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 佐藤究 

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2016/10/1 読了






講談社



内容(「BOOK」データベースより)
猟奇殺人鬼一家の長女として育った、17歳の亜李亜。一家は秘密を共有しながらひっそりと暮らしていたが、ある日、兄の惨殺死体を発見してしまう。直後に母も姿を消し、亜李亜は父と取り残される。何が起こったのか探るうちに、亜李亜は自身の周りに違和感を覚え始め―。第62回江戸川乱歩賞受賞作。




毎年楽しみにしている江戸川乱歩賞受賞作。
今作は・・・ある意味問題作・・・?
普通のミステリーではない・・・よね。
個人的印象で言うと、哲学的な、人間の根本に触れる・・みたいな、
そんな感じのテイストで、
あんまり得意ではない芥川賞寄りの・・・そんな気がしなくもない、
そんな作品です。

始まりはすごいですよ。
だって、連続殺人鬼一家の紹介から始まるんだもの。
母・父・兄・自分・・・の、殺人スタイルの分析から始まって、
ある日、兄の遺体を発見する主人公・亜李亜・・・
そして母もいなくなり、そこから「何か」に気づき、
いろんなことが明らかになっていくんだけど・・・

グロ系か?イヤミスか?と、序盤は思いつつ読み進めると・・
全然違ったテイストになっていきますよー!



ネタバレせずには何も言えないのでネタバレです。



まぁ、違和感はありましたよ、最初から。
そんなんで今までやってこれたことがおかしいよ・・・ってね。
だって、誰かが死ねば、絶対に問題になるわけで。
何も問題なしに今まで何人も殺しまくってきた家族・・・
そんなん、おかしいやん・・・ってね。

で、明らかになった「国レベル、いや、世界レベルの仕組み」・・・
実は、私もちょっとそんな風に考えてる部分があったので、
ありえない話ではない・・・って思いながら読んでました。
だって、よく「殺人鬼の分析」とかで、「こんな脳内物質が」とか聞くと、
どうやって調べたんさ!って思ってたの。
殺人を犯す人間が、平常時もそんな物質を出してるわけないわけで、
だったら、殺人を犯してすぐに調べないとわからんやろ?って思ってて、
じゃ、殺人を犯してすぐのやつを調べるって、どうやるんさ?って思うと、
そんな風に「監視・管理」してないと無理やん・・?って思ってて・・

いやーん!そうやって深く考えすぎると、病みそうよねぇ・・(汗)
大丈夫!そんなに思いつめるタイプじゃないから、私は!(笑)

で、つまりは、殺人鬼の子は、殺人遺伝子を受け継ぐのか・・っていう、
そんな考えで「育てられてた」わけです。
でも、人間には「情」ってもんがあってね。
長い時間一緒に暮らせば、非情ではいられないのさ。
そうであってほしい、いや、そうであってほしくない・・・
そんな葛藤の中、「父」はある決断をするわけです。

その父の決断を受け、亜李亜が出した決断は・・・
こんな状況で、「全部忘れて生きろ」って言われても無理よね。
立ち向かって受け入れて生きていく・・って決めたのは、
「そっち側に行かない」っていう大きな覚悟もあってのことで、
いいんじゃないかと思いました。
「父」が時間を十分にかけてきた甲斐があった・・っていうもんです。

最後の選考委員の言葉に「平成の”ドグラ・マグラ」と書かれてましたが、
まぁ確かにそんな感じではありますが、
「ドグラ・マグラ」よりは読みやすいです。(笑)
好き嫌いが出ちゃうとは思うけど、私は興味深く読み進めたし、
読後もちょっと考えさせられましたね。

次作がどうなるか・・・・ですね。
全く違うテイストでくるか、
またこんな感じか・・・
期待して待ってみましょう。