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 柚月裕子 


下記のリストは、既読の一覧です。リストの順番はランダムです。
リンクしていないモノは、おいおい感想を記載していきます。

最後の証人 検事の本懐 検事の死命 臨床真理(上・下)
蟻の菜園 パレートの誤算 朽ちないサクラ ウツボカズラの甘い息
あしたの君へ 慈雨 合理的にありえない





   
最後の証人



2013/3/11 読了





内容(「BOOK」データベースより)
元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。




「このミス」で大賞を取ったらしい作家さんの本・・・
受賞作は読んでないけど、とりあえずコレを読んでみた・・・

ネタバレしてます。



理不尽な交通事故で子供を失った夫婦が、
その加害者に復讐する話・・・
被告が誰か、明かされずに進む法廷・・・
きっと、事故を起こした男を息子の母が殺した・・・・と
思わせたかったんだろうけど、
私はすぐに「この男をハメるために自ら死んだんだろう」ってわかったよ・・
このからくりを暴いた弁護士が、いまいち・・扱いが軽くて・・・
もうちょっとうまく描けたのでは?と思えました。

見事にまんまと騙されていれば、もうちょっと楽しめたのかもしれんけど、
いろいろミステリーを読みすぎて、
読めてしまった自分が悲しい・・・
でも、面白かったですよ!



 
   
検事の本懐





2013/4/16 読了





内容(「BOOK」データベースより)
骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興趣が見事に融合した連作短編集。県警上層部に渦巻く男の嫉妬が、連続放火事件に隠された真相を歪める「樹を見る」。東京地検特捜部を舞台に“検察の正義”と“己の信義”の狭間でもがく「拳を握る」。横領弁護士の汚名を着てまで、恩義を守り抜いて死んだ男の真情を描く「本懐を知る」など、全五話。第25回山本周五郎賞ノミネート作品。




前作でヤメ検弁護士となった佐方の話。
連作短編集です。

じっくりと、1話1話、佐方らしい推理で話は進んでいきます。
どの話もいいです。
そして最後の「本懐を知る」・・・
父の死の真相が明かされていく内容なんだけど・・・
いい構成ですし、ほんと、満足度の高い作品でした。

この事実を知った上で、佐方はますますいい弁護士になっていくよね。
今後のカレをまた見ていきたい・・・と思わせる一作です。





 
   
検事の死命





2013/9/12 読了





2012年度の山本周五郎賞にノミネートされ、2013年度大藪春彦賞を満場一致で受賞した『検事の本懐』TV、新聞雑誌で話題沸騰、法曹会からもエールをおくられる著者の受賞後第一作です。検事の矜持をかけて権力との激闘に挑む力作中篇「死命」、『ザ・ベストミステリーズ2013(推理小説年鑑)』にも選ばれた傑作短編 「心を掬う」、感涙必至の“帰郷小説"「業をおろす」を収録した検事・佐方シリーズ最新刊。いまミステリー界で熱い注目を集める『このミス』大賞作家・柚月裕子の、大いなる飛翔を告げる、渾身の一作!



佐方シリーズ3作目。

今作は連作短編集ではなく、短編集。
個人的に、単純な「短編集」はあんまり好きではない。
長編が好きなんですよねぇ・・
なので、1話終わっちゃうと、本を一旦おいてしまうんだわ。
気持ちに区切りがついちゃうんで、
次の話に進むより、次の本に手を出したくなっちゃうというか・・
いかん癖なんですが・・・

で、この本も結構時間がかかりました。(汗)
でも、3編と4編は、前後編扱いになってまして、
ここは一気に読みました。
佐方らしい、上からの圧力にも負けない信念をじっくりと見せつけられ、
読後感はスッキリ・・・

読むのに時間はかかったけど、やっぱり柚月作品はいいですね。
もっともっと読みたいので、
早く書いてくださーい!(笑)



 
   
臨床真理







2013/12/11 読了





「新人作家とは思えぬ筆力」「醜悪なテーマを正統派のサスペンスに仕立て上げた腕前は見事」と、茶木則雄、吉野仁両氏がそろって大絶賛! 応募総数が過去最高を記録し、大激戦となった第7回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作がついに文庫化です。
新進気鋭の臨床心理士・佐久間美帆と、神から与えられたとも言われる「共感覚」を持つ青年・藤木司が、声の色で感情を読み取る力を使い、知的障害者施設で起こった少女の自殺の真相を追う!




柚月さんの、このデビュー作を除いて、全部読んでるんです。
なぜ、デビュー作だけ読んでなかったのか・・・
それは・・・

上下巻だからっ!
しかも、めっちゃ薄いから!!
こんなに薄いなら、一冊にまとめろよ!とムカついたから!!(笑)
・・・ほんと、何で分割したんだろ・・・・
商魂丸出しか・・?(汗)

でも、古本屋で一冊100円、2冊で200円で売ってたからさ、
なら、読んでやろうかと。(偉そうに(笑))


途中で、しかもかなり早い段階で、真実がバレバレでした。
なので、あとは、どうやってそこにたどり着くのか・・・と見守っておりました。
知的障害のある女子に対する性的虐待は、今も昔もなくなりません。
本当に許せないこと。
それを利用して金儲けに走る者、欲望を満たす者・・・
絶対に許せん!
言葉にできなくても、心も体も傷ついて苦しんでるんだ!
読んでて、本当に苦しくなった・・・

しかし、この本では、障がい者に対する性的虐待の描写は少ない。
その代わりと言っちゃなんだけど、主人公に降りかかる災いについては
事細かに書かれておりまして・・・
特に、最後に追い詰められたときの描写は、
「もう、いいよ・・・」ってくらいの嫌悪感ムンムンでございまして・・・
女性の作者さんなのに、ここまで書いちゃうのか・・・とグッタリしちゃった。
でも、生きるために選んだ手段として・・・それは正しかったんだろうけどさ・・
はぁ・・・・もう、ヤダ。(汗)

デビュー作としては読みごたえがあったと思います。
その後に出されている「検事シリーズ」も面白いですし、
今後も読んでいきたい作家さんですね。



 
   
蟻の菜園




2014/8/





内容(「BOOK」データベースより)
婚活サイトを利用した連続不審死事件に関与したとして、殺人容疑がかかる円藤冬香。しかし冬香には完璧なアリバイがあり、共犯者の影も見当たらなかった。並外れた美貌をもつ冬香の人生と犯行動機に興味を抱いた週刊誌ライターの由美は、大手メディアを向こうに回して事件を追いはじめる。数奇な運命を辿る美女の過去を追って、由美は千葉・房総から福井・東尋坊へ。大藪賞作家が満を持して放つ、驚愕と慟哭の傑作サスペンス!




読書予定




 
   
パレートの誤算




2014/11/6 読了





内容(「BOOK」データベースより)
ケースワーカーはなぜ殺されたのか。優秀な先輩の素顔を追って、女性ワーカーが生活保護の闇を炙り出す!受給者、ケースワーカー、役人…それぞれの思惑が交錯する渾身の社会派サスペンス!




「パレート」とは、経済学者で「経済において、全体の数値の大部分は、
全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説」という
「パレートの法則」が有名ですね。
この法則は、個人的にはなかなかの信ぴょう性があると思ってまして、
「働き蟻」の例えは、へぇ・・・ってなもんです。

このお話は、生活保護を受けてる人たちと、
市役所の人たちがメインとなってまして、
パレートの法則でいうと、生活保護を受けてる人たちは、
「働かない蟻」ってことで・・・

個人的に、本当に生活に困窮していて、
保護の必要がある人には支給していただいて構わないんだけど、
働けるくせに、「もらえるならもらっておこう」って人が実際にいるわけで、
それはやっぱり許せないんですよね。
市役所側の人員が不足してるんだろうけど、
ちゃーんとしっかり調査して、必要な人にだけあげてほしい。
一か月の支給額総計を聞くと、もう、ぶっ倒れそうですもん!
必死に働いて納めてる税金なのに・・・
ギャンブルだ、風俗だにつかわれちゃ、たまらんですよ!

あ、小説の話に戻ろう・・・・(笑)
ある日、市役所の生活保護担当者が殺された・・・
同僚がその死について調べ始める・・・ってわけだけど、
まぁ、だいたいの大筋は読めてまして、
問題は「裏切り者は誰だ」ってわけで・・・
あの人じゃなくて良かった・・・

でもさ、主人公の女性、危なすぎる!
真相を知りたいっていう気持ちはわかるけど、
危険すぎるでしょうが・・・
もう、ちょっとイライラしちゃったわよ・・。

どんでん返しはなかったけど、
まぁ、社会派ミステリーとしては及第点・・・でしょうかね?
登場人物の魅力が欠けてる気がするのは問題ですけど・・・(汗)




 
   
朽ちないサクラ




2015/3/29 読了






徳間書店

内容(「BOOK」データベースより)
米崎県警平井中央署生活安全課が被害届の受理を引き延ばし、慰安旅行に出かけた末に、ストーカー殺人を未然に防げなかったと、新聞にスクープされた。県警広報広聴課で働いて4年、森口泉は、嫌な予感が頭から離れない。親友の新聞記者、千佳が漏らしたのか?「お願い、信じて」そして、千佳は殺された。大藪春彦賞作家、異色の警察小説。




社会派ミステリーです。

警察内部の情報が漏れて、記者の親友を疑った主人公・泉。
親友は自らの潔白を証明する!と言って、遺体で発見される・・・
一体何が・・・?という話なんだけど・・

すごくいろんな意味で後味が悪い話だよね。
だって、自分が疑ったせいで親友が踏み込んじゃったわけでしょ?
そのせいで死んじゃったとなると・・・
ご遺族に合わせる顔がないよ、私なら・・・(涙)

親友の死の真相を探ろうとする泉だけど、
上司や恋人未満の同僚を巻き込んでの調査となります。
巻き込んだ結果の更なる悲劇・・・っていうのを心配したんだけど、
それはなくて良かったよ・・・・

で、オチとしては・・・
途中から、こうなると、この人が怪しいよね・・・って人が
案の定・・っていうことで、
結局、「警察って・・・」っていう話なんだよねぇ・・

私、警察官になる!っていう結末でしたが・・・
そうやってアンタが入って何が変わる・・・・?って気もしなくはないが・・・(汗)
泉が警官になってから・・・っていう続編もアリ・・・ですかね?




 
   
ウツボカズラの甘い息




2015/6/6 読了






幻冬舎

内容(「BOOK」データベースより)
家事と育児に追われ、かつての美貌を失った高村文絵。彼女はある日、出掛けた先で見覚えのない美女に声をかけられる。大きなサングラスをかけたその女は『加奈子』と名乗り、文絵と同じ中学で同級生だというのだ。そして文絵に、あるビジネス話を持ちかけるが―。この再会は偶然なのか、仕組まれた罠か!?鎌倉で起きた殺人事件を捜査する神奈川県警捜査一課の刑事・秦圭介と鎌倉署の美人刑事・中川菜月。聞き込みで、サングラスをかけた女が現場を頻繁に出入りしていたという情報が入る…。事件の鍵を握る、サングラスをかけた謎の女とは!?日常生活の危うさ、人間の心の脆さを圧倒的なリアリティーで描く、ミステリー長篇。




「姿の見えない人間」というか、
「つかみどころのない人間」を相手にする話で・・・

まぁ、どっかで読んだような気もする話ではあるんだけど、
最後まで面白く読ませてもらいました。
「よく似た話」って思える他の作品とは違って、
結末がちゃんとしてたのはスッキリしたかな?


偶然再会した同級生・・・
すっかり魅せられ、巻き込まれていくわけですが・・・
一方で、ある殺人事件を調べている刑事は、
最終的に彼女にたどり着いていく・・・
しかし、たどり着いてみると・・・?という、
300ページ半ばくらいから、
「え?」、「は?」って思う展開になっていきます。

しかし、まぁ、何度も何度も人を騙したこの女・・・
自分の不遇を人に転化するなんざ、最悪だよ。
何人死んでんねん!
ひどすぎる女だ・・・

柚月さんの「イヤミス」って感じかしらね・・・?
とはいえ、面白く最後まで一気読みいたしました。




 
   
あしたの君へ




2016/8/4 読了






文藝春秋

裁判所職員採用試験に合格し、家裁調査官に採用された望月大地。
だが、採用されてから任官するまでの二年間――養成課程研修のあいだ、修習生は家庭調査官補・通称“カンポちゃん”と呼ばれる。
試験に合格した二人の同期とともに、九州の県庁所在地にある福森家裁に配属された大地は、当初は関係書類の記載や整理を主に行っていたが、今回、はじめて実際の少年事件を扱うことになっていた。
窃盗を犯した少女。ストーカー事案で逮捕された高校生。一見幸せそうに見えた夫婦。親権を争う父と母のどちらに着いていっていいのかわからない少年。心を開かない相談者たちを相手に、彼は真実に辿り着き、手を差し伸べることができるのか――
彼らの未来のため、悩み、成長する「カンポちゃん」の物語。




家庭裁判所調査官補=カンポちゃんが主役のお話。
正直、「家裁」が舞台の小説はたくさんありまして、
目新しさは感じない。
扱われてる案件も、予想できるものだったし・・・

でも、家庭裁判所調査官に「補」がいて、
その家裁調査官補=カンポちゃんが成長する話として見ると、
これはこれで面白かったです。

5つの案件(一つは厳密には”案件”ではないけど)が描かれていて、
最初の「背負う者」は辛かったですね・・
家族の生計を背負っていた少女もだけど、
知的障害があって、ずっと言い聞かされた親の言葉に縛られて
人を頼れなかった親も切なくてさ・・・
人に迷惑をかけることと頼ることは違う・・・ってことを、
まずは今の状況から離すことで学んでもらう・・・そのための、
少年院送致・・・っていうのも、なかなかの決断・・・でしたよね・・・。

「縋る者」と最後の「迷う者」はちょっとつながっていて、
主人公のカンポちゃんの迷いも描かれておりました。
何より、人のために何かできたら・・・って想いがあるのなら、
この人は立派な家裁調査官になれると思う。
迷いも悩みもせずに自分の意見を押し通すような考えの人より、
悩んでくれた方がいいもんね。

研修期間が終わる・・・ってところでお話は終わりました。
今後の成長も見てみたいので・・・・続編もアリ・・・って気がしますな。




 
   
慈雨




2016/11/27 読了






集英社

内容(「BOOK」データベースより)
警察官を定年退職した神場智則は、妻の香代子とお遍路の旅に出た。42年の警察官人生を振り返る旅の途中で、神場は幼女殺害事件の発生を知り、動揺する。16年前、自らも捜査に加わり、犯人逮捕に至った事件に酷似していたのだ。神場の心に深い傷と悔恨を残した、あの事件に―。元警察官が真実を追う、慟哭のミステリー。




退職した元刑事。
過去にある事件がらみで心に何かを抱えていて、
退職後、妻とともに四国お遍路の旅へ・・・
その最中、過去に繋がりそうな幼女殺害事件が・・・
繋がるのか?
繋がるのだとしたら、オレの罪は・・・
と、そんな話です。

序盤は、何かを抱えてるのはわかってても、
それがなかなか見えてきません。
でも、徐々に明らかになり、過去の事件の真相が見え隠れする・・・
過去をほじくるということの意味に思い悩むも、
無実の罪で裁かれてる人がいることは事実・・・
勇気を出して・・・ってわけだ。

ほんと、冤罪で裁かれた人にとっては、
何をぐちゃぐちゃ言ってんねん、早よしてくれや!ってなもんで。(汗)
でも、もしかしたら冤罪じゃないかもしれないわけで、
真相が明らかになるにつれ、ハラハラな展開となっていきます。

結末は、尻切れトンボではありますが、
関わった人間たちの気持ちの問題として決断できてるわけで、
これからが大変ではあるものの、
しっかりやりなはれや!っていう、そんな結末でしたね。

お遍路をしてる元刑事の人生を振り返りつつ・・・で描かれ、
事件には関係ない話も多々出てくるけど、
それはそれでとても読み応えのある人生で、
無駄だとは思いませんでしたね。
それも込みで、読み応えのある一作だと思います。






 
   
合理的にありえない




2017/4/5 読了






講談社

内容(「BOOK」データベースより)
「殺し」と「傷害」以外、引き受けます。美貌の元弁護士が、あり得ない依頼に知略をめぐらす鮮烈ミステリー!



骨太の硬派な作品が多い柚月さんには珍しい、
ちょっと軽めのミステリーですね。
硬派を求めていたら、ちょっとガッカリするかもしれませんが、
私は好きです。

元弁護士の女性と、東大卒のアシスタント、
二人が依頼を受けて・・・っていう話ですね。
どの話もまぁ、面白く読めました。
ただ、ちょっとブラックな感じもあって、
ハッピー!なエンディングばかりではありません。

弁護士を辞めるキッカケになった人物からの依頼も受けたりして、
ちょっと主人公の過去も垣間見えたりしまして、
形としてしっかりとした作りになってます。
これは、シリーズ化・・・ですかね?