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 辻村深月 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
作品は全部読んでますけど、機会があればおいおい感想を記載していきます。

冷たい校舎の時は止まる 子どもたちは夜と遊ぶ 凍りのくじら ぼくのメジャースプーン
ツナグ 鍵のない夢を見る 島はぼくらと 盲目的な恋と友情
ハケンアニメ! 家族シアター 朝が来る きのうの影踏み
東京會舘とわたし (上・下) クローバーナイト かがみの孤城





   
冷たい校舎の時は止まる








2009/10/ 読了




雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた
8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。
凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを
思い出す。でもその顔と名前がわからない。
どうして忘れてしまったんだろう―。
第31回メフィスト賞受賞作。



ファンタジーなのか・・・ミステリ・・・?と
まだつかみきれないまま読み始めていくと・・・
先が気になって、あっという間に最後まで読んでしまいました。

自殺した同級生の名前が思い出せない・・
この中の誰が・・・?
そして、こんな状況になってるもととなってることとは・・?と、
気になって気になって、一気読みです。

面白かったんですけど・・
とにかく、登場人物が多い!
もうちょっと絞ってもよかったんじゃないかなぁ・・・と思う。

そして、辻村さんは、いろんな作品に過去の作品をリンクさせていきます。
なので、順番を考えて読んだほうがいい作家さんです。


 
   
子どもたちは夜と遊ぶ







2009/11/ 読了




大学受験間近の高校三年生が行方不明になった。家出か事件か。
世間が騒ぐ中、木村浅葱(あさぎ)だけはその真相を知っていた。
「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番ーー」。
姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。
孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。



自分の目的のために人を殺していく・・・
そこがどうしても引っかかってしまった。
それでも、その部分が痛いほどに描かれていれば別だけど、
どうも軽く流されてる感じがして・・
ここまでやって、最後はどうなるのさ・・と思ってたら、
なんだかハッピーエンド・・・
うーん・・・それでいいのか?
いいのか。
いや、いかん!と、何だか一人で悶々としてしまった。(笑)

しかし、相変わらず長いよな・・・。



 
   
凍りのくじら





2009/11/ 読了





藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。
高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う
1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。
そして同じ頃に始まった不思議な警告。
皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。




各章のタイトルは、ドラえもんのヒミツ道具の名前。
それがいい感じで内容を表してして、気持ちいい。(笑)
そして、藤子・F・不二雄が「SF」を「少し・不思議」と表現したように、
主人公は自分を取り巻く人々を「少し・○○」と表現するんだけど、
それがとってもピッタリ!
人を見る目があるんだね、この子は・・。

そして、出会った人たちとの関係が複雑に絡み合って行き、
最後はなるほど・・・と思わせる結末・・・。
相変わらず、読ませる力がすごいです。
あっという間に読み終えました。
そして、かなりポロポロと泣かされましたよ・・・。


 
   
ぼくのメジャースプーン





2009/11 読了




ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった
ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんは
ショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。
彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。
チャンスは本当に一度だけ。これはぼくの闘いだ。



条件ゲーム提示能力・・・不思議な能力を備えた少年が、
大切なお友達のためにある復讐を思いつく・・・・
だけど、カレはあまりにも幼い。
その能力の使い方を、カレはまだ知らない・・・
だから、「先生」のもと、どうやって使うべきか悩み、考える・・

この少年が大切なお友達である少女を思う気持ちが、
とっても可愛くて、だけど、持ってる能力はちょっと怖くて・・
こんな、呪いみたいなことを知らずにかけられてるとしたら、
本当に恐ろしいもん。(汗)

だけど、復讐するために悩み、考え、成長していく少年。
最後に少年が発動した「言葉」は・・・。

ほんと、よくできたお話です。
「復讐」って言葉を使っちゃったせいで、少年の恐ろしい話と思われちゃ
困るんですけど、(笑)
とってもいいお話です。
私はとっても好きです♪



 
   
ツナグ




2012/10/30 読了





内容(「BOOK」データベースより)
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。




松坂桃李くん主演で映画化されるこの小説。
原作の使者(ツナグ)と桃李くんのイメージはピッタリ!
是非、DVDになったら見よう。(映画館に行かんのかいっ!(笑))

ツナグという使者の力で、死んだ人に会える・・
ただし、一生に一回しか使えないし、
死者側も、一人に会っちゃうと、もう誰とも会えない・・
この先、誰かに会いたくなるかもしれない、
そして、相手の「一回」が自分でいいのか・・・
そんな悩みを乗り越え、会いたかった人に会える・・・
そんな、夢のようなお話。

ただし、会ったからといって、全員が幸せになるかといったら、
そうではない・・・
女子の親友の話はつらかった。
残されたほうもだけど、最後だからと会った女の子の想いを考えると・・
だけど、だいたいは「会ってよかった」んじゃないでしょうか?

最後は、ツナグが、ツナグになる話・・
ツナグ自身の会いたい人のお話へ・・・
この「チカラ」を手に入れるってのは、かなり大変だけど・・
アユミくんには頑張ってほしい。
そして、出来る限り、お祖母ちゃんにはそばにいてあげてほしい・・
もう少し、一緒にいてあげてほしい・・。



 
   
鍵のない夢を見る




2012/9/9 読了




内容(「BOOK」データベースより)
望むことは、罪ですか?彼氏が欲しい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい。そんな願いが転落を呼び込む。ささやかな夢を叶える鍵を求めて5人の女は岐路に立たされる。待望の最新短篇集。




直木賞受賞作品・・・
だけど・・・
うーん・・・せっかくくれるなら、「ツナグ」でもよかったかな・・・と。
女性のいろんな暗い面を描いていて、
読んでいて気持ちのいい話ではないし、
個人的には「ツナグ」のほうがよかったかな・・・と。
でも、いつか取ってほしいと思ってた作家さんなんで、
めでたくはある。

私は・・・最後の「君本家の誘拐」がドキドキしちゃいました。
育児ノイローゼという人音で片付けられちゃいそうだけど、
誰しも、こうならないとは限らない・・
そういう意味では、全編、そう言える。
誰しも、こういう状況に陥ってしまうかも・・・かも・・
そういうところが、直木賞・・だったのかな?



 
   
島はぼくらと




2013/6/11 読了




内容(「BOOK」データベースより)
母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。故郷を巣立つ前に知った大切なこと―すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。直木賞受賞、第一作。




「島」という閉ざされた環境。
高校がないため、いつから出ていかなくてはいけない場所であり、
戻ってくるかどうかは、まだわからない・・・・という、
特別な環境で育った少年少女のお話。
私は島育ちではないので、この気持ちを完全に理解は
できないのかもしれないけど、
揺れ動く気持ちは伝わってきましたね。

それぞれの悩み、想い、そして周りの人たち・・・
生き生きと描かれていて、
まさに青春小説!なんだけど、
ちょいちょい辻村さんらしいところや、
懐かしい人が登場して来たり・・・と、
辻村作品をずっと追いかけてきたものにとっては、
十分楽しめるお話でした。
清涼感は抜群ですが、
「黒辻村」のほうが好きな方は、物足りないかもね・・・(笑)




 
   
盲目的な恋と友情




2014/5/26 読了




内容(「BOOK」データベースより)
一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の親友の女。恋にからめとられる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への―。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書き下し長編。




ほほぉ・・・・イヤミスですなぁ・・・・
前作が爽やかだったから、ギャップがハンパねぇす!(笑)

盲目的な恋・・・ってのはわかるの。
恋のせいで回りが見えなくなる・・・ってのは、想像できるの。
よくあることかなぁ・・・って思うし。
なので、「恋」と「友情」の2篇からなりますが、
「恋」部分は「フリ」ですね。(笑)
「友情」部分が、おいおい・・・っていうことになります。
ま、「恋」の中でその危なさは十分に描かれてるんだけど・・・

盲目的な友情・・・
なんか、怖いねぇ・・・
あんまり好かれるのも・・・って感じで。(汗)
鈍感すぎると罪かもなぁ・・・とも思う。
早い段階で「コイツ、あぶねぇな・・・」ってわかりそうなもんだし・・・(汗)

最後は、「そこまでやるか・・・」な終わり方。
まさに「盲目的」ですな。
一気に読める作品です。




 
   
ハケンアニメ!




2014/10/17 読了




内容(「BOOK」データベースより)
伝説の天才アニメ監督王子千晴が、9年ぶりに挑む『運命戦線リデルライト』。プロデューサー有科香屋子が渾身の願いを込めて口説いた作品だ。同じクールには、期待の新人監督・斎藤瞳と人気プロデューサー行城理が組む『サウンドバック 奏の石』もオンエアされる。ネットで話題のアニメーター、舞台探訪で観光の活性化を期待する公務員…。誰かの熱意が、各人の思惑が、次から次へと謎を呼び、新たな事件を起こす!anan連載小説、待望の書籍化。




お仕事小説・・・なんですよね。
で、アニメ業界・・・
正直、あんまり興味が湧かなくて・・・
辻村さんの作品は新作が出たら買うようにしてるんだけど、
コレは手が伸びず、図書館で順番待ちしてました・・・

読み始めると・・・
やっぱり、この業界のことはサッパリわからんし、
興味もわいてこなくて・・・
しかも、大事な場面で仕事を放りだす監督の話で、
読み進めるのに時間がかかりましたよ。

だけど!第2章の瞳監督の話からは、スススー!と読めました。
アニメがどんな風に作られてるのか、
どんだけの人が関わってるのか・・・
あの「動く絵」の中に込められた思いをぶつけられて、
今後、アニメを見る目が変わるのは間違いないです!!(笑)

「神様、アニメをありがとう!」という瞳の最後の言葉は、
全然アニメに興味がない私の涙も誘いましたよ。
そんな風に思える仕事に出会えて、幸せな人だなぁ・・・って。

そして、この作品に出てくる、アニメに関わる人たちは、
みんなアニメを愛していて、
それぞれの熱い思いが、ときにはぶつかりあったりしながら、
作品を生み出していくんです。
気に食わないことがあっても、根底にある「アニメ好き」を感じられたら、
先にある目標のために一緒に歩いていける・・・
そんなのもガシっ!と伝わってきて、
ほんと、羨ましくなっちゃいました。

三人の女性と、その周りの男たち・・・という三章から成り、
それぞれの生き方が描かれてますが、
どれも微笑ましく、仕事だけでなく恋も描かれてて、
やっぱり、女子は恋もモチベーションの一つだよね!ってことで・・・(笑)

熱い熱い思いが封じ込められた一作です。
お仕事してる人も、してない人も、
こんな世界があるんだな・・・と思えるだろうし、
一生懸命頑張ってる人たちが生み出すキラキラ輝く作品が
作られていく様を感じ取れるような、そんな作品でした。

先入観ナシに読むと・・・・
辻村深月・・・っていうより、有川浩・・・って感じちゃうかも?
最後まで読むと、やっぱり辻村さんらしいな・・・って思いますけどね!




 
   
家族シアター




2014/11/17 読了





内容(「BOOK」データベースより)
お父さんも、お母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも、娘も、息子も、お姉ちゃんも、弟も、妹も、孫だって―。ぶつかり合うのは、近いから。ややこしくも愛おしい、すべての「わが家」の物語。




さまざまな家族を扱う短編集。
「タイムカプセルの八年」は、アンソロジー「時の扉」で既読でしたが、
他のものは未読でした。

『「妹」という祝福』・・・は、なんか、わかるな・・って思って読んでた。
私も姉がいる姉妹で、
姉が人気のある華やかに生きてた人で、
私は地味に生きてた人間だったので・・・
女同士は、血がつながってても意識しあうんですよね。
メンドくさい生き物なんです。(笑)

姉妹モノでいうと、「1992年の秋空」もそう。
これも、「わかる!」って思ってた。
相手にあって、自分にないもの・・
それを羨ましがってたなんて、知りもしなかった・・ってこと、
最近、私も姉と話をしてて、
お互いの名前をそれぞれに「いいなぁ・・」って思ってたことを知り、
懐かしく思ってしまったもん。

一番のお気に入りは、
短めの短編だけど、最後の「タマシイム・マシンの永遠」です。
さすが藤子作品好きの辻村さん!っていう話。
こういう出会い、そして、今・・・
ずっとずっとお互いに持ち続ける「想い」・・
素敵だよなー!
こんな両親に育てられる子は、きっといい子に育つだろうね!
最後に心がポッ・・・と明るくなる作品でした!

あとは、姉弟、母娘、、祖父と孫娘のお話でしたけど、
ちょっと不愉快な気分にさせられるのもあったりで、
個人的には当たりはずれがありましたけど、
「家族シアター」という作品としては、素敵なものだと思います。




 
   
朝が来る




2015/6/21 読了






文藝春秋

出産を巡る女性の実状を描く社会派ミステリー
親子3人で平和に暮らす栗原家に突然かかってきた一本の電話。電話口の女の声は、「子どもを返してほしい」と告げた――。




子供が出来なかった夫婦が、
特別養子縁組で養子を迎え6年が過ぎた・・・
ある日、「子供を返してください」と電話がかかってくる・・・
それがダメならお金をくれ、全部周囲にバラされたら困るだろ・・?と
脅してきた・・・

会ってみると、子どもを受け取った当時に会ったことのある「彼女」とは
別人にしか思えなかった・・・
「あなたは誰・・・?」と聞く夫婦・・・
そんなところから始まる、二人の「母」の物語。

こういう難しい題材にミステリーを入れてくるのは
すごいなぁ・・・って思ったよ。
この人は誰・・・?
一体何があって、今、そんなことになってるの・・・?
で、どうなっちゃうの・・・?と、いろいろ気になって一気読みです。

「育ての母」の部分では、
夫婦二人の生き方、不妊治療、養子縁組まで・・・と、
まぁ、ドキュメンタリーでも何度も描かれてきたような
そういう話が書かれていて、目新しさはないものの、
かなりの苦しみや悲しみ、絶望を越えての選択・・ということは
伝わってきました。

そして、「生みの親」部分は・・・
厳格な親、出来のいい姉、背伸びしたい年頃、無知・・・
いろんな要素がこの子の中学生時代には混在していて、
それが一番最悪な形としてできてしまった・・・って感じでしょうか。
こんな幼い子が一人で選択できるわけがない状況。
親として、選べる道はそこにしかないのはわかるけど・・・
「自分がこうならなかった場合の自分」を見てる親・・っていう部分が、
あぁ・・・すごくわかりやすい表現だな・・・って感心したの。
それを自分自身もきっと妄想したはず。
親もしてるはず、そして、現実を見て何度もガッカリしてるはず・・・と
何度も何度も実感してただろう・・・

親も、姉も、恋人も、一番大変な時にそばにはいてくれなくて、
道を選択したり見つけたりするために手段さえも知らず、
ただただ一人で生きてきた彼女の、「今」。
その先の、再会・・・
なんて切ない人生なんだろう・・・・
バカだね、アホやな・・・では片付けられないです・・・。

だけど、養子を迎え、家族として真っ直ぐ生きていこうとする「親」は、
しっかりと考え、準備し、生きてきた二人でした。
だからこそ、息子を第一に考え、目の前の人を疑ったし、
その後、ちゃんと見つけてくれた・・・

そこにあったんだよ、「あなた」が。
あなたがあなたとして生きた結果が、
あなたが誰かの大切な誰かである・・・ということが。
暗くて長い、先の見えない絶望の闇が明け・・・
朝が来た。
そんなエンディングです。

子を授かり、産み育ててる辻村さんの渾身の一作。
しっかりと読ませていただきました。




 
   
きのうの影踏み




2015/10/13 読了






角川書店

子どもの頃、流行っていたおまじないは、嫌いな人、消したい人の名前を書いた紙を十円玉と一緒に十日間続けて賽銭箱に投げ込むことだった。ある日、子どもたちは消えた子どもについて相談していて……(「十円参り」)。あるホラー作家が語る謎のファンレターの話を聞きぞっとした。私のところにも少し違う同じような怪しい手紙が届いていたからだ。その手紙の主を追及するうちに次々と怪しいことが連続し……(「手紙の主」)。出産のため里帰りしていた町で聞いた怪しい占い師の噂。ある日、スーパーで見知らぬ老女を見かけた瞬間、その人だと直感し……(「私の町の占い師」)。
怪談専門誌『Mei(冥)』に連載した作品ほか、書き下ろしを収録した全13篇。人気絶頂の著者が、最も思い入れあるテーマに腕をふるった、エンターテインメントが誕生しました。




辻村さんの怪談話の短編集ですね。
とっても短いものから、ちょっと長めの短編まで、
たくさんのお話が収録されています。
仲には実体験もあるとか・・・。

一番怖かったのは、「ナマハゲと私」ね。
だって・・・怪談っていうか、ホラーですもん!!
もう、これからはナマハゲを軽い気持ちで見られないわ・・・。(涙)
「殺したもの」も短いからこその余韻があったわ・・・
一体、何を殺してもーたんや・・・?
もう、ちっちゃい虫を殺せなくなるーっ!!(涙)

「だまだまマーク」と「私の町の占い師」は、実話なんですって。
「〜占い師」の方は、そうだろうなぁ・・・って話なんだけど、
「だまだまマーク」も??
怖いですやーん!
そんな木、どこにありますのーん??って感じで!!(恐)
絶対近寄りたくないんで、教えてください。(笑)

最後の「七つのカップ」は、最後の最後でちょっと心温まる系で、
救われたわ・・・
まとめ方が上手で、読ませ方もお上手でした・・・。




 
   
東京會舘とわたし (旧館・新館)






2016/9/10 読了






毎日新聞出版

ここは夢が生まれる場所。
華やかなる“社交の殿堂"。
大正、昭和、平成という時代を情熱的に生きた人々を、鮮やかな筆致で描き出す。直木賞作家が贈る、一つの建物の〈記憶〉をたどる長編小説。
大正11年、丸の内に落成した国際社交場・東京會舘。
海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー……。変わりゆく時代の中、“會舘の人々"が織り成すドラマが読者の心に灯をともす。




正直、「東京會舘」っていう存在すら知らなかった私。
東京都民ですが、都心にはほとんど足を運ばないもんで。(汗)
芥川賞直木賞の記者会見は毎度見てるのに、
あの会場が東京會舘だったとは・・・
なんか、読み進めてるうち、感慨深くなっちゃって、
建て替えの前に、一度見てみたかったなぁ・・・って思った。
だけど、思い入れや想い出のある人に申し訳ないかなぁ・・・
こんな軽い気持ちでは足を運んではいかん・・・って
そんな気持ちにもなっちゃいましたね。

「東京會舘」に関わる人たちの歴史の物語。
働く人、訪れる人、それぞれの想いが、
色鮮やかに描かれています。
とても読みやすく、その時代に思いを馳せながら、
共に時を過ごした感覚にもなれる一作ですね。

やはり印象深いのは、「新館」の作家さんの話。
辻村さんご自身が結婚式を東京會舘で行って、
数年後に直木賞受賞で戻ってきた・・ということらしいです。
「おかえりなさい」と、覚えててくれたことが嬉しかったと仰ってました。
そんなことがあったら、そりゃ思い入れも大きいでしょうね・・。

平成30年、新新館になって再び姿を現す東京會舘。
そうなったら、一度足を運んでみようかな?
プルニエやロッシニで、描かれていた料理を食べてみたい・・
そんな想いです。
・・・・時とともに薄れる可能性大なんだが・・・・(汗)
出無精ですんません・・・




 
   
クローバーナイト




2016/12/6 読了






光文社

内容(「BOOK」データベースより)
何が“普通”になるのかは、誰にもわからないのだ。ママ友の不倫疑惑、熾烈な保活、過酷なお受験、驚愕のお誕生会、そして―。保育園に通う一男一女を抱える鶴峯家。家族の幸せを守るべく、新米騎士が右往左往しながら奮闘中!VERY連載時から話題沸騰!!直木賞作家、待望の最新刊!




クローバーな夜・・?と思ったら、違ってた。(笑)
クローバーの騎士(ナイト)だったのね。
4人家族はまるで四つ葉のクローバー・・
父である自分は、このクローバーを守る騎士なんだ・・・と。

会計士の裕と自分で起業した妻・志保、
そして保育園に通う娘と息子の4人家族がメイン。
保育園に入れる大変さ、
お受験に向けての大変さ、
ママ友との付き合いの大変さ、
姑との意見の相違・・
現代のママたちが読む雑誌に連載されただけあって、
対象年齢層が限られてしまいますね。(汗)

もう子育て世代とは言えない昭和の女からすると、
大変ねぇ・・・って思うけど、実感はわかん。(汗)
でも、共働きが当たり前の世の中において、
保育園・幼稚園は絶対的に足りてないってのはわかってるので、
そうまでして・・・って同情はしちゃいますね・・。

ってことで、その対象の人が読んだらいいんじゃないかな・・・・?
あと、ここまで協力的で理解ある夫を持ってる時点で、
志保は異常に幸せなんだってことを自覚した方がいい。
これだけ恵まれてる・・・ってことで、対象年齢層の反感を買いかねない・・
そんな気もする設定でございます・・・。(汗)
特にダンナさんは「ちょっと、この本みたいなダンナがいるのよ!」なんて
言われたら・・・困っちゃうだろうね・・・。(笑)




 
   
かがみの孤城




2017/5/22 読了






ポプラ社

内容(「BOOK」データベースより)
どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探す―




辻村さんの「ファンタジー」青春小説・・・って感じ?
「冷たい校舎の時は止まる」もそんな感じだったけど、
今作には「温かさ」を感じましたね。
作家として生きてきた辻村さんの「時間」を感じました。

中学に入ったばかりで、理不尽なイジメにあってしまった、こころ。
親にも言えず、登校できす引きこもり・・・
ある日、部屋の鏡が光り、中に引きずり込まれてしまう・・・
するとそこは、城があり、オオカミの仮面をかぶった少女がいた・・・
そんな始まりでした。

そこにはこころを含めて7人の中学生がいた。
それぞれに「学校に行ってない」ようで・・・?
自分が聞かれてイヤだから、相手にも尋ねない・・・
それが、真相にたどりつくまで時間がかかっちゃう理由になったわけで・・・
みんな、優しいんだよね・・・

3月30日まで、ここで秘密の部屋の鍵を見つけろ、
見つけた人だけ、願いをかなえてやる・・ってオオカミさまは言うんだけど、
「逃げ場所」を見つけた面々は、探し物をせずに入り浸る。
居心地のいい場所・・・
この場所を失いたくない・・・
だから、カギを見つけても、ギリギリまで使わないで・・・と決め事をしたり、
それでも叶えたい願いがある人は、こっそり探し回っていたり・・。
時はゆっくりと、しかし確実に進んでいきます・・・

徐々に、この7人の関係が明らかになります。
じゃ、外の世界でも会えるかも・・・?という希望を持つも、
それはあっけなく叶わないという現実をつきつけられ・・・
どういうこと・・・?って考えた結果、ある「説」を導き出すんだけど・・・

私はこの時点で・・・いや、もっと早い時点で、
きっとこういうことだろう・・・・って予測していたので、
素っ頓狂な説を持ち出してきたなぁ・・・・って思ったよ。(笑)
後にそれが間違いって気づくんだけど・・・

最後は、ある子の行動で大パニックになります。
みんなを救いたい!!
こころの願いは届くのか・・というクライマックス。
そして最後は温かいある人の「想い」が明らかになります。
そっか、そういうことだったのか・・・
3月31日ではなく、3月30日だったのには、
そんな理由があったのか・・・ってね。

そして、エピローグ。
ある人が、ある人だった事実が明らかに・・・
これも、私は予想してたので、やっぱり・・・って思いました。
こうやってつながっていってる・・・
お別れなんかじゃなかった・・・
そして、最後は、オオカミさまの「善処」にて、
あの二人はちゃんと再会できる・・・

なんか、本当に素敵な「物語」をいただいた・・・って気持ちです。
500ページ超えの大作ですが、一気読み必至です。
是非、いろんな人に読んでもらいたいですね。