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 椰月美智子 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。

かっこうの親 もずの子ども どんまいっ! ダリアの笑顔 明日の食卓





   
かっこうの親 もずの子ども




2014/6/7 読了





内容(「BOOK」データベースより)
命とは、愛とは、絆とは―子育ての“今”を描く家族小説。




椰月さんの本、お初です。

ある夫婦が、結婚後、なかなか子供を授からず、
検査してみたら、夫が無精子で・・・というお話。

実際、きっと苦悩すると思う。
女である以上、子を産みたいと思うのは本能だし、
自分に原因があるわけではなく、夫に・・・となると余計にだろうし・・・
で、結果、この夫婦は非配偶者による精子の提供を受けて
子供を授かるわけですが・・・
子どもが生まれて間もなく、二人は離婚してしまいます。

私は読みながら、夫の気持ちを考えてしまった。
このお話は、妻である女性が主人公で、
女だから・・・っていう目線で描かれてるんだけど、
いざ夫の立場になって見てみると、話は違ってくるんだよ。

子どもは欲しい、でも自分のせいで出来ない、
妻は自分を責めないだろう、だけど、出来る限りのことはしたい、
必死に検査し、治療方法も調べたが最悪の結果で・・
諦めムードが漂う中、このまま二人で生きていくという道も見えたはず。
だけど、やっぱり自分のせいで・・・っていうのがあるから、
ある手段を見つけたとき、提示しないわけにはいかなかった・・・
「非配偶者から精子をもらって人工授精する方法がある」と・・・

このとき、たぶん妻の目に希望の光が宿ったのを見たんだろう。
後にカレは言うけど、「このとき否定してほしかった」んだ。
「そこまでしなくてもいいよ、二人で生きていくのもいいじゃない」ってね。
だけど、妻の目の中の光を見てしまったんだ・・・
カウンセリングを受けても、いくら話し合っても、
もう「NO」とは言えない状況・・
そしていざ生まれた子を前に・・
つい本音が出てしまうときがやってきてしまったんだ・・・
ずっと心に蓋をしていたことが溢れてしまったんだ・・・

そう思いながら読むと、なんだか不憫でね・・・
もし、妻に卵子がなく、他人から卵子をいただき、
夫の精子と受精させて、自分の体内に戻して産んだのなら・・・
自分を血のつながりはなくとも、自分のお腹から出てくるわけだから、
「母」である実感はわくと思う。
だけど、男の人はね・・・
実際に自分の血がつながった子でさえも、自分で産んでないし、
「父」として自覚するには時間がかかるような気がするのに、
自分の精子じゃないわけだからねぇ・・・

いかん、本筋からそれてしもうた。(笑)
夫がいないシングルマザーとして息子を育てる主人公が、
数多の母が乗り越えるべき苦難を人の手を借りながら乗り越え、
息子が生まれてきてくれたという純粋な「価値」を実感するお話です。
最後に悲しい話が入ってきて、
えぇ・・・・そこ、いる・・・?って気もするけど、
生まれてきても、生きていることが当たり前ではないってことを
思い知らせるためには必要なエピソードだった・・ってことで
納得するしかないっすけど・・
辛すぎましたね・・

いつか自分の出生に関わる真実を知った息子くんが、
どうか穏やかに受け入れて、歪まず育ってくれることを
祈るばかりです・・・。




 
   
どんまいっ!




2014/6/14 読了





内容(「BOOK」データベースより)
青春―。それは人生のなかで最も輝かしく希望に満ちた頃。でもキラキラしていなくったって青春なのだ!ラクダ顔のくせにイチ早く童貞を捨てたキャメル。年上の風俗嬢にハマったマッハ。初めての彼女と付き合い続けるゲイリー。それぞれに、人生の岐路はやってきて…。くだらなくも幸せな男たちの日々を鮮やかに描写した青春群像劇の傑作。




椰月さんの作品です。
青春群像劇・・・なんですかね。

始まりは、血気盛んな高校生の話で、
その後は一人ずつつながっていく話ですが、
時間が結構飛ぶんですよね。
高校生からはじまり、最後の章では、もう、
高校生の子どもがいる・・っていう年齢になってるし。(笑)

でもまぁ、読みやすいですよ。
なかなかイタイ子もいて、どーしよーもねぇなぁ・・って思うけど、
歪まずまっすぐ・・っていう子もいるしね。
いろんな子がいて、楽しめます。

それぞれが苦難にぶつかっても、
それぞれに何とか道を見つけて生きていく様は、
確かに「どんまいっ!」って感じですな。(笑)




 
   
ダリアの笑顔




2014/6/26 読了





内容(「BOOK」データベースより)
「綿貫さんち」は四人家族。「明るく笑うもう一人の自分」を空想する長女・真美。主婦業と仕事をこなしながら、揺れる40代を惑う母・春子。転校生の女子に投手の座を奪われそうな長男・健介。経理課係長の仕事に疲れ、うつ病を心配する父・明弘。どこにでもいそうな家族が、悩みを抱えながらお互いを支え合う日常を、それぞれの視点から描いた小さな宝石のような物語。




両親・姉・弟の4人家族を描いた連作短編集。

それぞれに悩んで、それぞれに「光」を見出し、
立ち止まったりしながら、進んでいくお話なんだけど・・・

特に・・・なんていうんだろ、盛り上がりはないっていか・・・
そこらへんにある家族を覗いてみたら、
ま、普通だね・・・って感じ?(汗)
物足りなさを感じてしまったわ。

それぞれに乗り越えて、それぞれに関係しあって、
そして結びつきが増していって・・・とかってのも、
そんなに感じられないんだよねぇ・・・
ずっとこんな感じなんだろうね、この家族は・・・って感じ?

ってことで・・・
このまま書いてても、同じことを書いていくだけな気がするので、
ここらで終了!(笑)

あ、そうだ!
「ダリアの花みたいな笑顔」っていうのは・・・
すごく素敵な表現だと思いました。




 
   
明日の食卓




2016/9/23 読了






角川書店

内容(「BOOK」データベースより)
同じ名前の男の子を育てる3人の母親たち。愛する我が子に手を上げたのは誰か―。どこにでもある家庭の光と闇を描いた、衝撃の物語。




いきなり、9歳の「ユウ」という息子に暴行を働く母の姿が書かれており、
グッ・・・と息をのみます。
そして描かれる3つの家庭。
その家にはそれぞれに「ユウ」という9歳の息子がいて・・
冒頭の、虐待をしてしまった母は、この中の誰か・・?
そんな想いで読み進めます。

この年頃のお子様がいるお母さんなら、
誰しもが陥るだろう、「手に負えない息子との戦い」。
それぞれの母の気持ちはよくわかって、
男の不甲斐なさを感じつつ・・・

それでも、最悪の事態にまで達しなかった家族との違いは
何なんだろう・・・?って考えさせられた。
やっぱり、社会とのつながりは大事だね。
決して一人ではない・・・ってこと。
最後にそれぞれの家族が到達した道は、
それぞれに考えさせられるものがありましたね。

どんなに貧しくても必死に生きる母の姿を見ていたユウや、
自分たちのことで言い争い、両親が壊れていく様を見ているユウ、
冷めた目で世間や人間を見つめているユウ・・・
どのユウも、ちゃんと育つといいなぁ・・って思うけど、
あの「ユウ」だけは心配ね・・
親も変な方向に逃げてる気がするし・・
さらに生まれくる命を傷つけはしないか、心配です・・・。

一日一日が本当に闘いで、
それぞれに、なんとか踏ん張ってほしい。
誰しもが陥る状況なんだ、あなただけじゃない・・・って思う。
そんな想いで読み終わりました。
明日の食卓を迎えられることの幸せを、しみじみと感じつつ・・

最終的にユウを殺めてしまった母も、
殺したくて殺したわけではなく、
誰しもこうなったかもしれない可能性を秘めていて、
ほんと、ギリギリで子育てをしてるお母さんがたくさんいるんだよね。
そんなとき、泣きつける場所や人がいてくれたらいいんだけどね・・・。
ガンバレーっ!!!