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 山田宗樹 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
リンクしていないモノは、おいおい感想を記載していきます。

死者の鼓動 百年法 (上・下) 黒い春 聖者は海に還る
ジバク 乱心タウン いよう! ギフテッド
代体 きっと誰かが祈ってる


   
死者の鼓動

死者の鼓動 (幻冬舎文庫)


2012/9/17 読了




内容(「BOOK」データベースより)
医師の神崎秀一郎の娘で、重い心筋症をわずらった玲香に、
脳死と判定された少女・社洋子の心臓が移植される。
その後、手術関係者の間で不審な死が相次ぎ、
秀一郎に社洋子と名乗る者から電話がかかってくる。
電話の相手は誰なのか、そしてその目的は―。
臓器移植という難問に果敢に挑戦する人々の葛藤と奮闘を描いた
医療ヒューマンミステリ。


 

まぁ、移植後のゴタゴタを扱うミステリーは、
あまり目新しくはないですよね。(汗)
ミステリー部分は、予想通りのオチで、
それほど心つかまれなかったけど・・・
でも、心臓病で苦しむ親友のために、
ドナーカードに移植の意思を残した少女がすぐに脳死になってしまい、
その後、「純粋な」移植が行われなかったことが、
とっても悲しくて・・・
死んだ少女はきっととっても虚しかっただろうなぁ・・って思っちゃった。(汗)
移植された方の少女の苦悩も理解できる。
そして、我が子を救いたい親の気持ちも理解できるんだけどねぇ・・
なんか、切ない話でもありました・・・。



 
   
百年法 (上・下)









2012/10/17 読了




内容(「BOOK」データベースより)
原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、
国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。
すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。
しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に
死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。
そして、西暦2048年。実際には訪れることはないと思っていた
100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。
経済衰退、少子高齢化、格差社会…国難を迎えるこの国に捧げる、
衝撃の問題作。


 

これは・・・・今年の一番は「ソロモンの偽証」だと思ってたけど、
これもなかなか捨てがたい一作になりましたよ!!

「HAVI」というヒト不老化技術が導入され、
「HAV」というヒト不老化ウイルスを打たれると、死ななくなっちゃう・・
でも、ずっと生き続けると人口が増え続けるわけで、
期限を決めるべし・・・と「100年経ったら死ななくてはいけない」と
いうことにしたんだけど・・・
いざ、100年が近づくと、最初にその期限に引っかかる人たちが
あがきはじめる・・
それは、いわゆる権力を持つ政治家・・・
もう、この保身に走るジジィたちが今に重なってしまって悲しい。(汗)
でも、結局はすったもんだで実行されることになるんだけど・・・

老いるということ、死というもの、考えさせられます。
私がこの技術を目の前に提示されたら・・・
若いまま100年生きられるとしても、やはり受け入れがたい。
老いて、死んでいく・・
そのことの尊さを感じるから・・。

そして、最後に用意されているのは、やはり・・という現実。
ウィルスっていうのが肝よね。
ウィルスを殺すための抗生剤を作っても、
その抗生剤を越えるウィルスが生まれていくように、
絶対的に続くものなんてないんだよ・・・。

最後に国民が賢明な決断をしたこと・・・
人間、捨てたもんじゃないって思える結末でございました・・。



 
   
黒い春




2012/11/7 読了




内容(「BOOK」データベースより)
覚醒剤中毒死を疑われ監察医務院に運び込まれた遺体から未知の黒色胞子が発見された。そして翌年の五月、口から黒い粉を撤き散らしながら絶命する黒手病の犠牲者が全国各地で続出。対応策を発見できない厚生省だったが、一人の歴史研究家に辿り着き解決の端緒を掴む。そして人類の命運を賭けた闘いが始まった―。傑作エンタテインメント巨編。


 

黒手病という未知の病に立ち向かう人たちのお話ですが、
まずは、何が原因なのかわからず怯え、
必至に原因を見つけても、
どう対処していいかわからず、
いろんな人が苦しんでいくんだけど・・・

ほんと、怖いよねぇ・・・
入り込んじゃって、他人事じゃない気になって、
ガクガクしながら読み進めていました。

病におびえ、戦う姿だけでなく、
夫婦や人間関係も描かれていて、
涙しながら読み終わりました・・・
一気読み間違いなしの一作です!



 
   
聖者は海に還る




2012/9/17 読了




内容(「BOOK」データベースより)
ある中高一貫の進学校で生徒が教師を射殺して自殺した。事件の再発防止と生徒の動揺を抑えるため招聘された心の専門家・比留間。彼は教師と生徒の個を失わせることで校内に平穏をもたらす。だがその比留間の奥には、かつて眠らされた邪心が存在し…。『嫌われ松子の一生』の著者が“心の救済”の意義とそこに隠された危険性を問う衝撃作。


 

こういう、カウンセリングの話って・・・
私がずっと不安に思っていたことを見事に描かれていた作品だな・・・

カウンセラーが、カウンセリングを通して、
感情に変化が起こっていくわけだけど・・・・
もし、このカウンセラー自体に問題があったら・・?ってことです。
しかも、その問題ってのは、本人のせいではなく・・・ってことで・・
いやはや、いろいろと考えさせられたよ。
怖い、怖い・・・

ま、世の中のカウンセラーさんたちはちゃんとしてるんだろうけど・・
こういう可能性もあるよ・・・というお話ですね。



 
   
ジバク




2012/9/17 読了




内容(「BOOK」データベースより)
美人妻と高収入の勝ち組人生を送るファンドマネージャー麻生貴志、42歳。だが、かつて憧れたミチルに持ちかけたインサイダー行為が、彼を終わることのない地獄へと転落させていく―。不倫、脅迫、解雇、離婚。未公開株詐欺に手を染め、保険金目的で殺されかけても、残酷な負のスパイラルは終わらない。それでも、かすかな光が残っていた。


 

好みの分厚さだったので、新刊で買ってしまった。(笑)

自業自得で転落していく主人公・・・
だけど、なんやかんやで乗り切ってるところが、
現実味がないっていうか、運があるのね・・・っていうか。(笑)

「嫌われ松子の一生」の男バージョンって感じだけど、
「松子」のほうがリアルに思えたなぁ・・・・
私が女だからか?

ちょっとイマイチ・・・な感じっす。



 
   
乱心タウン




2012/9/17 読了




内容(「BOOK」データベースより)
超高級住宅街の警備員・紀ノ川康樹、26歳。薄給にもめげず、最上級のセキュリティのために、ゲートの監視と防犯カメラのチェック、1時間に1回の敷地内パトロールを行う。住人たちは、資産はあるだろうが、クセもある人ばかり。だが、康樹は今の仕事に誇りを持っている。ある日、パトロール中に発見した死体を契機に、康樹は住人たちの欲望と妄想に巻き込まれていく―。


 

ほんとに、ご乱心なタウン・・・(笑)
こんな高級住宅街、イヤやわーっ!
そんな人たちが住む住宅街る警備する男が、
内部で起こった事件に巻き込まれていくんだけど・・・

まぁ、出てくる武器は笑えないけど、
全体的に軽いテイストでして、
読みやすい作品ですね。
分厚いですが、サラリと読めます。



 
   
いよう!




2014/3/2 読了




ページをめくってください。
あなたの心の中にいる、「忘れられない人」との物語が始まります。
100万部突破の大ベストセラー『嫌われ松子の一生』、
2013年本屋大賞ノミネート作『百年法』で
話題の著者・山田宗樹の新たなる原点にして最高傑作!
ぼくはこのとき、生まれて初めて、本物の後悔に呑み込まれていた。
だれもいない空き地で、ひとりぼっちで、冷たい風に吹かれながら。
そして、そんなぼくを救ってくれたのも、やっぱりあの人だったのだ。(本文より)
ページをめくる手をとめられない、号泣必至の感動作!


 

他人事だから楽しめた・・・かな?

厳格な父に比べ、自由でおおらかな叔父・・
そんな叔父に、小さいころイジメられてるところを助けられ、
この人のように生きたい・・・と思った少年。
その少年がオジサンになるまで・・・
その叔父さんが老いていくまで・・・が描かれています。

正直、この叔父さんにあんな風に出会わなければ、
少年は父親のように真っ当に成長しただろうに、
結構破天荒な人生になっちまったね。(笑)
小さいころの経験って、人生に大きく影響を与えるんだな・・・と
しみじみ考えちゃったわよ。(汗)

他人事だから、あらあら・・・って思いながら読み進めたけど、
これが自分の親族だったら・・・って思うと・・・
笑ってはいられないな・・・
結婚式のシーンなんて、もう、イヤだわ・・・・
あれがキッカケで離婚・・・だよね?

だけど、少年がオジサンになり、
叔父さんとの再会後・・・
やっぱり叔父さんはヒーローだったんだ・・・って思うのは、
いろいろあったけど、「カレが人生に満足してる」ってことで、
ハッピーエンド・・・かな?

個人的に、この叔父さん役を福山雅治にやってほしいと思った。
憎めないけど憎たらしい、
カッコいいけど、カッコ悪い・・
こういう役もやってほしいな・・・なんてね。



 
   
ギフテッド




2014/8/31 読了




内容(「BOOK」データベースより)
アメリカ合衆国に住む13才の少年の体内に“未知の臓器”が見つかった。以後、同様の臓器をもつ子供たちの存在が、世界各地で確認される。いつしか彼らは、羨望と畏れを込めて「ギフテッド」と呼ばれるようになった。当初は何の特徴も見られなかったギフテッドが覚醒した時、彼らを恐れ排除しようとしていた普通の人間たちがいきなり肉片と化す殺人事件が起こる。そして、ギフテッドに対する恐怖が暴走する。『百年法』を凌駕する、一気読み確実、超絶興奮の胸打つ大巨編ミステリー。


 

山田宗樹さんの最新作は、「百年法」と同じ世界観の作品。
「未知の臓器」を持つ「ギフテッド」と分類された人々の、
苦悩と混乱、そして「非ギフテッド」たちとの対立・・・が描かれてます。

この未知の臓器は腎臓に張り付くようにくっついてるモノらしく、
小学6年生のとき、全員スクリーニングにかけられて
発覚するらしいんだけど・・
「特別な人」という扱いを受けた人もいれば、
「不気味な存在」として疎まれた人たちもいて・・・

幼くして主人公の颯斗は「不気味な存在」として扱われ、
ある日、ある「出来事」を「引き起こして」しまう・・・
「奇跡のギフテッド」と呼ばれる存在になるわけだ。

何の害もない、何も特別じゃない・・・とわかれば、
とくに問題なく生きていけるじゃん?って思いがちだけど、
幼くして「ギフテッド」という「アイデンティティ」を押し付けられた人間は、
「特別じゃない」と言われたら、自分の存在意義を失ってしまうわけで・・
可哀想だよなぁ・・・

このギフテッドたちには、ある「能力」が潜んでいて・・
これがキッカケで国家を揺るがす問題に発展していってしまうわけだけど・・

オチが壮大すぎる。(笑)
まぁ、「ギフテッド」っていう設定自体が果てしないわけで、
作中でも表現されてるけど、
私たちの「常識」ではかれるものばかりではない・・・んだよね。
それを受け入れられるか、そうでないか・・・
全く受け入れないタイプの人は、読んでも面白くないかも。(汗)

ギフテッドとされる人間はどんどん生まれ、
そのうち「非ギフテッド」は淘汰されてしまうのかもしれない。
それは「進化」の過程なのかもしれない・・・
そんな世界も、あるのかもしれない・・・




 
   
代体




2016/6/20 読了






角川書店

『百年法』(第66回日本推理作家協会賞)から4年。新たに現代社会に問いかける衝撃の問題作にして、一気読み必至のエンターテインメント大作!
人工知能が実現しつつある現代に生きる全ての人に問う――「あなたは、本当にあなたですか?」
近未来、日本。そこでは人びとの意識を取り出し、移転させる技術が発達。大病や大けがをした人間の意識を、一時的に「代体」と呼ばれる「器」に移し、日常生活に支障をきたさないようにすることがビジネスとなっていた。
大手代体メーカー、タカサキメディカルに勤める八田は、最新鋭の代体を医療機関に売り込む営業マン。今日も病院を営業のためにまわっていた。そんな中、自身が担当した患者(代体を使用中)が行方不明になり、無残な姿で発見される。残される大きな謎と汚れた「代体」。そこから警察、法務省、内務省、医療メーカー、研究者……そして患者や医師の利権や悪意が絡む、壮大な陰謀が動き出す。意識はどこに宿るのか、肉体は本当に自分のものなのか、そもそも意識とは何なのか……。科学と欲が倫理を凌駕する世界で、葛藤にまみれた男と女の壮大な戦いが始まる!


 

いやぁ・・・・難解だったぜーっ!!
あたしゃ文系脳なんで、苦労しましたよ・・・。(涙)

最近の山田さんらしく、近未来を舞台としたお話。
「心」だけを体から取り出し、「代体」と呼ばれるロボットに移し、
その間、病気やケガをした「体」を集中的にケアする・・・
そんなことが可能になった時代のお話です。

まぁ、便利だろうけど・・・
私は体から心を取り出すのは怖いし、
戻れない可能性がゼロでない限り、やりたくないな・・・ってのが本音。

この代体を巡るお話・・・・ではあるものの、
序盤でもう、話は壮大なスケールに変貌していきます。
こっちから、あっち・・・なんて簡単な話ではありませんのよ!

仕組みを、量子とか何とか・・・考えたくもない語彙で延々説明され、
私の脳はパニーック!状態で、
「楽しむ」レベルではございませんで、
挫折しそうになりつつ、何とか乗り越えて読破したものの・・・

読み終わっても、ポカーン・・・な部分は多々。(笑)
ま、そこんとこはさておき、(おいちゃいかんのか?)
「人間ドラマ」として見ていくと、
まぁ、可哀想な5歳児の末路・・・でございました。

「生きていてほしい」
「生きていたい」
生に執着する人間はきっといつの時代も変わらずいるだろう。
ただ、どんな手段をもってしても生きていたいのか?と
倫理観を再認識させられる話でもあります。

私は、今ある生を、与えられた分だけ生きられればいいです。
大切な人に見送られたいし、見送りたい。
そんなことを再確認いたしました。

いやぁ・・・・しかし、分厚いし難解だし・・・
大変だったわ・・・




 
   
きっと誰かが祈ってる




2017/10/14 読了






幻冬舎

内容(「BOOK」データベースより)
親の病気や生活苦、失踪、虐待や育児放棄など様々な理由で実親と暮らせないゼロ歳から二歳までの子どもたちが生活する乳児院・双葉ハウス。ここでは、赤ちゃん一人ひとりの担当療育者を決めている。赤ちゃんに絶対的な安心感を与える“特別な大人”を、双葉ハウスでは“マザー”と呼び、赤ちゃんとマザーは擬似的な親子関係を築いていく。しかし、赤ちゃんが二歳を迎える前にその親子関係は終わることになる―子どもが物心つく前に。双葉ハウスに勤める島本温子は、保育士歴十二年。最初に担当した多喜が不幸になっているのではと思った温子はある行動に出る…。乳児院で奮闘する保育士を描く、あふれる愛の物語。


 

いろんな理由で実親と暮らせない0〜2歳児を預かって育てる乳児院。
赤ちゃん一人一人に担当者を付け、
「特別な大人」として愛情を注ぐというスタイルをとってる双葉ハウス。
新人のころ、一人の女児を担当した温子。
あるとき、ふと最初の赤ちゃん・多喜を思い出す。
あの子は幸せになっただろうか・・・・?
自分の時間を使って調べていく温子。
そのころ多喜は・・・っていう展開です。

確かに「愛された記憶」というものは大事だと思う。
人格形成に大きな影響を与えると思う。
だから、物心がつく前に別れる・・ってのも、ある意味正解だよね。
引き取ってくれた人にちゃんと懐くように・・・

多喜ちゃんは素敵な夫婦に引き取られた、
だけど、すぐにこの夫婦は事故死してしまう、
この夫婦の父親に引き取られた多喜。
それでも何とか穏やかに暮らしていたんだけど、
ある日、ある人物が登場してきて・・・

そこからの多喜ちゃんの不幸が可哀想でさ・・
共犯者になったようなことで、言うこともできず、
しゃべれなくなってしまって・・・
どんどん事態は悪化、最悪の状況へと転がっていたんだけど・・・

温子がやってきたのよね。
救ってあげなくちゃいけない状況・・・
だけど、立場はもう保護者でもなんでもない。
地域の警官や児相の担当者とコミュニケーションをとってるうちにも
時間が過ぎていく・・
多喜ちゃんが・・
救えるのか??とヒヤヒヤしながら読んでました。

多喜ちゃんにしてみたら、差し出された手は想像とは違ってたわけで、
ガッカリはしていたけど、
「愛された記憶」は彼女を強くしてくれるはず。
今度は幸せになれますように・・・。
私も祈ってますよ・・・