TOP > 作家別一覧 > 米澤穂信

 米澤穂信 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
他にも読んでますが、機会があれば記載します。

満願 王とサーカス 真実の10メートル手前 いまさら翼といわれても





   
満願




2014/5/30 読了





内容(「BOOK」データベースより)
人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリ短篇集の新たな傑作誕生。




米澤さんの短編集です。
全編通してのテーマは、「願いをかなえるためには・・・」ってことですね。
それぞれに、かなり「無理がある自分勝手な叶え方」でして、
怖いやら、呆れるやら・・・です。

私は、冒頭の「夜警」に引き込まれました。
警官としての「素質」に欠ける部下と、見守る上司のお話。
その部下が殉職した・・・
その事件に隠された真実とは・・・というものだけど、
なるほどぉ・・・・そういうことか・・・って思ったもの!

そのあとのお話も、短いものもあれば、ちょっと長めのものもあり、
マンネリ化しないで読ませるものばかりです。
どれも、「そこまでやる・・・?」って思うものばかりで、
「柘榴」は、娘の「想い」を知らない母が哀れで・・・
一番悪いのは父親だけどね!!!

「万灯」は、「自業自得」というか、「罰があたった」というか・・・
で?どうなったの??ってその先が気になるお話でした。

どれもとても面白かったです。
この作家さんは、「インシテミル」や「ボトルネック」など、
いくつか読んできましたけど、この作品が一番好きですね。
これはオススメです!




 
   
王とサーカス




2014/8/27 読了






東京創元社

内容(「BOOK」データベースより)
二〇〇一年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。太刀洗はジャーナリストとして早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑うかのように、彼女の前にはひとつの死体が転がり…。「この男は、わたしのために殺されたのか?あるいは―」疑問と苦悩の果てに、太刀洗が辿り着いた痛切な真実とは?『さよなら妖精』の出来事から十年の時を経て、太刀洗万智は異邦でふたたび、自らの人生をも左右するような大事件に遭遇する。二〇〇一年に実際に起きた王宮事件を取り込んで描いた壮大なフィクションにして、米澤ミステリの記念碑的傑作!




実際に起こった、ネパール王宮殺人事件がもとになったお話。

序盤は、主人公である記者・大刀洗が、
あてもなく、目的も見いだせずブラブラ・・・っていう展開で、
ちょっと退屈ではあるものの、
王宮での惨殺事件が発生し、
章のタイトルでもあり、本のタイトルでもある「王とサーカス」の章に入ると、
一気に物語がミステリーを帯びてきて、加速します。

王宮で起こった殺人事件を記事にするために動く大刀洗だけど、
違うことに巻き込まれて行きます。
そこに隠されたいくつもの思惑に振り回されるのですが・・・

何より、「王とサーカス」の章で大刀洗に突き付けられた、
「伝える意味」が重かったですよね。
このことは、最後まで大刀洗への「問い」となり、
これからの道筋へとつながっていきます・・・

自国で起こったことを、他国のジャーナリストが伝えることの意味。
伝えることで何が変わるのか?
何故、伝えたいのか・・・
知る側の人間である私も、考えさせられました。

そして、ある登場人物が大刀洗に説きます。
なるほど・・・と思う反面、その後の展開で虚しさを感じる・・・
一方の側面だけでは、人も国も語れない。
だからこそ、たくさんの人の目で伝える意味があるんだ・・
うん、なるほど・・・・でした。

しかし・・・辛い展開でしたね。
ある人の「思惑」は、かなり早い段階で気づいていたので、
やっぱりか・・・・だったんだけど、
最後のある人の「想い」は、痛かった。
大刀洗は好き、だけど、大刀洗がやることは嫌い・・・
矛盾しながらも、彼なりの想い・・・

それもこれも全部受け止めて、一歩成長した大刀洗・・・ってことかな?
お気に入りの作品となりました・・・。




 
   
真実の10メートル手前




2016/2/11 読了






東京創元社

内容(「BOOK」データベースより)
高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める…。太刀洗はなにを考えているのか?滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執―己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、本書のために書き下ろされた「綱渡りの成功例」など。優れた技倆を示す粒揃いの六編。




「王とサーカス」の大刀洗万智がメインの短編集。
いくつもの事件に、大刀洗が独自の目線で真実を見つめます。

最後の「綱渡りの成功例」。
これは・・・・明らかにすべきなのかなぁ・・って気もしたけど・・・
ご本人たちの心の中に罪悪感がずっと残って
苦しめることになるかもしれないし、
憶測でさらに傷つく可能性も無きにしも非ずってことで、
大刀洗ならひどい記事は書かないだろうから、
その方がいいのかもね・・・。

「名を刻む死」は以前から私も疑問に思ってたことでして。
定年まで仕事を全うしても、その後は「無職」となってしまうんだよね。
なんか、「無職」に代わる、違う言い方ってないもんかなぁ・・って
ずっと思ってるんだけど・・・
あ、ちょいと話が反れましたが・・・
あまりにも「肩書」に固執する可哀想な老人の死で・・・
その執念に触れてしまった少年の気持ちを
大刀洗が救ってくれたことは良かったですな。

「正義感」は・・・
すごいよねぇ・・・いろんなところにアンテナ張ってるんだもん。
こんなに周囲を気にしながら生きてて、
疲れないもんかねぇ・・・(汗)
で、まんまと引っかかった犯人・・・でございました。

どれも読みごたえのある作品でした。




 
   
いまさら翼といわれても




2017/1/






角川書店

内容(「BOOK」データベースより)
神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘―折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作)。奉太郎、える、里志、摩耶花―“古典部”4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇!




読書予定