・・・

けど!!
まさかね・・・
そっち・・・?っていう・・。
女の私からすると、「そっち??」っていう・・・・(汗)

命がけで守られた方も・・・困惑しちゃいそうな結末でございました・・・。




 
   
壁の男




2016/12/1 読了






文藝春秋

内容(「BOOK」データベースより)
ある北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。その、決して上手ではないが、鮮やかで力強い絵を描き続けている寡黙な男、伊苅(いかり)に、ノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが…。寂れかけた地方の集落を舞台に、孤独な男の半生と隠された真実が、抑制された硬質な語り口で、伏せたカードをめくるように明らかにされていく。ラストには、言いようのない衝撃と感動が待ち受ける傑作長篇。

 

ある田舎で、原色で稚拙な絵が壁一面に書かれているという噂が・・
ジャーナリストは気になって調べ始める・・・
一体、どうしてこんな絵を描いているのか・・・という話です。

どんな絵なんだろう・・・?
自分の頭の中では、幼稚園児の描くような感じかな・・?と思うんだけど、
どうなんだろう・・・

どうして書き始めたのか・・・も、なぜ書き続けるのか・・・も、
最後まで読んでも明確な答えはありません。
きっと、本人もハッキリとはわかってないんだと思う。
描いてほしいって願った人たちも、ハッキリとはわかってないかも。
だけど、実際に描かれた絵は、確実の人の心を癒した・・・
そして、書いた本人の心も・・・
興味本位で調べ始めたジャーナリストの心も・・・

物語は、この絵を描いている男の人生を描いています。
途中、理解に苦しむ場面が出てきますが、
それも最後まで読んだら納得・・・
なるほど、そういうことか・・・ってね。

だけど、不幸って重なる時は重なるんだね・・・
読んでて辛くなっちゃったよ・・・
この人に、「絵」があって良かった。
上手い下手ではなく、表現できる場があって良かった。
少しずつ、人の心を打っていった絵の数々・・・
やっぱり、見てみたい・・って、思いましたよ。




 
   
後悔と真実の色




2017/5/15 再読






幻冬舎

内容(「BOOK」データベースより)
あの強固な呪縛から、いつか解き放たれたかった。若い女性を襲い、死体から人指し指を切り取る連続殺人魔「指蒐集家」が社会を震撼させている。警察は、ネットでの殺人予告、殺害の実況中継など犯人の不気味なパフォーマンスに翻弄され、足がかりさえ見えない。その状況下、捜査一課のエース、西條輝司はある出来事を機に窮地に立たされていた―。これは罠なのか?被害者たちにつながりはあるのか?犯人の狙いは何か?緻密な構成で不器用に生きる男たちを活写する傑作長編。

 

発売当時・・・・だから、2009年に新刊で買って既読。
だけど、最近になって続編が出る!ってんで、
本棚を掘り返して見つけて再読・・・
続編とつながる装丁なので、なんかアガるーって感じ?(笑)

若い女性を殺し、人差し指を切って持って帰る「指蒐集家」による
連続殺人事件が発生・・・
捜査一課の西條は、第一発見者の交番警官とともに捜査にあたるも、
なかなか真相が掴めない・・・
続出する被害者・・・
そんな中、西條本人にも不幸が・・・って展開です。

正直、読んでる途中で犯人を思い出しちゃって。(汗)
何年も経っての再読なのに、思いだせる・・・って、
よっぽど印象的な本だったんだなぁ・・・って改めて実感。

西條自体、愛想がいいわけではないので、
まわりに反感を買ってしまっていたり、
妻子があるのに、気が休まるから・・・と不倫をしていたり、
とても褒められた人間ではないんだけど、
刑事としての能力はすごかったようで、それも反感を買ってるんだけど・・
そのことで、西條は警察を追われてしまいます。

そこから、再びの悲劇、そして、離れたからこそ見えてきたもの・・・により、
犯人にたどり着きます。
そうなると、最初から読み直したくなるもんです。
なるほど、そういうことだったのか・・・ってね。

到達した真実は後味が悪く、
まさに「後悔と真実の色」でございます。
自分の甘さ、自分が不幸にしてしまった人を想うと、
やりきれないでしょう・・・

さて、この西條のその後が描かれる続編。
すでに手に入れております。
心して読もう・・・




 
   
宿命と真実の炎




2017/5/19 読了






幻冬舎

内容(「BOOK」データベースより)
幼い日に、警察沙汰で離れ離れになった誠也とレイ。大人になって再会したふたりは、警察への復讐を誓い、その計画を着実に遂行する。一方、事故か他殺か判然としない警察官の連続死に、捜査本部は緊迫する。事件を追う所轄刑事の高城理那は、かつて“名探偵”と呼ばれた西條の存在を気にしていた。スキャンダルで警察を去り、人生が暗転した男。彼だったらどう推理するのか―。 。

 

「後悔と真実の色」からどれくらい時間が経過したのかわかりませんが、
前作が発売されたのが2009年、今年が2017年・・・
現実では8年経過してますが、
本の中ではちょこっとしか動いてないみたいです。(汗)

前回の事件で警察を辞めている西條は、警備会社勤務。
家は金持ちなんだけど、頼ることなくいたわけだ。
ある日兄が訪ねてきて、仕事を紹介してくれた・・・
ここは甘えるか・・・と転職するも、総会屋対応の「番犬」の仕事・・・
やりがいは・・・・ない・・・
そんなとき、警察官連続殺人事件が起こる・・・ってわけです。

冒頭で、警官を殺す二人組を描いています。
この二人の関係、殺さなくてはいけない理由は徐々に明らかになるんだけど、
その真実を探っていくのは、警官ではない西條・・・ではありません。
女刑事・理那です。
この理那って女がさ・・・コンピレックス抱えまくりのひねくれ女で可愛くない!
こんなんじゃ、仕事もしにくかろう・・・って思ったけど、
前作にも登場した村越刑事といいコンビになりまして・・・

いろんなアイデアや着眼点で真相に近づく理那だけど、
どうにも真実が見えない・・・
昔いた、伝説の推理屋・西條って刑事だったら
どう考えるのか・・?って思っちゃって、
なんと、いろんな伝手を使って西條にたどり着く!
根性あるよねぇ・・・
その変なコンプレックスを取り除いたら、いい刑事になるぞー!(笑)

乗り気ではなかった西條だけど、
行きつけの古本屋のもめ事を解決したことで、
自分がやりたいこと、やるべきことを見出したらしく、
理那にチカラを貸すことに・・・
そして、いよいよ真実が見えてくるんだけど・・・

途中で、あ、コイツ、もしかして・・・・?って思ったのよ。
そしたら、案の定だったわ・・・・
こりゃ、実写化は無理だね。(汗)
でもさ、そりゃ大変な思いをしたし、可哀想な境遇ではあるけど、
恨むべきはその男だけで、警官はそうでもなくない・・・?って思っちゃう。
三人の警官がしたことは、きっと「何かある」んだろうけど、
自分の不遇を人のせいにしすぎっていうか、いろいろ恨みすぎっていうか・・・
ちょっと納得いかない動機だったなぁ・・・って思った。

・・・思った・・・ら、最後にもう一捻り。
そっか、そういうことで、そういう誘導をしたのか・・・
怖いヤツやーっ!
いろんな男が餌食になって利用されて・・・
はぁ・・・、怖い・・・
ってことは、取調べでも、担当刑事が餌食になっちゃうかも・・?
こうなったら、取調官は理那にやらせるべき!!
・・・、見目麗しいのか・・・うむむ・・・男女関係なくヤラれちゃうか・・・・
たいしたタマだぜ、まったく!!

前作同様、しっかり楽しませていただきました。
西條の今後も気になるので、あんまり間をあけず、
またお会いしたいな・・・って思ってます!