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 白河三兎 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

私を知らないで 君のために今は回る プールの底に眠る 田嶋春にはなりたくない
十五歳の課外授業 計画結婚





   
私を知らないで



2013/4/8 読了





内容(「BOOK」データベースより)
中2の夏の終わり、転校生の「僕」は不思議な少女と出会った。誰よりも美しい彼女は、なぜか「キヨコ」と呼ばれてクラス中から無視されている。「僕」はキヨコの存在が気になり、あとを尾行するが…。少年時代のひたむきな想いと、ままならない「僕」の現在。そして、向日葵のように強くしなやかな少女が、心に抱えた秘密とは―。メフィスト賞受賞の著者による書き下ろし。心に刺さる、青春の物語。




古本で購入したある本に挟まれていた出版社の刊行情報に
記載されていたこの本。
数行の案内文に心惹かれて、古本を購入してみました。

良かった!
すごく良かった・・・
青春小説という枠でくくるのがもったいないくらいの味の濃さ。
読後の余韻・・・
トータルで考えて、かなりのお気に入り小説になりました。

まず、序章はよくわからんのです。
この主人公が何を抱え、何に向かってるのか・・・
それは、物語の後の後になって見えてくるもの・・・
そして、読み終えた後、再び序章を読むと、
なるほど・・・って思えるんですよね・・・


転校を繰り返すうち、学校という狭い空間で生き抜く術を
身に着けていた主人公。
そんな「僕」の前に、孤高の少女が現れ、
そして、同じ転校生の男子も交えての話が進んでいくんだけど・・・

「僕」も、「少女」も、「転校生の友達」も、
みんながすごいものを抱えてる。
タイトルの「私を知らないで」の意味は、徐々にわかっていきます。
その「抱えてるもの」のおかげで、相手を理解できて
救えたりもする・・・・
若さゆえの行動も多々あり、
だけど、それを「ダメだよ・・・」と読み手が責める気にならないような、
そんな危うくも真っ直ぐな気持ちが丁寧に描かれている。

クライマックスは、かなりの「無茶」な展開なんだけど、
それしか方法がない!って必死になれる若者を、
なんだか応援してあげたくなるのよね・・

そして、幼かったから、気づかなかった思いを、
何年たっても克服できず苦しむ姿があって・・・
良かれと思ってしたことが、ずっと自分を苦しめ続ける・・・
切ないし、苦しいよなぁ・・・
だけど、そうすることで大事な人を救えたことに変わりはないんだから、
早く立ち直ってくれい・・と願わずにはいられません。

この作家さんの他の作品も読んでみたくなりました!




 
   
君のために今は回る



2013/4/9 読了





内容(「BOOK」データベースより)
ねぇ、銀杏。わたしたちは確かに友達だったよね?わたしが観覧車の幽霊になって随分時間が経ちました。この観覧車には変わった人がいっぱい乗ってきます。盗聴魔、超能力を持つ占い師、自信喪失した女記者、ゴンドラでお見合いをする美人医師…みんな必死にくるくる生きてる。だから今、わたしは人を思う力を信じてる。そうしたらいつかもう一度、あなたに逢えるかな?これはすれ違う人々の人生と運命を乗せて、回り続ける観覧車の物語―。




白河さん二作目。
なんとなく、この作家さんのことがわかった気がする。
辻村深月さんに似てるんだ。
だから、私は好きなんだな・・・。

不慮の事故で死んでしまった主人公。
なんと、観覧車の地縛霊になってしまうんだけど・・

話が進むにつれ、大きな秘密が明らかになります。
そして、この主人公・千穂が会いたい銀杏という人がメインで話は進みます。
観覧車に乗ってくる「オッチャン」や「かぐや姫」「化け猫」という濃いキャラも、
いろんな関わりが明らかになっていって・・・

最後は意外な終わり方をしまして、
えぇ・・・?と、ちょっと納得いかなかったりもしたんですよ。
「幸せにする」って言ったんじゃないのか!!ってね。
ま、二年の間にいろいろとわかったんだろうけどね・・・

千穂は、銀杏に会えたのかどうか・・・・
ただ言えることは、銀杏にとっては千穂が観覧車にいたということは、
大きな意味があったことで、
そのことだけでも、千穂は救われたんじゃないか・・・と思うんです。




 
   
プールの底に眠る




2013/5/19 読了





内容(「BOOK」データベースより)
13年前の夏休み最終日、僕は「裏山」でロープを首に巻いた美少女を見つける。自殺を思いとどまった少女は、私の命をあなたに預けると一方的に告げた。それから7日間、ばらばらに存在する人や思いや過去が繋がりはじめた。結末は何処に?切なさと驚きに満ちた鮮烈デビュー作。第42回メフィスト賞受賞作。




白河さんのデビュー作だそうで・・・・
この人の醸し出す「雰囲気」が、私は好きなんですよね・・・・
デビュー作から、醸し出してくれちゃってます!(笑)

まず、イルカの「死にゆく場面」の描写が良い!
そうね、こんな風に死んでいくのだとしたら、
いいかもな・・・って思っちゃう、そんなお話・・・
で、それは「イルカ」くんの考えた「お話」だった・・ってことで・・・
ん?どういうこと・・・?「セミ」ってなんだ?って感じなんだけど、
そこからは、「白河ワールド」ですよ。

個人の名称を徐々に明かすことによって、
人間関係が徐々に明らかになっていく・・・
その中で、とてもつらい事実が明らかになったり、
そっか、良かった・・・とほんわかとさせられたり・・・

辛いことから逃げる時、人はいろんな力を借りる。
そんなときに出会った二人、
そして、ホントの自分と向き合うとき・・・
それは、別れであり、出会いでもある・・・・
いつまでも「セミ」に固執する「イルカ」には辟易とさせられますが、
広い心で見守ってあげてください。
最後はホンワカしますから・・・♪

この話も好きでした。
残りの白河作品も読もうっと!




 
   
田嶋春にはなりたくない




2016/4/11 読了






新潮社

内容(「BOOK」データベースより)
一流私大の法学部に在籍する田嶋春は、曲がったことが大嫌いで、ルールを守らない人間のことは許せない。そのうえ空気も、まったく読まず、もちろん、学内に友達はひとりもいない。嫌われているともいえるし、避けられているともいえるし―。だけど、彼女はすごいんです。まったくめげない!ゴーイングマイウェイ!恋にサークル、観覧車―大学生活の断片で芽生えた謎の答えは、どれも清冽で切なくて―田嶋春が贈る青春ミステリは、癖になること間違いなし!




田嶋春には・・・・なれないな・・・・(笑)

かなり空気の読めない田嶋春という女子大生のお話。
天然か?計算か?
空気は読めてないけど、
人の気持ちはわかってるようだし・・・
不器用・・・ってことなのか?
とにかく、かなり面倒なタイプなので、関わらないのがベストかな?(笑)

でも、関わった人は結果的にいい方向に動いてるし、
タージ(と呼ばれている)のことを好きになってるので、
出会ってみたら、楽しいかもしれ・・・ない?
うむむ・・・
やぱ、私は遠慮しようかな・・・。(笑)

ただ、一本筋の通った田嶋春という女性、
他人事として観察するのなら、かなり興味深い人物!
なので、楽しんで読ませてもらいましたよ!




 
   
十五歳の課外授業




2016/6/15 読了






集英社文庫

内容(「BOOK」データベースより)
歯科医院の跡取り息子の卓郎、中学3年生。平凡な地味キャラの自覚があるが、学校一モテる美女ユーカに何故か告白され、付き合っている。ある理由から、肉食女子ユーカの猛攻を避けている中、卓郎のクラスに教育実習生がやってくる。陰気で冴えない女子大生に男子たちはがっかりだが、卓郎は彼女に見覚えがある気がして…。等身大の中学生の悩みと、それぞれの「秘密」を描くビターな青春小説。




なんか、15歳っていう時期の、
少年少女が生き生きと描かれてるなぁ・・・って思ったよ。
その周りの人たちも個性的で、
どの人も魅力的でした・・・。

学校で人気の女子と付き合ってる平凡なボク。
父は歯科医で、将来の道は決まってるボク。
そんなボクの教室に、教育実習生がやってきた・・
どこかで見たことある・・・?
この教育実習生・辻ちゃんをめぐって、
友情、恋愛、家族・・・と、ボクの周辺は目まぐるしく
変化していく・・っていうお話なんだけど・・・

なんかね、最後にこの主人公の特徴を
見事に言い表すシーンがあるんだけど、
そうなんだよ、この年頃はみんなそうだよ・・って思えて、
ある程度年を重ねると、それが些細なことだったり、
そのときだけのことだって思えるんだけど、
この年頃はね・・。

なんか、若い頃を思い出しつつ、
どっかむず痒い感覚を持ちながら読みました。
こういう作風の作家さんはあんまり読まないけど、
白河さんの作品はなぜか好き。
表現できない、複雑な私・・・・です。
・・・だって、「なんか」が非常に多いもんね、このレビュー。(笑)




 
   
計画結婚




2017/3/13 読了






徳間書店

内容(「BOOK」データベースより)
新郎新婦をとりまく人々は、戸惑いつつも船上ウエディングに出席するが―。結婚相手には深い謎があった。予測できないフィナーレが待っている!




表紙がね、ウエディングケーキを動物を捕まえる罠のエサとして
置いてある絵になってるんです・・・。
まさに、エサとしておびき寄せて・・・の結末でした・・・。(汗)

ある結婚式から始まるこの話。
新婦の親友の女性の話から、
新婦に惚れて振り回される男達や、
新郎に騙された妹の復讐をしたい男など、
いろんな人の視点で描かれつつ話が進みます。

そんな中、この新婦=静香がねぇ・・・
面倒くさい女ってことだけはわかるんっすよ。(汗)
絶世の美女、だけど性格に難アリ・・・なパターンはよくあるけど、
難、ありすぎ。(笑)

こんな面倒な友達、イヤやわー!って思いつつ、
巻き込まれてく人たちに引き込まれ、
この結婚式の顛末はどうなるのか・・・と気になり、
薄めの本なので、一気に読み進めちゃいます。

結果・・・やっぱ、この女、すげぇ・・・ってことで。(笑)
復讐してやる!じゃなく、
手に入れてやる!!なのね。
いやぁ・・すごい。
ご愁傷さま・・・と思わずにはいられない・・・(笑)