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 天童荒太 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
他にもたくさん読んでますけど、おいおい時間があったら書き足しまーす。

悼む人 幻世の祈り 復讐者の夢 贈られた手
巡礼者たち まだ遠い光 ムーンナイト・ダイバー ペインレス




   
悼む人





2012/4/5 読了




内容(「BOOK」データベースより)
不慮の死を遂げた人々を“悼む”ため、全国を放浪する坂築静人。静人の行為に疑問を抱き、彼の身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒された静人の母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・倖世。静人と彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と僧しみ、罪と許しのドラマ。第140回直木賞受賞作。


 

静人という「悼む」人のお話。
死を前に苦しむ人のまえに現れる静人。
彼を巡る旅に同行させてもらっているような、
しかし、苦しくもあり、涙なしでは読めない作品だった。

彼のように生きることは、
正直、難しいと思う・・・
だけど、こういう人がいてもいい、
いや、いてくれたら・・・とも思う。

彼を旅に終わりは来るのか・・・?と、
彼自身が「救われる」ときを、心から祈った。
素晴らしい作品だったと思います。
とはいえ、こういう話が苦手な人も絶対いるので、
自分に合うかどうか見極めて読んでいただきたいですな。




 
   
幻世の祈り 家族狩り 第一部




2014/5/7 再読了





内容(「BOOK」データベースより)
高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。児童心理に携わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。


 

1995年に刊行された「家族狩り」の文庫版ですが、
文庫化するにあたり、全面的に書き直されております。
大筋は変えてないものの、登場人物などちょこっと変えてきてるようで・・・
私はこの文庫版を5冊、確か毎月一巻ずつ発売され
全5巻、読み切りました。
このたびドラマ化されるってことで、再読しておこう・・・と思いまして、
最近、断捨離してるおかげで本の整理もできちゃってて、
5巻そろって見つかったので、早速読み始めました。

とても読みやすい文章で、一気に読ませてくれます。
児童心理に関わる游子、刑事の馬見原、
教師の巣藤の三人がメインですね。
それぞれが、いろんな出来事で関係していきます。

気になるのは馬見原の奥さん・・・
今作の終わりに起こった事件のせいで、
きっと馬見原は家に帰れないでしょう・・・
心の病を治して退院してきた奥さんを、また放っておくのかしら・・・?
また再発しちゃうぞ・・・?
しかもさ、妻の病気の最中に浮気しちゃうあたり、コイツは許せんわ。(汗)

巣藤は・・・まぁ、いまどきの教師っていうか・・・
事なかれ主義というか、自分本位というか・・
そのせいで游子に目の敵にされてましたけど・・・
あの女生徒の「知られたくない部分」を見ちゃったという実感もないようで・・・
さらにもめそうな気もするんだけど・・・(汗)

游子は、仕事第一!っていう女性で、男女差別にも厳しい女性ですね。
とっつきにくそうですが、誰よりも少年少女のことを考えている人です。
馬見原の娘とも未だ関わりがあるようで・・・・
馬見原の家庭の危機にもからんでくるんでしょうか・・・?

それぞれがこれまでの人生にいろいろとあったようで、
自分の平凡さを有難く感じ入る、そんな第一巻でございました・・・




 
   
復讐者の夢 家族狩り 二一部




2014/5/8 再読了





内容(「BOOK」データベースより)
あの日の光景をふり払おうと酒に溺れていた浚介は、さらなる痛みを味わう。游子は少女をめぐり、その父親と衝突する。亜衣は心の拠り所を失い、摂食障害から抜け出せずにいる。平穏な日々は既に終わりを告げていた。そして、麻生家の事件を捜査していた馬見原は、男がふたたび野に放たれたことを知る。自らの手で家庭を破壊した油井善博が―。過去と現在が火花を散らす第二部。


 

巣藤が発見した、一家惨殺事件・・・
捜査の結果、息子が両親を惨殺したっていうことになるんだけど・・・
馬見原はそれになぜか納得できない・・・
馬見原は、自分の息子を事故で亡くしてるんだけど、
自分に反発して・・・ってことらしくて、
「息子が家族を苦しめるわけない」って思いたいんだろうなぁ・・・
しかし、捜査は打ち切られる・・・・

游子は、アルコール依存症の父から、
娘・玲子を引き離すことにするんだけど、
ちょっと無理矢理なんだよねぇ・・・
あまりにも介入しすぎてて、心配。(汗)

そして巣藤は、悪い夢を追い払うために泥酔し、
そこで若者にボコボコにされちゃって・・・
トラウマになっちゃいました。
うーん・・・どこまでも不幸やね・・・(汗)
しかも、両親ともいろいろあって孤独みたいだし・・・
大丈夫かなぁ・・・

馬見原の愛人の元ダンナが出所してきて・・・
元妻だけでなく、馬見原の家族にまで近づいてきてる・・・?
危ないなぁ・・・
退院したての奥さんを気遣ってあげてよ・・・(涙)




 
   
贈られた手 家族狩り 第三部




2014/5/9 再読了




内容(「BOOK」データベースより)
ピエロ。浚介は、生徒たちからそう呼ばれていたのだという。ふたつの事件を経て、虚無に閉ざされていた彼の心に変化が訪れていた。ピエロ。馬見原は今そう見えるだろう。冬島母子を全身全霊で守っているにもかかわらず、妻や娘との関係は歪んだままだから。また一つ家族が失われ、哀しみの残響が世界を満たす。愛という言葉の持つさまざまな貌と、かすかに見える希望を描く、第三部。


 

再び起こった一家惨殺事件・・・
またも息子が両親を惨殺・・・というもので、
息子も自殺しちゃってるんだけど、
その息子ってのが、巣藤の教え子・・・
関わろうと思えばできたのに、しなかったことを悔いる・・・
うん、何ができたわけではないかもしれないけど、
何もしなかったことって、何かが起こったあとになると、
いろいろと考えさせられるんだよねぇ・・・・(汗)

この作品の中では、ある人物が「愛とは」という質問を
被害者たちに投げかけながら拷問をする場面があるので、
「真犯人がいる」ってのは読者にはわかってるんだよね。
だから、もどかしさもありつつ・・・・なんですよ。

馬見原は、冬島母子を守ろうと必死。
確かに油井は危ない男だけどさ・・・
アンタが守らなくちゃいけないものって、そこだけなん・・・?
やっぱ、この人には共感しづらい。(汗)

游子自身もいろいろありましたねぇ・・・・
なんか、胡散臭い「電話相談室」のオバハンともめちゃって・・・・
この人の言葉って、正論だけど偽善者くさいっていうか・・・・
うーん・・・

そして馬見原はある人物に目を付け始める・・・・
なるほどねぇ・・・・
先が気になるのでスイスイ読めちゃいます!




 
   
巡礼者たち 家族狩り 第四部




2014/5/10 再読了




内容(「BOOK」データベースより)
孤立無援で事件を追う馬見原は、四国に向かった。捜査のために休暇を取ったのだ。彼はそこで痛ましい事実に辿りつく。夫に同行した佐和子は、巡礼を続ける者の姿に心を大きく動かされていた。一方、東京では、玲子のことを心配する游子と、逃避行を続ける駒田の間に、新たな緊張が走っていた。さまざまな鎖から身を解き放ち、自らの手に人生を取り戻そうとする人びと。緊迫の第四部。


 

馬見原が目を付けた、害虫駆除の男・大野・・・
確かに怪しい・・・
だけど、証拠がねぇ・・・
馬見原の部下は、この男に心酔しちゃってて、
馬見原は一人で四国に行ってこの男の経歴を調べ始めるんだけど・・・

馬見原の妻は、夫に同行し、そこで巡礼の人たちとふれあい、
自分の生きる道を見つけ、離婚を言いだしてましたね。
馬見原もそれをちゃんと受け止めようとしていたのに・・・
冬島親子のことが気になって、邪険にしちゃうの!!
最低よねぇ!!
もう、許せんわ、やっぱり!!

確実に怪しい人物が二人確定・・・・ですね。
何を考え、どんなふうにそこまでいたるのか・・・・
最終巻にて明かされるのかな・・・・?

游子は、駒田父子に振り回されてますね。
やっぱり、最初のコンタクトが間違ってたかなぁ・・・て思っちゃうね。
父にも娘にも嫌われちゃってるやん・・・
アンタが関わって、いい方向に向かうとは思えないんだけど・・・・(汗)

巣藤は、田舎の一軒家を借りて、なんだか明るく過ごし始めました。
前向きになったことで、ある女生徒と関わろうとするんだけど・・・
かなり危険は話になってまいりましたね・・・
心して最終巻を読もうと思います。



 
   
まだ遠い光 家族狩り 第五部




2014/5/11 再読了




内容(「BOOK」データベースより)
浚介は游子の病室を訪れた。二つの心は、次第に寄り添ってゆく。山賀と大野は、哀しみを抱えた家の扉を叩く。ふたりの耳は、ただひとつの言葉を求めている。冬島母子をめぐり争い続けてきた、馬見原と油井。彼らの互いへの憎しみは、いま臨界点を迎えている―。悲劇によって結ばれた人びとは、奔流のなかで、自らの生に目覚めてゆく。永遠に語り継がれる傑作、第五部=完結篇。


 

終わりました・・・
5巻、一気読みでした。
だけど、「読んだ事」に対する疲労はありません。
ただ、たくさんの人生を垣間見たような、
同じ時を過ごしてきたような、そういう徒労感はあります。
最終的に、すべてが「解決」したわけではないから・・・・

馬見原にも、これまでしたことの「報い」のような出来事が起こります。
でも、家族としては、このことで一歩進めた気がします。

今までの事件の真犯人は、
自論を駒かに説明してくれます。
納得いくような、いかないような・・
いや、こういう手段ではダメだったと思うのよ。
だけど、じゃ、どうすれば「救えたか」と言われると、
明確な答えは出ないわけで・・・

人間が同じでないように、家族もまた、同じものなんてありえない。
自分の想いを相手に転嫁してはいけない。
血反吐を吐くほどの苦しみを味わった人間だからこそできることを、
履き違えてしまったのかもしれないね。

巣藤と游子も、明るい光が見えてきた。
それぞれに、まだ遠い光が見えてきている。
その光を目指して、見失わず、「誰かと」生きて行ってほしい。
人間は一人じゃない。
家族という集合体は、そんな人間の集まりなんだ。
そのことを心の奥において、それぞれが歩いていってほしい。




 
   
ムーンナイト・ダイバー




2016/4/22 読了





文藝春秋

内容(「BOOK」データベースより)
だからこそ潜るのだ。誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。3・11から五年目となるフクシマ。非合法のダイバーは人と町をさらった立入禁止の海に潜降する。慟哭の夜から圧倒的救済の光さす海へ。鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たな代表作誕生。


 

天童さんの「東日本大震災」を題材とした小説です。

福島第一原発に近い地域は、
あの事故のせいで、あのときのまま、止まっている・・・
大事な人の「何か」・・・何でもいいから、見つけてほしい・・・
その気持ちはよくわかる。
津波で海に流されたものの中に、何かあるのでは・・?って想いから、
ダイバーに頼んで、夜、月明かりのもと、潜ってもらう・・
その仕事を引き受けたダイバーが主役のお話・・。

フィクションではあるけど、本当にこんなこと、やってる人がいるかも・・って
考えてしまったな・・・。
だけど、かなり危険度の高い仕事・・・
いくらお金を積まれても、無理だわ・・・って思うけど、
このダイバー・舟作は、自分が生き残ることになった経緯など、
今、生きているということをまだちゃんと受け入れられてないから、
死地で仕事をすることで、生を感じるっていうか、
普通に生きてられなかったんだろうねぇ・・・

だけど、ある女性との出会いで、
生きてるということ、生きていくということに
ちゃんと向き合うことができたようで・・・

人の為になる仕事だけど・・・
あまりにも危険すぎるので・・・辞めた方がいいよね・・(汗)
こっそり、個人の手で・・・ではなく、
ちゃんと国が動いてやるべきことなんだよなぁ・・・




 
   
ペインレス






2018/5/4 読了





新潮社

内容(「BOOK」データベースより)
テロによって体の痛みを失ったその青年は、麻酔科女医にとって舌なめずりするような実験台だった―。


 

久しぶりの天童作品。
なんとも疲れる作品だった・・・(笑)

心の痛みを感じない女性と、体の痛みを感じない男性・・・
二人が出会う、その先は・・・って感じでしょうか。

男性は後天的、女性は先天的・・・
ここが大きな差ですよね。
事故のトラウマで無痛症になった男性は、
何かがキッカケでまた痛みを感じるかもしれないわけで。
心の痛みを感じない女性は、もう、ほぼほぼサイコパス。(笑)

でもさぁ・・・痛みを証明したいからって、そこまで「性」をからめます?
ってか、「性」でしか証明できない?
究極はそうなのかもしれんけど、
いつまで、そこまでやるんじゃい・・・って思っちゃった。

上巻は男性を、下巻は女性を過去から描いておりまして、
どっちも、何を抱えてるのかは明らかになるんだけど、
その先・・・ですよ。
どうしたいのか?って知りたくて読んでたんだけど、
最後はそうなるんかい・・・っていうね。
結局犠牲になっちゃった・・って気がしてならん。

女は怖い。
心の痛みを感じないほうが怖い。
そういう結論かな?(笑)